お気に入り度★★★★(お薦め度★★★★)
の続き。個別ルート2人目です。
ノアルートでは全然明らかにされなかったチューリップ・プリズンの側面が明らかになる!
ヘンタイ・プリズンの個別ルートでは、
主人公がヒロインとちからをあわせて
それぞれのヒロインに対応する「中ボス=看守長」と戦うという展開になっています。
・ノアルートではソフィーヤ・シコレンコ
・妙花ルートでは我妻樹里亜
・チサトルートでは夕顔葉月と戦います。
そして、Qruppoの作品は、敵キャラがある意味ヒロイン以上に強くて魅力的であることが特徴です。
今回の中ボスは、前作の生徒会以上に強キャラだったと思います。
とても主人公とヒロインだけでは勝てないので
どのルートでも他のヒロインたちやその他のサブキャラの力も借りながら
総力戦で戦って勝利をもぎ取るという展開になります。
戦いにおいても、
・資金集め
・味方集め
・陣取り合戦
・情報戦
・軍略で相手をハメる
などどんでん返しや伏線回収が続き、終盤の展開は非常に読みごたえがありました。
妙花ルートのボスである「我妻樹里亜」のキャラクターがめちゃくちゃ濃い!
この顔を見ただけでやべー奴ってのは一目見ればわかりますよね。
実際、この想像にたがわずというかそれ以上にやべー人でした。
「目的のためなら手段を選ばず」とはよく言いますが、
彼女の場合、自分の思想を広めるためなら手段を選ばないということに関しては
他の中ボスと比べても突き抜けており、「金」と「宗教」の力でプリズンを一気に支配しようとしてきます。
実際、途中ではプリズン内の過半数を彼女が掌握してしまう。
絶体絶命のピンチから、三国志の劉備のような立ち回りでジワジワと押し返していく展開が熱い!
ヒロインの大切な仲間たちも我妻ジュリアに奪われてしまうという厳しい展開になりました。
これに対して、主人公とヒロインは、無力な囚人のままでは戦うことすらできないため、
彼女と敵対している他の中ボスに助けを求め、
その勢力のいいなりになって働くところからジワジワと勢力を盛り返していきます。
このあたりの展開は、三国志とか好きな人にはたまらないのではないかと思います。
この「濃すぎる」ボスに立ち向かう主人公とヒロインの関係がすごくよかった!
このルートのヒロインは、若くして、、しかも女性としてヤクザの親分となったというまさにマンガ的な設定のキャラクター。
しかし、彼女はその重圧に耐えながら自分を鍛え続け、主人公のことも何度となく助けてくれます。
そんなやりとりの中で、主人公は彼女に強い憧れの念を抱きます。
最初は男女としての恋ではなく、「親分と部下」関係。もっといえば「推し」の関係だったんですね。
二人の距離は近いようで遠かった。
でも、戦いの中で主人公は彼女に少しでも近づきたいと思って努力を欠かさず、身体を張って動き、頭を使うようになります。
精進を重ねていく中で、いつしか二人は対等の関係になっていきます。
そして、彼女はある時、ついに自分の弱い心を主人公に打ち明ける……
すっごいベタっちゃあベタですけど、少年漫画の王道を行くド直球の燃えストーリーでした。
そんなこんなあって、何とか互角の状況にまで持ち込み、最終決戦でついに我妻ジュリアの目的と本性がむき出しになるが……
この終盤の我妻ジュリアさんのぶっ飛び感が凄かったです。
ここは実際にプレイしてみてほしいです。声優さんの演技が極まっててゾクゾクしました!
純粋な「バトル」展開ではこのルートが一番盛り上がったかもしれません。