海外の選挙でも、日本の都知事選挙と同様に、ユニークな候補者や一風変わった人物が立候補することはあります。
これは民主主義の特徴の一つで、多様な意見や背景を持つ人々が政治プロセスに参加できることを示しています。
- 1:アメリカ - ヴェリミン・スプリーム
- 2:イギリス - モンスターラビング・ルーニー・パーティー
- 3:ドイツ - ディー・パルテイ(Die PARTEI=The Party=仕事、法の支配、動物保護、エリート昇進、草の根民主イニシアティブのための党)
- 4:ひまそらさん信者に最も希望を与える事例はアイスランド - ジョン・グナーの「ベスト党」(Best Party)かな? この人は実際に首都レイキャビクの市長選で当選しています。
- 5:日本でいうとアナウンサー出身で活躍した福岡市長の高島さんが有名ですね
- おまけ:ぶっちゃけ政治への参加プロセスって、とっても楽しいものだと思う
- いつもの
1:アメリカ - ヴェリミン・スプリーム
アメリカの大統領選挙に何度も立候補している変わり者の政治活動家です。いつも長靴を頭に被って登場し、毎日歯を磨くことを法律で義務付けるなど、奇抜な公約を掲げています。
・歯磨きの義務化法の制定
・すべてのアメリカ人に無料のポニーを与えること
・再生可能エネルギーのためにゾンビを使用すること
・ゾンビの黙示録の認識
・タイムトラベルの研究など
2:イギリス - モンスターラビング・ルーニー・パーティー
ja.wikipedia.org
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この政党は1983年から2014年まで存在し、ユーモアを交えた政治批判を行っていました。党首のスクリーミング・ロード・サッチは、奇抜な衣装と過激な公約で知られていました。
1:24時間営業のパブ 理由:「なぜ喉の渇きに時間制限があるのか?」と主張。
2:投票権を16歳に引き下げ 説明:「16歳で結婚できるなら、投票もできるはずだ」と主張。
3:議会を廃止し、コンピューターに置き換える理由:政治家よりも効率的だと主張。
4:ソックスを履かないことを法律で義務付け 目的:靴下の片方がなくなる問題の解決。
5:サンタクロースを内閣に入れる 理由:「誰もが何かを欲しがっているから」。
6:学校の体育の授業でサーフィンを必修科目に 対象:内陸部の学校も含む。
7:議員を無作為に選ぶ宝くじシステムの導入 目的:一般市民の政治参加を促進。
8:マグガーズ(強盗)に対する厳罰化 提案:強盗犯を実際にマグ(大きなカップ)に入れて懲罰。
9:ペットのパスポート導入 目的:ペットの国際移動を容易に。
10:すべての歩道にエスカレーターを設置 理由:歩行者の移動を楽にするため。
一見すると滑稽で非現実的に見えますが、実はそれぞれが当時の社会問題や政治的課題を風刺しているものが多いです。
例えば、24時間営業のパブという公約は、イギリスの厳格な酒類提供時間規制に対する批判であり、16歳への投票権引き下げは若者の政治参加に関する議論を喚起しています。
また、議会をコンピューターに置き換えるという提案は、政治家の非効率性や意思決定の遅さへの批判と解釈できます。
ただし、インターネットやソーシャルメディアの普及により、政治風刺や批判の方法が多様化しました。これにより、サッチのような「ジョーク候補」の役割が相対的に小さくなった面があります。
日本の都知事選挙の様子は、英国と比べると40年くらい遅れているだけ、という風に見ればいいのかもしれません。
今まで政治参加について全く学んでこなかった人たちが、暇空さんとか参政党などを支持しているものと思われます。
3:ドイツ - ディー・パルテイ(Die PARTEI=The Party=仕事、法の支配、動物保護、エリート昇進、草の根民主イニシアティブのための党)
www.die-partei.de
de.wikipedia.org
2004年に設立されたこの政党は、風刺と皮肉を込めた政治活動を行っています。例えば、ベルリンの壁を再建するという公約を掲げたこともあります。
1:ベルリンの壁の再建
目的:観光客を引きつけ、経済を活性化させる。
説明:東西ドイツ統一の象徴を風刺的に利用。
2:リヒテンシュタインの侵略
理由:ドイツの領土拡大の風刺。
注釈:明らかに非現実的な提案で、国際政治を揶揄。
3:政治家の給与を最低賃金に設定
狙い:政治家と一般市民の給与格差への批判。
効果:政治家に庶民の生活を体験させる。
4:選挙権年齢の引き上げ
提案:選挙権年齢を65歳以上に制限。
批判対象:高齢者の投票傾向が若者の未来に影響を与えることへの皮肉。
5:EU議会でのくじ引き投票制度の導入
方法:議員の投票をランダムに決定。
批判:現行の投票システムへの風刺。
6:日曜日の廃止
提案:週を6日制に。
目的:労働時間と休日のバランスへの批判。
7:すべての道路を一方通行に
理由:交通渋滞の解消(という名目)。
実際の意図:非効率的な政策決定への批判。
8:気候変動対策としての「夏時間の延長」
提案:夏をより長く、冬をより短くする。
批判対象:気候変動対策の形骸化。
9:政党助成金の倍増
条件:ディー・パルテイにのみ適用。
批判:政党助成金制度への皮肉。
10:公職者の「嘘発見器テスト」義務化
目的:政治家の発言の信頼性を高める(という建前)。
実際の意図:政治家の不誠実さへの批判。
公約を通じて、ディー・パルテイは既存の政治システムや社会問題に対する批判的な視点を提供し、人々に考えるきっかけを与えようとしています。彼らの活動は、ユーモアを使って政治への関心を高め、時には真剣な政治的議論のきっかけを作る役割も果たしています。
例えば、「ベルリンの壁の再建」は、東西ドイツ統一後も残る社会的・経済的な分断を皮肉っています。「リヒテンシュタインの侵略」は、国際政治における力の論理を批判的に捉えています。
「政治家の給与を最低賃金に設定」という提案は、政治家と一般市民の生活水準の格差を批判しています。「選挙権年齢の引き上げ」は、若者の政治参加や世代間の対立を浮き彫りにしています。
「EU議会でのくじ引き投票制度」は、現行の政治システムの非効率性や不透明性を批判しています。「日曜日の廃止」は、労働と休暇のバランスに関する社会的議論を喚起しています。