初めてアイドルを見た時思ったの。人間って、光るんだって。それからずっと、自分も光る方法を探してた。周りには隠して、嘘ついて。
でも自分みたいな人、いっぱいいると思うんだよね。皆口に出せない夢や願望を持っていて、それについて毎日考えて努力してみたり。
アイドルってキラキラ輝いてるんだよ。星みたいに。私もあんなふうに光ってみたい。
これは夢じゃない。夢で終わらせたくないから、現実にする。
映画『トラペジウム』は、元乃木坂46の高山一実が執筆した同名小説を原作とするアニメーション作品。2024年5月に公開。
制作はCloverWorksが担当し、青春と夢、そして人間関係の葛藤を描いた物語。
🧭 物語の概要
主人公の東ゆうは、アイドルになるという夢を叶えるため、自らに「4箇条」を課して高校生活を送っている。
・SNSはやらない
・彼氏は作らない
・学校では目立たない
・東西南北の美少女を仲間にする
彼女は、半島地域「城州」の東に位置する城州東高校に通いながら、
他の方角にある高校へ足を運び、
個性的な美少女たちと友達になる計画を進めます。
その裏には、「東西南北の美少女を集めてアイドルグループを結成する」という野望がありました 。
仲間との絆
ゆうは、ロボコンに情熱を注ぐ大河くるみ(西)
お嬢様学校に通う華鳥蘭子(南)
ボランティア活動に励む亀井美嘉(北)
と友人関係を築きます。
彼女たちは、ゆうの本当の目的を知らず、純粋な友情として接していました。
計画的にテレビに出ようとする(成瀬と比較するとおもろいね)
やがて、地元の観光ガイドのボランティア活動がテレビで取り上げられ、
4人は注目を集め、アイドルグループとしてデビューすることになります。
一度は見失った星に、手が届くかもしれない。
「最後に一つだけ。なんで東さんはオーディションを受けてアイドルになろうとしなかったの?」
しばらく快進撃が続く(ここまではもしドラみたいな展開)
ただし、光がしっかりある他の3人と違って「東ゆうだけは」ファンレターが少ない。
グループの崩壊はかなりあっという間・・・というか東ゆうのやからしシーン3連発で撃沈
①亀井ちゃんがやらかした時にケアするんじゃなくて突き放す東ゆう
ここで本作の「最も重要なシーン」が登場する
ぶっちゃけ、このシーンをどう評価するかによって、作品の評価の半分以上が決まってしまうのではないかというくらい重要だ。
彼氏がいるなら、友第にならなきゃよかった。
さてこのセリフだが、最初見たときは東ゆうはなぜこんなに愚かなのかと戸惑ったものだが
当時下記の解説を見て
「本作品のスタッフは、視聴者のキャラへ感情移入度より
話の美しさを重視するタイプなのかな」と納得したのを思い出す。
そう、本作品は「東ゆう」に感情移入しているとここでいきなり突き放されて戸惑ってしまう。
しかし、東ゆうに一切感情移入していなかったり、
2周目などでフラットに見るようになると、
とたんにこのシーンが輝いて見える構造になっている。
私はこの記事を読んだせいでもう一回見に行ったよね。
②自分以外はモチベーションがないことが露呈してくるがサポートしない東ゆう
東ゆうが勝手に「宿題」を作って押し付けるが当然だれもやってこない
そして口パク騒動。
歌が苦手なんだったら練習すればいいじゃん
もうこの頃には、みかは笑わなくなっているし、くるみは完全に熱意を失っている。
「流れに任せるなんて賭けだよ」
「賭けに勝ったら夢が叶いやすくなるじゃない」
それにしても、本当に東ゆうはメンバーのサポートを全くしないよね。
なんだかんだ夢のためにできる限り努力してたって共感を視聴者から得る権利を見事に剥奪されている。
③くるみが収録中にパニックを起こすがそれでもくるみを気遣え無い東ゆう
この直後に
「近くの人も笑顔にできない人が・・・」
って言い返されてそのまま逃げ出しちゃうの本当に弱い・・・。
主人公としてここまで弱い子は、まじで「もしドラ」以外で見たことがない。
これをきっかけに、美嘉と蘭子もアイドル活動からの離脱を決意。
グループは解散し、ゆうの仕事もなくなってしまいます。
夢は破れたけれど・・・それでもちゃんと挑んだ結果は残る。良くも悪くも。
東西南北のおかげでいい楽しいこと経験させてもろたから、ほんまありがとなー!
この後、他の3人に会いに行く。
まず亀井ちゃんに会って昔の自分を少し思い出す
東ゆうは物語開始時点でアイドルの夢にとっくに敗れてて、
それからは自分の魅力や価値をを見失って、
だから計算高く、嫌な人間として生きようとしてきた。
だけど、意外にも、そうなる前に東ゆうは、すでにファンを獲得していた。
ちゃんと一人の人間にとってのヒーローになれるやつだった。
その後3人が向こうから会いに来てくれる
「私を見つけてくれてありがとう」
「私と仲良くしてくれた女の子はあなたがはじめだったよ」
「応援してるよ。まだ諦めてないんでしょ」
「結局のところさ、解散はしちゃったけど、みんなアイドルになってよかったってことなのかな?」
「じゃあもう一回やる?」
「絶対ヤダ」
ラストシーンは自分で見ようね!
個人的には、「歌い手のバラッド」みたいな余韻が得られる作品だなと思ってます。
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