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百年戦争(1339~1453)について描いているマンガ

最近読んだマンガ「乙女戦争」がとても面白かったです。結末を知っていると切なくなりますが、それでも続きが気になって仕方がない。

このマンガをきっかけに、14~15世紀のヨーロッパにに興味が出てきたので同時代について触れているマンガをいろいろ探して読んでいます。私はこの時代の歴史に詳しくないため、馴染みがなくてとっつきにくいのですが、分かってくると本当に変化が多い時代だったのですね。

他にも関連の作品をご存知でしたら是非教えて下さいませ。一通り読んだら、文庫本なんかでおさらいしてみたいと思います。

「傭兵ピエール」など佐藤賢一作品群

百年戦争に関して言えば何と言ってもフランス歴史研究家にして直木賞作家でもある佐藤賢一さんの作品群が有名。

歴史の順番としては「赤目のジャック」「双頭の鷲」「傭兵ピエール」「ジャンヌ・ダルクあるいはロマ」となってます。

一番面白いのは「双頭の鷲」なので、是非この部分がマンガ化されて欲しいと切に願う次第ですが、とりあえず「傭兵ピエール」はマンガ化されていたので読んでみました。この作品は名前こそ傭兵の話かと思うかもしれませんが、みなさんご存知のジャンヌ・ダルクが出てくるので非常にとっつきやすいです。

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ガーター騎士団

百年戦争は、日本だとどうしても「ジャンヌ・ダルク」の影響でフランス側寄りの視点になってしまいがちです。そのせいで、前半部分であるイギリス優勢の時代は軽くしか知らない人が多いのではないかと。

そもそも、百年戦争がどういう経緯で始まったのかがわかりにくかったりします。

そこで、最初に戦争の口火を切ったイギリスの「エドワード三世」およびその息子で序盤のイギリス軍を勝利に導いた「エドワード黒太子」を主人公にしているこの作品を読むことで、歴史が少しイメージしやすくなると思います。「エドワード黒太子」は、この時代には非常に珍しい「恋愛結婚」をした人(しかも相手はバツ2)であり、歴女の方々には人気が高いのです。

タイトルの「ガーター騎士団」というのは、「アーサー王」ともつながりがあり、今でもこの名前を冠した団体があるくらいなので、いかに「騎士」という概念が人々をひきつけるかも分かって良いですね。

とはいえ、歴史ものの作品として読むには作者さんが「エドワード黒太子」びいきなので、こっちはこっちでイギリスに偏りすぎてるという難点がありますね(笑)

ぶっちゃけ「エドワード3世」も、「エドワード黒太子」も有能な人物ではあったのですが、金遣いや性格に難があり、過度に美化して語られると違和感があったりします。特にエドワード3世の後はチンギス・ハーンの死後のように王家が分裂し、リチャード2世の悲劇や、その後のばら戦争のきっかけになってたりします。

褒められる点ばかりではないので注意。

といっても、まずはこのあたりをそもそも知らない人が多いと思うので是非まず「エドワード黒太子って格好いい名前だけど(個人的にはグスタフ・アドルフ並にインパクトある)どんなやつだ?」って興味を持って読んでみると面白いと思います。

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百年戦争 ユーロ・ヒストリア

百年戦争を題材にしたブラウザゲームをコミカライズしたもの。 残念ながら、今ひとつ世界観を活かせていないと思いますね。

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ホークウッド

百年戦争に参加した後イタリアで活躍した傭兵の中の傭兵の話。「乙女戦争」でも話の中に出てきますから、当時は英雄的存在だったんでしょうね。とはいえよくこんなしぶいところマンガ化したよなぁ……。

マンガでは百年戦争でフランス軍に参加するところから始まっています。当然エドワード黒太子とも戦います。「傭兵ピエール」もそうなのですが、百年戦争後半はとにかく「貴族(領主)軍」「騎士団」といったものから「傭兵」「都市国家軍」というものに力が移り変わっていく時代になっており、これを理解する意味でとても参考になる作品です。

また、百年戦争の間、イギリスもフランスもイタリアの銀行に多額の借金をしており、特にイギリスは踏み倒しとかやってるので百年戦争とイタリアの商人は切っても切れない関係であったりします。そういう点も考えながら読むと世界史っておもしれえええ!ってなるのでオススメ。

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乙女戦争

これはすでに紹介しました。作品としてはフス戦争が主題になっていますが、百年戦争の頃、「神聖ローマ帝国」側では何が起きていたのかを見ることができる作品ですね。

ビザンツ帝国オスマントルコの脅威にさらされている(ちょうど百年戦争終結した1453年にコンスタンティノーブルが陥落してます)時代の話でもあり、ちゃんとこの点についても触れられているのでかなり俯瞰的に世界を描いている感覚があって、かなり好きです。

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「薔薇王の葬列」

これは百年戦争後のイギリスで起きた王家の後継者争いを描いたもの……というか元ネタはシェイクスピアの「リチャード3世」ですね。

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百年戦争でどちらの国もボロボロになったみたいに思われますが、イギリスはその後も元気に戦争をしておったわけです。そもそも薔薇戦争のきっかけは百年戦争を始めた「エドワード三世」が原因なので、これも切っては切れない関係ですね。



その他作品。

狼の口 ヴォルフスムント

これは1315年のモルガルテンの戦いを描く作品なので、百年戦争の前ですね。残虐行為が有名ですが、この作品もスイスの歴史・ハプスブルク家の歴史などを確認しながら読むと、歴史的にものすごく重要な戦いを描いていたのだな、と分かって面白かったです。

最近最終巻である8巻が出ました。このタイミングでまとめ読みしてみるのも良いと思います。

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ドロテア 魔女の鉄槌

百年戦争末期のドイツが舞台です。

と言っても、この作品は魔女狩りがテーマであり、また作者がマクロの歴史背景を十分に描けていない(単に魔女狩りの時代を拝借してるだけ?)ため、あまり歴史ものとして読んでも期待はずれになるかなと思います。序盤はすごく面白かったのですが後半は残念の一言。

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チェーザレ 破壊の創造者

歴女が大好きなチェーザレ様は、百年戦争とは直接関わりがありませんが、彼が活躍したのは、百年戦争終了してから20年後です。こちらはどちらかと言うと「乙女戦争」で描かれる「教会の内紛」に関わる話ですね。名前は知っているけれど彼がどういう人間であったかは私もよく把握してないので、この作品は是非連載の続きを読みたいなぁと思いますね。

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