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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「奈落の羊」 食人鬼と少女のお話をリアルに描くとこんなにグロい話になる

ちょっと前に「食人鬼と飢えた少女のお話」が盛り上がってたけれど、何故かその時にこの作品の話をする人がいなかった。

なんのことはない。童話みたいにかたらなくても、

現実に「食人鬼と飢えた少女」なんてものは存在するし、そして99.9999%、実際は美しさのかけらもない話です。

食人鬼とはつまり、セックスワーク界隈の人間であり、あるいはYouTuberなのです。

セックスワーク関係の人間ですら「デブでブサイクで生活の歪んだ少女」は初めから救済対象にしない。
商品価値のない少女に対しては非常にドライである

青○才さんなどミソジニーをこじらせている男の人は、女はいざとなれば体を売ればいいから男より恵まれてるよな、などという。
確かに男は女性をすぐに商品化しようとするが、そういう方向性ですら救われない存在がいる。それがそれが最貧困女子である。


最貧困女子は、容姿は醜く、精神を病んでおり、教育も受けていないし頼る人もいない。
体を売ろうにも買い手もつかず、最低限のコミュニケーション能力もないからアルバイトもできない。
こういう女性はもう日々体を売って食いつなぎながら野垂れ死ぬのを待つのみであり
それより少しでもマシな環境を与えてくれる人間になら、付いていくしか無い。


もし売れないYOUTUBERが、最貧困女子を拾って配信してみたら

さて、奈落の羊という作品は、売れないYoutuber、社会に必要とされていないクズの主人公が最貧困女子という、自分よりも底辺に位置する存在を見つけて喜び、最低限の衣食住を供給する代わりに、女の実態を配信してPVを稼ごうとするというお話。

「なんか、面白いことやってよ。
 実はこれね、撮ってるだけじゃなくてもうネットで配信してるんだ。
 弁当代も宿代も、出してくれるのはこの動画を見てる人。
 弁当代ぶん、みんなを楽しませられるかな?

 無理強いはしないよ。いやならまたウリやればいいんだから。女はいいよなぁ!

 ウリやるくらいなら風俗とかAVやればいいのに。
 バイトとか就職とかしたほうがもっといいと思うけど」


「め、面接……全部落ちて…… 風俗も……」


「だろうねぇ!聞かなくてもわかるよ。
 つまりさ、アンタは、必要とされてないんだよ。世の中に。
 アンタみたいな価値ゼロ園の女がさ。
 金のためにどこまでやんのか見せてよ」

もちろん、実際にはこういうことをしたら一発でネットで話題になって退場するだろうから
この作品はそういう意味でリアリティには欠ける。

だけれども最貧困女子の救いの無さやYoutuberのゴミっぷりはよく伝わってくる。




クズYOUTUBERの主人公も「普通の努力ができないクズ」だからこそ、最貧困女子の救われなさがよくわかる

この作品では、途中で普通の人間が出てきて、彼女を救おうとする*1。バイトをすすめたり、生活保護を受けることをすすめたり、親族への連絡をつけようとしたり彼女のためを思ってまともな支援を提案する。きっと、行政に助けを求めればこの人と同じ対応をするだろう。はてなブックマークの人間だってそうするだろう。



しかし、この最貧困女子にはそれができないのだ。それができるならこんなことになっていない。そして、やはりまともな生き方ができない、努力ができないクズYOUTUBERの主人公は、自分がクズだからこそそのことがわかる。

これ以上メイをいじめんなよ。

さっきからお前の言ってる「大丈夫」「できる」「普通」ってのは全部できるやつらで決めた基準じゃねえか。
メイは、落ちたスプーンを替えてもらうことができない女なんだ。

いいぞ、メイ。スプーンなしで食えよ。配信してやるから。

普通になんてしなくていい。お前のつらさは、お前にしかわからない。

店員なんて呼べなくてもお前にできることがあるだろ?たとえばそうだな……リスナーの前でパンツを脱いでみよう。そしたらご褒美にパフェが食えるんだ。


嫌ならこいつの企画に乗って社会復帰目指してみればいい。店員も呼べないようなお前にできんのかな? 



さあどうする?

そしてこの最貧困女子は、「まっとうな社会復帰」と「クズからの手っ取り早いその場限りの金稼ぎ」の二択で後者を選ぶんですよね。もうそういう判断ができなくなっている。とにかく悲惨です。



そもそも、主人公に合う前の最貧困女子は、ウリの斡旋をしてピンハネされていたわけだけれど、その人を恩人と呼び
自分を晒し者にして金を稼ごうとしているだけのクズの主人公にも感謝する。

底なしのバカだなこの女。
ピンハネしている売春の先輩が恩人で、それを配信して笑いものにする俺が神か。
そんなだからこんな底辺にいるんだよ。

そういう女性を見ながら、いらだちを隠せない主人公。自分もたいして変わらないってのがわかっているからだろう。
(そして私もこのマンガ読んで、他人事として笑い飛ばせずイライラしてくるので、底辺なんだろうなって思う)





と、この辺までが導入。

最底辺女子の済んでる世界には怖い大人の人が当然絡んでおり、甘い気持ちで配信を始めた主人公はどんどん周りに載せられる形でエスカレートしていき、徐々に深みに巻き込まれていくことに成ります。

デスゲームものとちがって、「クリア可能な主人公補正の付いたゲーム」じゃくて、無力な主人公が攻略することなんて絶対不可能な地獄があって、そこにどこまで足を踏み入れるか。 リアル「メイドインABYSS」。どこで主人公がヘタれるのか、それともそのまま地獄までいってしまうのか、そして途中で引き返すことができるのか。そのあたりは興味深いですね。

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*1:実際は普通の人なんかではないのだけれど