とりあえず最新話まで追いついたぞおりゃー。
来年1月23日から新連載開始するから、なんとかちゃんと追いついた状態で読み始められる。
というわけでとりあえず全エピソードをチェックしたので、
新年開けたら、自分の中での上位10エピソードランキングくらい作ってみたいです。
エピソード名 | 犯人 | 動機 | 生死 | 高遠の関与 |
なぜ暖炉は燃えていたか | 花都千冬(38) | 遺産相続狙い | 生存 | ✕ |
EP43 人形島殺人事件 | 星坂花梨(27) | 姉家族の復讐 | 生存 | ✕ |
ソムリエ明智健悟の事件簿 | 羊山城(70) | ワインの復讐 | 生存 | ✕ |
EP44 黒霊ホテル殺人事件 | 志月豹馬(53) | 息子の復讐 | 生存 | ✕ |
EP45 白蛇蔵殺人事件 | 鷺森 弦(28) | 蔵を守るため | 生存 | ✕ |
EP46 聖恋島殺人事件 | 伊豆丸険(50) | 娘の復讐 | 生存 | ✕ |
EP47 金田一ニ三の誘拐 | 永倉新八 | 恋人の復讐 | 生存 | ◯ |
なぜ暖炉は燃えていたか
テーマは「遺産相続がいかに人を狂わせるか」
殺人者にも同情する余地は有るのだけれど被害者の子が良い人過ぎて、もうただただ悲しい。
短編ものは、ただ一人だけを頃すという目的に特化しているためか、トリックも良質なものが多い気がするよね。
EP43 人形島殺人事件★★★
テーマは「加害者家族」という存在について。あと「マスコミの報道姿勢について」
吸血桜と同じように「呪い」のようなものが実在するかのような演出は結構好き。この事件、事件前の積み重ねが結構複雑というか悲劇が連鎖している。
①12年前に弓月清吾という人間が交通事故を起こし、幼い女の子(まゆみ)を殺してしまう。②弓月はその賠償金支払いのために生活を失い、自暴自棄になってさらに借金のため強盗殺人を起こす。(被害者は田中の母親)
③弓月は獄中にて自殺。
④さらにその後、この事件の被害者が、事件をネタにした小説を書き、それが元でマスコミが加害者家族を追い込み、家族は一家心中する。家族が心中すると、マスコミは手のひらを返して今度は小説を書いた人間をバッシングする。小説家は断筆し行方をくらませる。
という展開になっている。
その結果、関係者全体に不幸が蔓延している状態になっていた。殺害動機は理不尽ではあるけれど、やむなしと思えるところもある。日本にも懺悔システムが必要かもしれない。罪悪感を抱いた人間がそれと向き合う方法がないよね……。
トリックもかなり面白く、被害者がやろうとしたトリックに犯人が便乗する形になっており、追跡は結構困難だよねこれ。
ソムリエ明智健悟の事件簿
ワイン好きの人たちのいけすかなさを皮肉めいた感じで表現しているエピソード(笑)
確かに殺されたやつは嫌われてしかるべきではあるけれど、それを見下し、あげく殺されても仕方ないとして受け入れてるワイン仲間の連中、ギャグテイストではあるけどホントに怖い。
しかも殺し方がかなりスレスレで、まぁほんとにワインネタヤリたかっただけなんだろうw
EP44 黒霊ホテル殺人事件 ★
テーマは「映画監督マンセー」
速水玲香登場回。短編だけど1つ目のトリックの難易度は相当高い。しかし2つとも、容疑を逃れるにはちょっと弱いと思う。トリック披露もそうだけど、やはりそこが焦点ではないのだろうなぁ
EP45 白蛇蔵殺人事件 ★★★★
テーマは「後継者争い」
この作品は「人狼」において「狼(殺人者)」意外に「妖狐」も存在するような形で、第三勢力が存在するのが非常に良く出来ている。狼(殺人者)は、村人(ターゲット)を頃すだけでは不十分。妖狐もまた村人(狼のターゲット)を消そうとしてたし、狼も必要があれば頃すつもりだった。この複数勢力が絡み合ってるシナリオはいままで無く、もっとこのあたりが積極的に絡んでくるようになったらさらに面白いストーリーができそうで期待してる。
以前のエピソードである「刀鍛冶」の家で起きた殺人事件でも同じようなことがあったけれどこちらのエピソードのほうがよりグレードアップしている。
あーそれにしてもこのエピソードに出てくる姫小路蒼葉ちゃん可愛すぎるんじゃー。もっと出て欲しい。
EP46 聖恋島殺人事件 ★★★
テーマは「人の命を軽く扱うやつは氏ね」
このエピソードは、人の命が軽く扱われ、記録にも残らず散っていた若者を弔い続ける一人のおばあさんと、人の命を軽く扱い、死に至らしめたにもかかわらず罪の意識を持たない非道な医師を殺害する犯人を対比させている。テーマ性が非常に強く、作者自身の意思も感じる。
今まで取材してきた医者の中には本当に素晴らしい人もたくさんいたよ。患者のために身を削って頑張ってる人とか。でも、あの連中は違ってた。おそらく似たようなことを繰り返してどこかで恨みを買ったんだ、あの連中は。そして、それを自覚もしていなかった。殺人の動機としては十分すぎるくらいだ
この事件の犯人はかなりまともで、ちゃんと最初は証拠を集めて告発するつもりだった。しかし、犯人に全く罪の意識がなく、むしろ自分の家族の無残な死に様を笑い話しとして語ったことにより殺害を決意させる。まぁこんなわかりやすい悪人はそうそういないと思うけどね。
この事件の犯人はそういう意味で、思慮深く、しかも忍耐強く殺人計画を立ててそれを実行している。しかしやはり、3つめの事件でボロを出しているのがもったいない。