もう新しい記事は書かないといったな。あれは嘘だ。というわけじゃないんですが
について、リライトした上で「今後のゾーニング」の部分だけ独立させました。
まず私個人としては今の状態で全く問題ないと思ってます。そもそも図書館ならともかくただの書店に過剰に公共性をもとめ、健全でなければならぬと言うのも意味がわかりません。
本当にそんなに嫌がってる人がそんなに多くいるなら、そういう要素を廃した書店ばかりになっているはずです。というか、自分で作ればいいくらいに考えてます。
更に細かいことを言えばそういうのが嫌いでない女性を抑圧してないかとか(逆にそういうの嫌いな男がいるでしょう)を失念していると思います。
今のネットにおけるゾーニングの議論は、嫌煙の動きと極めて近いなと言う感覚ですね。表現と物理的に健康に害があるのを同じにするのはどうかと思うんですけどねまじで。
とはいえ、
嫌がってる人が本当にいるなら、配慮できる範囲で配慮はされるべきだとも思っています。
「目立つ表紙が売れる!というので安易にエロに走ってるだけ」という風に思っている人が多いみたいなので、それについては一考する余地はあるのかな、と。
あれは表現として外せないものなら肯定するのだけど、目立つ表紙が売れる!というので安易に走ってるだけのような気がしてて枝葉の部分だから守るべき表現の自由とかじゃなくて売る側の努力の問題ちゃうんかなぁ……
— きんどう (@zoknd) 2018年9月17日
きんどうさんでもこういうこと言うんやな、、、書店の頑張りにかなり依存してるはずの人なんですがね、、、
で、改めて考えてみたんですが、これについては、「マンガがここ数年そうだったように、エロ表紙のラノベがネット側で損益分岐点を越えられるような取り組みがいろいろ模索されているはずで、そこがうまくいったらリアル書店とネットという間で棲み分けされるようになるのでは」ということを考えています。ただし、はっきりいいますが、書店とか出版社とか、まして電子書籍についてはあまりに知らないことが多すぎるので、希望的観測というかほとんど妄想デス。「いやお前こういうところ押さえないとダメだぞ」「こういうところ知ってから出直してこい」といったツッコミをいただけるとありがたいです。
現状は書店の判断に依存したゾーニングが行われている
上の記事では現状について「出版社がエロを意識した表紙を出す傾向は未だに強く残っているが、書店側はかなり意識してエロをあまり見せない陳列にしている。(書店側の判断に依存したゾーニング状況)」という評価をしています。
「出版社が特定の作品を売るためにエロ要素を推している傾向」はまだしぶとく残っていると言えるかと思います。ですが、実際にものを売っている現場である書店を実際に見に行くと、そういうものが目立たなかった。一応今回は特に意識して探しましたがわざわざ探しても見つけることが難しかった。つまり、そういう本は売れ筋ではないことが多く、書店側でかなり意識してフィルタリングされているということだと思います。
では、出版社がそういう作品を供給してる状態はまずいだろ。書店によっては売上目的でそういう本を置くようになるんじゃないのか?という意見があってもおかしくないと思います。
書店では、「なろう作品」を通じて「女性」の読者を獲得したがっているように見えるので、ますますエロはフィルタリングされるか完全に分離されそう
陳列ですが、私が言った書店では具体的な数字としてこうなっていました(まだ未完成です)
【下書きプレビュー】 某書店のライトノベルの棚の数など - この夜が明けるまであと百万の祈り
こうしてみると、ラノベはまだ男性向け作品の棚が多いですが、全体の絶対数として女性向け作品の棚が多い。女性来客が多いんでしょう。そして、今の時点では男性向けが多かったラノベのラインナップにも、「小説家になろう」系の作品を通じて女性向けを意識したたレーベル(レジーナやアリアンローズ、ヒーロー文庫など)が立ち上がってきた。専門のレーベルでなくても、各文庫にそういう作品が供給され始めています。
もともと女性客が来ている状況で、コバルトやソノラマといった限られた少女文庫はあったけれど今まで「男が読むもの」という前提だとしか思えなかった一般ラノベコーナーにも女性客を呼び込んでいきたい意気込みを感じます。
「そもそもラノベが好きなのは男性だけじゃなく女性もいる」というアタリマエのことが今まではそれほど顧みられて来なかったのかもしれませんしゾーニングを主張している人も、ラノベは男性オタクしか読んでないみたいな想定の人がいたと思います。
<ちなみに>現時点でのライトノベルの男女比とか、ユーザーの平均年齢がどのくらいか知ってます?
これが2011年のデータです
http://lightnovel.g.hatena.ne.jp/REV/20111128/p1:ebmed
男性 85.5% 女性 14.5%
※これらデータが本当に正しいかどうかはわかりません。
これが2016年のデータです。
年代は19歳以下:20.8%、20代:32.9%、30代:22.2%、40代:12.1%、50代:8.2%、60代:3.9%で、20代が市場を牽引。
男女比は71.5%:28.5%
これはおまけですがKADOKAWAドワンゴが運営するBOOKWALKERのユーザーだと男女比はほぼ9:1
https://bookwalkerstaff.tumblr.com/post/128323701752/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%B9%B3%E5%9D%87%E8%AA%AD%E8%80%85%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%AF%E4%BD%95%E6%AD%B3
まだまだ偏りすぎてます。
多分今後は、より女性層を、今後書店において取り込もうとしていくことになると思います。
(ちなみに女性読者比率が高いらしいとどっかで聞いた「緋弾のアリア」などは普通に際どい表紙だったりするのがまた面白いところ)
というわけで、今後は出版社によるとは思いますが、書店においてエロ展開はますます薄まっていくのではないかと思っています。
なんだかんだいって、大事なのは購入者です。買わないでけしからんというだけの人がぎゃーぎゃーいうだけの人は騒音でしかない。
実際に女性客が女性向け以外のラノベを求めて、一般ラノベコーナーに今よりもっと入るようになればあっという間に雰囲気は変わるでしょう。
むしろ、今まではゾーニングをしたからこそ、余計に「異性が入りにくい」「異性が気持ち悪いと思う」ゾーンができるまである
私、書店の一番奥まったところにあるBLコーナーに行って驚いたもんね。本当にゾーニングされているコーナーというのはここまで過激化するのか、と。
彼女たちは誰にも見えない端っこに追い詰められたが、誰も見てない、アンタッチャブルな存在になったことでものすごい勢いで進化していったんだろうなと思います。「ゾーニングして、特定の層しか利用できないようにすれば、内容はより激しくなる」ってのは当然なことだと思います。そんな感じで端に追いやって、結果としてより過激になったあとで「内容がひどい、規制!」みたいなことをいっちゃダメだよね。最初からゾーニングってそういうものだと考えなければいけない。
だから逆に考えるんだ。「男子校で女子が来る機会がないのに女性でも過ごしやすいように場所を整えなさい」と言っても「は?」ってなる。でも「男女共学」になれば、一瞬で状況は変わりますよね。
だから今までで男ばっかりが通っていたコーナーに、女性向け作品が供給されるようになり、男も女も通るのが当たり前になれば、書店員は放っておいてもそれに合わせた陳列に変えてくる。そして、まさに今そうなりつつある。
ならば多少の摩擦はあれど、ラノベコーナーはよりマイルドになっていき、「ネット嫁」みたいなエッチな表紙が目立つ作品は、伏せられるか完全に別のところに置かれるようになっていきそう。
道徳とか倫理とかジェンダーの話としてではなく「実利」の話が、今の問題を解決していくのではないでしょうか。
ラノベコーナーが男も女も共通で使う場所になっていけば、エロ表紙の作品が目立つような陳列は嫌われる。そういった作品は「電子書籍」側へシフトしていくのでは
このあたりからが、知識がないので微妙な部分です。
私は、エロ表紙のような作品を求めるユーザーがそれを入手する手段がなくなるような話には反対です。
そうした系統の作品の出版が自粛されたり、絶版になるのはちょっと忍びない。
こんな話もあるしね。キモいって思う人もいるかも知れないけど私はいい話だと思うのよ。
とはいえ、女の人も来るようになったラノベコーナーでそういう本をおおっぴらにおくのは難しい。
ってなったら自然とエロ表紙はマンガと同じように棚が遠いところに分けられることになるかジュブナイルポルノ側に統合されていく。あるいはオタクショップでしか流通しないもんになって成り立つだろうか?そもそも直接的なエロがないのになぜこちらに入らなければならないのか。一般コーナー棚とジュブナイルポルノ棚では明らかに条件が変わり死活問題。
別の方法で生き残りを模索したほうがいい、となる。
ということで、今後はますますエロ表紙などは、電子書籍メインになり、ネットでのプロモーションのような形で売っていくことになるのだと思います。多分内容にエロ要素があったりするものや、それを反映して表紙にエロ要素があるものは、書店の奥というよりネットや、専門のオタクショップなどにゾーニングされていくことになるんじゃないでしょうか。多分、心配しなくても余計なことをしなければそういう以降が行われるはずです。(その過程でtwitter広告とかが一時期そういうの増えるかもしれませんが。リアル書店からそういうのが無くなるための必要過程だと思うしかないですね)
とはいえ、マンガよりはるかに難しいという気持ちはある。普通にやったら電子書籍側にゾーニングしたけど全然売れませんでした、ってオチになっても全然おかしくないし。
俺の電子書籍が売れないのは、どう考えてもおまえらが悪い。[Kindle版] | ||||
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このあたりの方向がすでにどのくらい進んでいるのかはわかりませが、マンガと違ってネットのプロモーションだけでは難しいと思う。
うまく行くためにはどうしたらいいのかなあ
このあたりについて詳しい人、誰か教えてー。