頭の上にミカンをのせる

マンガアニメ大好き兼業投資家の日記です。WORLD END ECONOMiCAアニメ化のCFを応援しています。

「負の性欲」という言葉について、元ネタや文脈を踏まえずにさわいでるひとが多すぎるのでまとめる

ワロタ。

それにしても。「負の性欲」という言葉について論じているのに、その元ネタというかの「議論で使われてる語句がどういう経緯で発生したのか」に関心を持たない人っていったい何がやりたいんだ……。


「負の性欲」の元ネタは1年以上前の「リョーマ@ryoma_senryousoc」という人の発言

senyousociety.blog79.fc2.com
https://web.archive.org/web/20190928032959/http://senyousociety.blog79.fc2.com/blog-entry-62.html

インセル系の人かな。("involuntary celibate"(「不本意の禁欲主義者」、「非自発的独身者」)の2語を組合せた混成語)

この人はそのあともずっと「負の性欲」という言葉を使い続けていて、2019年7月に以下のツイートがバズったことでようやく「負の性欲」というワードが注目を集めることになったようです。なお、現在はこの人のtwitterアカウントは凍結されています。


このリョーマさんが凍結されたことを受け人気ツイッタラーのreiさんが2019年10月26日にnoteを書いた

リョーマさんの発言は男に対して
「生理的嫌悪感」とか「キモイ」などの表現で男性のいろんなものを否定する女性に対して
その対抗ワードとして使われるようになってきました。


9月頃にこの言葉を使う人が増えてきてtogetterまとめなどもできたことで、アンチフェミ界隈では浸透していきます。
[B! 男女] より良い子孫を残すため、アウト判定の男に女性が抱く強い嫌悪感を『負の性欲』と名付けたい - Togetter



そんなさなか、元の発言者であるリョーマさんが大量の通報により凍結されます。

これを受けて人気ツイッタラーのreiさんが以下の記事を執筆。

note.com

これにより、語感重視で言葉が独り歩きしていた「負の性欲」という言葉が具体的に説明され、多くの人に広がっていきネットミーム化していきます。


reiさんが整理した「負の性欲」の定義とは

負の性欲を「男性を選別したいという性的欲求」と考えた場合、「女性にとって男性を袖にするのは性的欲求を満たす営為である」という事が出来るだろう。これに関して興味深い研究がある。
(中略)
女性は魅力的男性に拒絶されたら、魅力的でない男性を激しく拒絶するという事だ。(これはインターネットで所謂「オタク層」が、特定の人間達から性的に叩かれる理由をある程度は説明してると思われる。また特定の人間達がオタクとマッチしたいわけでは決してない事も示している。特定の人間達は「オタクに求められたうえで拒絶したい」のだ

このような研究やデータを踏まえるに「魅力のない男性に対して嫌悪ないし排除を示す」女性は発情してる。。。とまでは断言出来なくても、個人的には「女性には男性を選別したいという性的欲求があり、魅力のない異性に対する攻撃的態度はその発露である」ぐらいは言えると思う。

なんかこれ読むと、いまよりずっと未熟だったころの青二才さんが、誰かからDISられたりした時に、傷ついた尊厳を回復させようとして抵抗しない古田ラジオさんやしんかいさんを延々と攻撃していたのを思い出すな……。


記事の後半はどちらかというと防衛機制的な話だと思うんだけれど、その防衛機制が守りたいものはなにか、と考えたときに出てきたのが「男性を選別したいという性的欲求」ということらしいです。これが負の性欲の定義というわけです。



この「負の性欲」論はどの程度妥当性がある? 「女性から男性に対する負の性欲」はわかったけど「男性から女性に対する負の性欲」は?

これ自体は結構面白いなと思ったんだけど。「骨しゃぶりさんの記事」と比較してみると、「正の性欲」だとか「男性から女性に対する負の性欲」みたいな部分が語られてなくて研究としては視野が狭すぎる感じがしますね。

そもそも、性欲については、下記の本でかなり詳しく研究されておりそのような結論を出してないってのは考慮したほうがいいと思う。

性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか

性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか

性欲の強すぎる婚約者に困ってます。 (MFC)

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11月10日ころから、女性側もこの「負の性欲」というワードを認識し始める



2019年11月28日 図表化をきっかけに「負の性欲」がツイッターのトレンドワード入りし、そこからは皆が語感で好き勝手いいあう泥仕合に

急にバズ理始めたのはこの二つのツイートがきっかけ。


後はトレンドワード入りしたことでみんなが好きかって言い始める。







「負の性欲」という言葉によって、女性が「性的嫌悪感」や「キモイ」を強めに表現することは性加害攻撃ではないかという認識が生じ始める

私も以前記事を書いたことがありますが「キモい」って言葉に過剰に傷つく男性が結構いるみたいなんですよね……。
私はキモイって言葉を軽々しく口に出す人は語彙力や思考力が劣った人だな、程度に思うのですが、確かに「その人が気にしてることを、キモイみたいな言葉で安易に否定する」という行為は非常に幼稚だし褒められたものではないとは思う。

「キモイ」「気持ち悪い」を連呼する人達について - ワールドエンドエコノミカのアニメ化CFを応援したいブログ
「キモい」という表現はどこからは問題なくてどこから許されないかは人による、という話 - ワールドエンドエコノミカのアニメ化CFを応援したいブログ


ここで「負の性欲」という概念が出てくるとどうなるか。
男性側は「性欲」を相手にぶつける行為であるから性加害行為であると主張することができるようになるというわけです。

女性が「男性が女性に性欲を向ける」という行為そのものを過剰に攻撃しすぎた反動でしょうね。その理屈でいろんな表現物を攻撃し続けてきたせいで「女性に性欲がないみたいな前提」とか「女性の性欲はきれいなもの」みたいな前提で攻撃するのをやめろって機運が高まってきたということだと思います。




「負の性欲」概念は一方的に男性を断罪できると勘違いしてる人たちへの皮肉・カウンター以上のものにはならないのではないか?と思います

個人的には、いくらもっともらしくいっても「負の性欲」という概念はしょせん「マンスプレイニング」や「トーンポリシング」と同程度の価値しかない言葉遊びだし、女性のオタク批判へのミラーリングの域をでないと思う

確かに、フェミニズムのいう理屈はうんざりするものが多いですよね。

一方的というか、女性側の性欲をほとんどないものとして扱ってる「机上の空論」ではないかという印象は私も持っていました。とにかく男性を攻撃・否定するためにいろんな言葉を生み出してきましたが、その批判は女性にも当てはまるものが多いのに女性には適用されない、というダブスタ的な光景も多く見受けられました。「男女同権」とか「女性の安全・安心」「ジェンダー平等」を求めていると思えないような人たちの声ばかり大きくなって残念だなと感じる人は少なくなかったと思います。

www.youtube.com


そういう最近の、あまりに行き過ぎたネットフェミニズムやポリコレといわれる人たちの、雑過ぎ&一方的な攻撃行動に対して、「お前らいい加減にしろよ」とか「じゃあ俺らもお前らと同じことやる」ということで男性側がネットフェミニズムのミラーリングをやり始めた結果生じたのが今回の「負の性欲」ってネットミームなんじゃないかなと思います。

そういう流れを考えると、こういうワードを使って女性側にカウンターを仕掛けたり女性を揶揄したくなる気持ちはわからないこともない。

ただね。。。私はこれはただのごっこ遊びでしかないなとも思います

先ほども述べたように、まともに研究として呼べるレベルの話ではないし、「そういうこともあるかもね」くらいの与太話でしかないですよね。

本当に女性が嬉しそうに振り回していた造語である「マンスプレインニング」や「トーンポリシング」と同じ程度の意味しかないと思います。まぁここら辺の言葉を嬉々として使っていたのに「負の性欲」って言葉だけは許さんっていうならその人はダメだと思うけどそれだけですね。とにかく、一部の女性が、男を殴るためにせっせと自己満足でしかない根拠レスな造語を節操なしにこしらえて身内ではしゃいでる不毛な行為を相対化する、以上の意味はないと思います。

私は「トーンポリシング」という言葉を批判してきましたから、当然この「負の性欲」という言葉も支持しません。

www.tyoshiki.com


結論 結局「負の性欲」って概念はありなの?なしなの?

使いたい人は使えばいいじゃないですかね。私は使わないし批判するけどね。

ただしこれを「生物学的・科学的な話だ」みたいな態でいうならそれは「トーンポリシングガー」「マンスプレイニングガー」って言ってる頭の悪い女性と同じものとして軽蔑しますね。 こんなもので科学のふりをするなら「社会学にも疑似科学ってあるんですね」って言いたくなるかな。


というわけで「負の性欲」について語りたい人は、とりあえず最低限この記事に書いてあることくらいは理解した上でしゃべればいいと思います。



でも、このワードついて真剣に討論するよりは、「性欲の科学」を読んだ方が面白いしためになると思うよ。

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おまけ  自分が「意見」を言いたいなら最低限の情報はちゃんと把握してからにしましょう。それをしないのは「意味をなさない動物の鳴き声」でしかない

twitterで「インプットがワード単位でしかできない人」「インプットした単語に対して勝手に自分で解釈して勝手に意見を述べる人」というのを見かけるたびに、この人は中高時代なにを勉強してきたんですか?ということが気になる。

日本の学校で国語の教育を受けてきて、小論文の練習もしたことがあるはずの人が、何かについて意見を述べるときに「まず相手の言い分を理解する」というプロセスを全く実行できないのはなぜなんでしょうか。バカだというよりはやはりtwitterというツールが人から理解力や思考力を奪い、ツイート単位どころかワード単位で考えるように仕向けているのかなと思います。


何かのトピックについて、議論するのは構わないけど、「最低限の前提を踏まえないで語られてる発言は意見と呼ぶに値しない」と私は思ってます。自分が「意見」を言いたいなら最低限の情報はちゃんと把握してからにしましょう。


はてなの場合、昔はsirouto2さんという人がいて、何かはてな内で話題になった議論についてはちゃんと最低限の情報を整理・アーカイブ化して、議論の土台を作ってくれる人がいたんですよね。だから、それを読まずに何か言っても「まずこれを読んでからにしてくださいね」となっていた。「議論に参加する資格として最低限のインプットの手間を課す」というのはとても重要だと思います。あまり重たくするとよくないですが、「その議論で使われてる語句がどういう経緯で発生したのか」すら理解してない人間の述べる言葉など意味はない、程度の制限は欲しいなと思います。


今ってそういうのが全然ない。みんながみんな群盲になっている。前の流れも理解してないし、語感だけで考える人が多い。そして、ひとつ前の発言についてとにかくマウント取れさえすればいいから、その場限りの無茶苦茶な理屈や、前の発言と整合性が取れない理屈を述べる人が増える。何がやりたいのか全く分からない。少なくとも議論をすることが目的ではないことだけは確かだ。