頭の上にミカンをのせる

マンガアニメ大好き兼業投資家の日記です。WORLD END ECONOMiCAアニメ化のCFを応援しています。

【生きたいステーキ】「いきなり!ステーキ」運営会社が既存株主を犠牲にして24.75%希薄化の悶絶増資(しかもMSSO)を実施

www.tyoshiki.com

増資をしなければ絶対に助からないのですが引き受けてくれる先がいなければ遅くても半年後には債務超過で監査銘柄行きからのゲームオーバーです。

と書きましたが年末一気に動いてきました。



www.pepper-fs.co.jp

520万株のMSSO(行使価額修正条項付新株予約権)にて35億~70億を調達

邪推って言われたくなかったからあえて書かなかったんだけどやっぱりMSSOぶち込んできましたね……。

今回の資金調達は、当社がSMBC日興証券に対し、行使可能期間を約3年間とする行使価額修正条項付新株予約権(行使価額の修正条項の内容は、本新株予約権の発行要項第 10 項をご参照ください。)を第三者割当の方法によって割り当て、SMBC日興証券による本新株予約権の行使に伴って当社の資本が増加する仕組みとなっております。

https://www.pepper-fs.co.jp/_img/ir/lib/2019/PFS20191227B.pdf

どうせMSSOやるなら株価が下がりきる前にもっと早くやれよ……。


MSSOがどのくらいひどいかはこちらの画像をご覧ください

f:id:tyoshiki:20191227161135p:plain
https://kabukiso.com/column/msso.html

このあと、日興SMBCには権利行使が終わるまで下限行使価格の666円/0.92=724円まで下げたいというインセンティブが発生します。

もともと業績がわるかったのでひたすら空売りされることでしょうし需給が一気に崩れます。
新株予約権の権利行使が終わった後も希薄化効果と大損した株主の投げ売りで価格押し下げ圧力が強くなります。


文字通り既存の株主を犠牲にして行う裏切り行為であり、禁断かつ最後の資金調達手段です(日本の会社は株主を舐めてるのでしょっちゅうやりますが)
バイオならともかくとして、これを実施した会社はよほどのことがない限り二度と株主の信頼は得られません。業績だけでなく資本政策においてもペッパーフードサービスはクソ企業の仲間入りです。


さらに各銀行から合計41億円の借り入れを実施

https://www.pepper-fs.co.jp/_img/ir/lib/2019/PFS20191227A.pdf

先程の第三者割当増資と合わせて70~80億の調達となります。とりあえず翌年の債務超過は回避。

おそらくここからさらに店舗の圧縮を図っていくと思われます。


増資によっていきなり!ステーキは助かるのか?→相当厳しい


とりあえず短期的には債務超過の危機を完全に回避できたのでプラスと言えなくもありません。というか、こうするしかなかった。

とはいえ、このあとはどうするのか。調達した資金で自力再建を目指せるのか?店舗整理した後身売りを行うのか?

それとも現実は非常、死ぬのが伸びただけで助からないのか?

現状は3番目と言わざるを得ないくらい厳しいと状況です。

「店舗整理した後身売り」の事例としては「ステーキけん」があります。

2019年9月には「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」が「ステーキと焙煎カレー ふらんす亭」をジーテイストに事業譲渡

MAXで238店舗まで展開しましたが、2012年が全盛期でそこからは苦しくなっていきます。

https://toyokeizai.net/articles/amp/9008?page=6

世代の外食の経営者で見れば僕がぶっちぎりだ。これが何年維持できるかということだが、ライバルも出てこない。この10年なら独走だ。僕を抜く経営者がいるかどうか、それが今後外食産業を見ていく中で面白いところだ。


①すかいらーくのステーキガスト、ロイヤルグループのカウボーイ家族などの猛追を受け

②有力フランチャイジーである「ハークスレイ」にはわずか2か月で切られ
https://www.ryutsuu.biz/backnumber/strategy/e050722.html

③本部の経営リスクを軽減するため社員独立制度で独立した元社員にフランチャイジーとして店舗を運営させるも、連続倒産


最終的には30店舗を残すのみになっていました。

https://www.yakiniku.jp/steak-ken/stores/

それでも、いきなりステーキのことを考えるときっちり身売りできただけでも十分うまくやれたほうかなと思います。


いきなり!ステーキはこれだけ調達してもほとんど借金返済(借り換え)しかできず自転車操業状態は続く

調達資金の利用目的ですが、48億円は借入金返済ですね。残り13億は広告宣伝費。そして構造改革費(閉店に伴う費用)はわずか3.2億。前期47店舗閉店と減損だけで20億億かかってるのではっきり言って不採算店舗を締めて持ち直すには全然足りません。

というか、48億返済して41億円新たに借り入れって、、、単なるロールオーバーですよねこれ。

株主からお金せしめることで倒産を一年間先送りにしただけで何一つ解決していません。

しかも、新株予約権の行使が、下限価格ギリギリで実行された場合(そうなる可能性は低くない)そもそも48億円を調達できません。むしろちょっと借金が増えます。

単年度黒字化できない限り、来年に入るまでにさらに増資しなければならないという悪循環。ここから先は株券印刷が本業になるリスクすらあります。

生地獄とはこのことではないでしょうか。こういう状態になった企業を上場維持させるのほんとやめろよなと思います。