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「どるから」6巻 K-1の立役者が「JK-1」を開催する展開になってここからが本番

おっさん(空手家&K1の立役者である名プロデューサー)が女子高生に転生して、アイドルになったり空手道場運営したり、やっぱり格闘イベントの企画・プロモーションをやったりと縦横無尽に暴れまわるお話。

www.tyoshiki.com

とにかく面白そうな要素をおしまずに詰め込んでおり

・おっさんが女子高生に転生するお話
・経営マンガ的なお話(知識チート)
・主人公がアイドルに挑戦してみる話
・女の子を苦しめてる問題(育ちや容姿・コンプレックス)を解決するお話
・女性中心の格闘イベントの開催
・母娘間の確執(はねバド!みたいな展開)


などなどあの手この手で楽しませてくれてきました。

作者さんが過去の成功例だけに頼らず面白そうなものをあれこれ作品中で試しているのでとても楽しそう

原案の石井館長はK-1の立役者として知られ、その経験をそのまんま語るだけでもすごく面白いと思うのですが、本作はそうなっていません。

もちろんK-1時代の話なんかも出てきますがそこに全然固執してない。「スタバ経営」みたいな話から始まって「公文式空手」とか「tiktokでスマホの中の道場」みたいに、あくまで作中の設定に合わせて、現代であればこんなんやってみたら面白いんじゃない?って感じのネタを思いついて作中で試していきます。

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このあたり、作者さんも楽しそうにやってるなと思いますね。


一方で、大型イベントの開催については、過去のイベントプロモーターの経験を活かして、金銭面から運営上の苦労話まで、まさに石井館長でなければ語れないようなネタをふんだんに盛り込んで物語を盛り上げてくれています。


身近な描写ではちゃんと読者の感覚に寄り添ってくれて、かつ読者ではわからないところでは作者の持ち味をしっかり活かすというこの緩急の付け方がめちゃくちゃうまくて、脚本の龍造寺先生のバランス感覚が素晴らしいなと思います。

いろいろと積み重ねてきたうえで、いよいよ6巻からが本番なんだと思います

5巻までは、道場経営についての描写や、既存の格闘イベントなどの描写で作者に対する信頼性というか説得力を培ってきて

いよいよ主人公がメイン企画となる架空のTVイベント「女子高生による最強決定戦=JK-1」が開催されることになります。

もちろん作中でも「そんなん炎上するっしょ!」って突っ込みが入りますが
それについてちゃんと意図とターゲットが明確に示されます。

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しかも、これについては結局思い込みで済まさない。

服装は自由というルールにすればいい!
館長さんの話が本当なら図らずとも制服がトレンドになるはずです。

着たい人がいて、見たい人がいる!そこに番組が成立する


アツギの炎上のように考え無しでやって炎上したら取り下げます、ではなく「積極的に顰蹙を買いに行く」「その代わりに中身や運営は堅実で文句を言わせない」という姿勢で取り組んでいきます。

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「ドルから」6巻


まぁ「若い女性」を扱うことには現在死ぬほど敏感なので、現実的にはこんなにうまくいきはしないでしょうけれど、「不謹慎とか顰蹙を買う=悪ではない」というのを明確に打ち出してますね。


客寄せのために深く考えずに萌えキャラ使って、批判や顰蹙を集めたら取り下げる企業は一番萌えキャラに対して失礼だと思うんですが、この作品はJKをネタにするけれどJKのことを単なる客寄せとは考えてないし、胸を張って自分たちがやろうとしてることは面白いと思ってやってるのが良い。


実際、本作品は単に客寄せさえできればよいというのではなく、格闘シーンはガチの殴り合いになっていて普通に面白いです。

どるから (6) (バンブーコミックス)

どるから (6) (バンブーコミックス)