頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「息もできない」  泣けばいいと思うよ

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無料公開されていたので見ましたがすごい情念のこもった作品でした。

「グッド・ウィル・ハンティング」が好きな人ならこの作品も絶対見て欲しい。

あの作品と違って、主人公は天才でもなんでもない。ただの無学なチンピラだ。

子供でもない。"It's not your fault"とは言ってもらえない。引き返すには人を傷つけすぎた。

だから、あれほど鮮やかでやさしい結末を期待することは出来ない。

それでも、根っこにあるものは共通してると思う。

違う結末だからこそ、両者見比べてみてほしいです。



悲惨なことばかりの世界。
つらいけど、それに直面して乗り越えるなんてできない。耐え切れない。
笑ってごまかしたり、暴れまわってごまかしたり、そんなことしか出来ない。
自分以外の誰かを受け入れたり許したりする余裕なんてない。
自分をまもることでいっぱいいっぱいなのだから。
弱みを見せたら負けだ。常に気を張って生きなければいけない。


でも、それはしんどい。つらい。ストレスだ。



そして、みんなそんないらだちを自分より弱い人間にぶつけようとする。
父は妻に、男は女に。母は子供に。

では、その中で一番弱い人間は?
他にそのいらだちをぶつられる対象がいない人は?
自分がひどい目にあったからといって、
自分の子供にもそのツケを背負わせ、不幸の連鎖に連なれというのか。




できることなら子供には自分と同じ恨みの連鎖や不幸な境遇に落ちてほしくない。
自分で終わりにしたい。



しかし、それでは自分の受けた仕打ちはどう考えればいい。
自分が我慢すればいいのか。
誰に怒りをぶつけたらいいのかわからない。
自分の惨めさは、誰がどうやって救ってくれるのか。どうすれば自分で抜け出せるのか。




こういう感じで本当に行き詰まりかけた時のシーン。


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今まで、ふたりとも泣くことさえ出来なかった。
やっと、少しだけ吐き出すことができたん。
泣くことで、ようやく少し息ができる状態になった。


そして、こんなほんの少しだけのことで、人って結構変われるのだな、と。
今まではこんな「ほんの少し」すら出来なかった。
自分にはもう変わることなんて出来ないと思ってたから。

意外とそうでもないんだよ、と。

きっかけさえあれば意外と泣くことくらいはできるよ、と。
そして、思いっきり泣いてみてら意外とすっきりするんだよ、と。
すっきりした頭で考えてみると、意外と拘ってたものから自由になれるんだよ、と。




この作品のラスト、つらいし後味も悪い感じだったけれど
ここは眼をそりゃしちゃダメなところだよね。

主人公たちのすぐ側に、社会の闇は変わらず存在することを示している。
自分たちが変わったくらいでその問題は解決しない。
そして、身内の一人はそこに取り込まれてしまって、多分もう戻ってこないだろう。

でも、その闇の部分を変えることができなくても、
自分たちと、その周りの人くらいは、そこから決別することはできると解釈することもできる。