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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「金田一少年の事件簿」全話まとめて振り返り シーズン1後半(EP15~EP19)

「金田一少年の事件簿外伝 犯人達の事件簿」を読みながら各エピソードを振り返る(前半) - この夜が明けるまであと百万の祈り

のつづきです。

エピソード 犯人 動機 生死 外伝
EP15魔術列車 20巻~21巻 高遠遙一(25) 母(近宮玲子)の復讐 生存
EP16黒死蝶 22巻~23巻 小野寺将之(24) 父の復讐→一家皆殺 死亡
EP17仏蘭西銀貨 23巻~25巻 高森ますみ(17)、鳥丸奈緒子(28) 君沢への復讐 生存
EP18魔神遺跡 25巻~26巻 村西弥生(38) 夫の復讐 生存(記憶喪失)
EP19速水玲香誘拐 26巻~27巻 安岡保之&安岡真奈美(31) ダメ亭主の抹殺 死亡

EP15 エピソード評価★★

高遠遙一登場エピソード。「地獄の傀儡師」のデビュー戦。トリックは心理トリックを利用したものが多く、大掛かりなものやマジシャンの技能が必要なものはない。とにかく「図太い」「人を切り刻むことにためらいがない」人間であればマジシャンで無くても実行できる。このトリックをためらいなく実行できる高遠のメンタルこそ最強の武器だと思う。
しかし、だからこそ、他の人間を操って殺人事件を起こさせると、実行犯は高遠ほどメンタルが強くないのでだいたいどこかでミスをする。高遠は高遠で自分が犯罪を起こす場合は変なこだわりで「遊び」を入れるのでやはり完全犯罪にならない、というわけでなかなかそのあたりが「ホームズ」の敵である「モリアーティ教授」と比べると物足りないところではある。





EP16 エピソード評価(なし)

「黒死蝶殺人事件」の犯人は金田一少年事件簿外伝への登場がほぼ確実視される。
コノハチョウに一つ一つ量を調整しながら麻酔をかける作業は面倒臭すぎて絵にするとすごい間抜け。その作業が面倒だからという理由で一番幼いるりちゃんを最初の被害者に選んでいるのもひどい。しかもるりちゃんを殺した後、わざわざ着物を脱がせて別の着物を着せているのは絵的にアウトすぎるのではないでしょうか。
また、殺人犯の父親である須賀さんは、妊娠までさせた恋人に対し、本人に一言の確認すらせずに裏切られたと思い込み自殺。その割には丁寧に遺書を書いているので、その暇があればまず恋人に連絡しろよといいたくなる。また、遺族の誰もその遺書の内容について確かめようとせず息子に恨み事を吹き込み続ける。これ虐待やろ。。。息子である殺人犯もまた確認せず思い込みで娘三人を殺す。親子三代揃ってメンヘラ度が高すぎて怖い。もっとコミュニケーション取る努力してほしいといいたくなる。
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誰一人緑さんを信じてあげないので可哀想。まぁ、緑さんは緑さんでその後の行動が奇抜すぎるので「そういうとこやぞ」って定型句をいいたくなるわけですが……。

トリックについても蝶の勉強にはなるが、手間の割には雑。1件目の殺人のトリックしか解説がなく、2件目、3件目の殺人については完全に蝶の説明だけ。殺人者の婚約者だったのに何の描写もないタテハさんが気の毒すぎる。 力を入れていた1件目の殺人についても、検視の結果「殺害時刻」が確定し、その時間にアリバイがない人間、という方向性で考えればごまかしきれないと思われるので、警察が無能でなければ解決できると思われる。このエピソードの猪川警部は無駄に美形だけれど、全エピソードを通じてもトップクラスに無能だと思うなどいろいろとひどい。多分やりたいことが多すぎる割に尺が足りなさすぎて色々と削ったんだろうなということが伝わるので色々ともったいない
もともとエピソード評価は絶対評価じゃなくて私の個人的好みでつけてるのですごく恣意的なのですが、はロリ幼女であるりちゃんを殺したという時点でもう評価なし。殺した理由も上記の通り最低だし、見立て殺人とはいえやっていいことと悪いことがあるよね。(殺人犯にマジレスw)



EP17 エピソード評価★★★

仏蘭西銀貨」は話数が多いぶん充実している印象があります。三人の過酷な境遇を生きぬいたサバイバーのつながりを描いており、「黒死蝶」と比べると三人の人間不信や臆病さから来る動機に強い説得力があってきれいな構造のエピソード。最後に前向きな終わり方になっているのも好きです。
事件についても「誘導殺人」というコンセプトの中では今までで一番流れとして綺麗に見えるし、この事件の「密室トリック」はシンプルながらすげえ!って思いました。ただ二点突っ込みどころがあって、とにかく「衣装を送りつける」という行為はどう考えてもリスクリターンが合わないし、どう考えても犬飼より先に霧山を先に殺すべきだったと思うんですよね。最初の事件で自分が狙われているように偽装したとは言え、動機は明白であり霧山にはあっさりバレてるし警察に言われてたら一発アウトだったので危なかったよね…。
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というわけで、六条さん可哀想……とか多少突っ込みどころはありますが、私はこのシナリオかなり好きです。なにより、ますみを予め疑っている金田一が「ますみ以外の犯人」の存在に気づくというというのは難度が高く、その仕掛けは見事だったと思うので、小説として金田一視点で語れば神シナリオだったかもしれません。
それはそうと、ツインテールの美雪が拝めるレアエピソードなのでオススメ!




EP18 エピソード評価★★

「魔神遺跡」はものすごく犯人たちの事件簿向きのエピソードだと思います。この事件では、犯人には殺意はちゃんとあったものの、殺害は状況に応じて即興で行われていたり、トラブルに対してのリカバリーもしっかりやってる。本人さぞ必死だったと思います。絵的に突っ込みどころが多いものも多いのでネタにしやすいかなぁと。

ところで、まずこのエピソードの最大のツッコミどころとして、この事件は宗像教授の無茶振りが原因の半分以上を占めていると思うんです。

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さとうふみや金成陽三郎金田一少年の事件簿」26巻
「お前がママになるんだよ!」を十年以上前に先取りしてるじゃないですかヤダー!
前エピソードにつづいて、殺人を隠蔽して幸せに暮らしてるし……。金田一少年ワールドの日本では「過去に人を殺しておいて逃げおおせてる犯人が多すぎ」じゃないでしょうか。この作品に出てくる刑事は無能扱いされる人が多いですが、実際に警察全体が無能の可能性が……。そりゃ殺人犯も警察信用せずに私刑で復讐するわ……。なんだか世紀末過ぎて怖いです(創作世界ににマジレス)
他にも蘇我さんのダイイングメッセージが回りくどすぎる点や、銅鐸がピンポイントすぎる点とか、死病に犯されている割に重たい衣装をまとったまま、人形を担いで軽やかに窓をぶち破って脱出する家政婦さんって「お前どこの◯ベルタさんだよ!」といいたくなる点など、ツッコミポイントが実に多いです。作者さんも描いていて楽しかったのではないでしょうか。




EP19 エピソード評価★★

速水玲香誘拐」の犯人は頭が空っぽ過ぎるので多分犯人たちの事件簿にも出られないと思います。あえて描くとしたら犯人の無能っぷりにイライラしている高遠遙一視点になるのかなと。
事件としては「高遠遙一再び」というよりも「たった一人を殺すためだけの事件」であり、トリックも「時間差」トリックただ1つだけ。シンプルイズベスト。かつ本当に被害者は一人というところがポイントかな、と。
連載開始から盛り上げるためにバンバン人を殺しまくってきたこの作品に於いて「そこまで人を殺さなくても、工夫次第で盛り上げられるんじゃない?」というところに挑戦したという意味では評価したいお話ですが、この件は犯人が間抜けすぎました。

それにしても、事務所運(特にマネージャー運)に恵まれなさすぎる速水玲香ちゃん。19話目にして三度目の受難。玲香ちゃんはこの前あんな目にあったんだからもう少し事務所を選べよ……。
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この金田一少年ワールドでは「警察が無能」と「芸能事務所がブラック」なのはもう確定なんでしょうか……。

シーズン1最終話にしてはなんだかあっさりしておりはやく続きが読みたくなりますね。




シーズン1 完走した感想

やっぱり金田一少年の事件簿面白いわー。感想を書いてる内になんかこちらも楽しくなってきたし、この調子でシーズン2以降も読んでいくぞー。

あと、今更だけど
「エピソード内での被害者数」
金田一一が死にかけたエピソード」
「美雪が被害にあったエピソード」
「美雪のラッキースケベがあったエピソード」
「美雪がヒントを出したエピソード」
速水玲香が登場したエピソード」

あたりもエクセルに記録しておけばよかったなぁ、と後悔しているなう。
誰か代わりにやってくださいお願いします。

シーズン1セットはAmazonで1568円で販売されてます。kindle版もセットで安く売ってくれないかなぁ……。