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004 「いそあそび」 お嬢様キャラのヒロインが超魅力的な作品

マシュマロにて紹介いただきました。ありがとうございます。

この作品は、当初読み切りで掲載されたマンガが好評で連載化したものです。なので、ちょっと設定が突飛ですが、まるで最初から連載を想定した作品であったかのように作品の舞台背景がしっかり作られており、キャラクター、特にヒロインが魅力的です。

good!アフタヌーン」に掲載した読み切りが大反響で連載化! 何も娯楽のない海辺の町に住む中学生・六郎が出会ったのは、訳あって自給自足&一人暮らし中の元お嬢様・セト。 同級生よりちょっとだけ磯に詳しい六郎は、セトのサバイバル生活のアドバイザー(?)として、共に獲物を探して海にどっぷりの日々を過ごすことに――。コンビニもゲーセンもファミレスもないけれど、この町で一緒に楽しもう!

以前に「釣りとごはんと恋は凪」っていう作品を紹介したことがありますが、

こちらは社会人が余暇や気分はらしとして釣りを楽しみ、普段の生活とはなれた開放的な場で、ちょっとした出会いがあったり、羽根を伸ばして楽しむ様子なんかが描かれる作品です。色んな人が登場して、いろんな場所で、いろんなスタイルで釣りを楽しんでいきます。「釣り」もそうだけれど、釣りはメインではなく、それぞれの登場人物の本音なんかを引き出すスパイス的な立ち位置です。

一方「いそあそび」は、そもそも舞台が海岸沿いの田舎。メインのキャラクターはじかんがたっぷりある中学生です。そして、なんと言ってもヒロインの事情や性格がかなり特殊で、「生活のため」に磯にいる生き物を採取したり調理するようになります。

何が言いたいかというと、登場人物にとっての主軸がどこにあるかが違うってことです。この作品は、とにかく主人公とそのヒロインの「いそあそび」が二人にとって一番大事になってきます。その場限りのものではなく生活に密着したものであり、繰り返す度に二人が絆を深めていくボーイ・ミーツ・ガール的な展開でもあるわけです。

ヒロインの「村上セト」がとても魅力的。お嬢様は結構たくましい

この町には、コンビニもファミレスもゲーセンもありません。
なのに毎日驚いたり怒ったり笑ったり…
セトさんの瞳に映るこの町は、すごく楽しい場所に見える。
そんな風に思う今日このごろです。

とにかくセトさんを通じてこの作品の舞台が魅力的にみえてくる仕掛けがとても素晴らしいです。
セトさんは、元大企業の社長令嬢で、美人だし頭もよいし立ち居振る舞いも良く、おとなしくしていれば完璧なお嬢様です。

ただ、このお嬢様、両親の教えにより、自立心が強く、かつ好奇心も強いため、なんでもやってみようとします。しかもちょっと抜けてるところがあり、思い込みで突っ走るところもあって危なっかしい。主人公と出会う前は、食べるものを確保するために女子一人で海に潜って獲物を取ることもやってました。お嬢様なにやってんの!?たくましすぎる。

主人公と出会ったあとも、施しを受けることを拒否し、自分が取ったものを分け合う形で協力するという形になります。必ずしも賢いとは言えないというか、むしろかなり不器用なコだなぁと思うんですが、その分表情も豊かで、動きも多くとても絵になるし、さっぱりした性格でとても気持ちが良いですね。

そんなセトが、貝を集めたり、海に潜ってわかめを取ったり、釣りをやったりしながら、主人公には途中から心を許していろいろと相談したり、家に招くようになったり、とだんだん親密になっていく展開はとてもニヤニヤします。主人公は主人公で、ヘタレてるところがないわけではないけれど、要所要所できっちりセトに対して自分から好意をはっきり伝えたり、関係を深めるためにちゃんとアピールしているので、そういう点でも上質なボーイ・ミーツ・ガールだと思いますね。


いそあそび(1) (アフタヌーンKC)

佐藤 宏海 講談社 2018-04-06
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タイトルの通り「磯」の知識がいろいろあっておもしろい

ムール貝」って日本では「カラス貝」って言われて、繁殖力が高すぎて漁師からは迷惑に思われてるんだーとか初めて知りました。
このあたりは回が続けばまだまだこれからいろんなうんちくが読めそうだな、と楽しみにしています。