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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「イジメの時間」 加害者はたとえ自分が同じことをやり返されても、自分がやったことが悪いと思わない

この作品は5巻まで徹底的に主人公がいじめられ続け、一度は自殺まで考えるものの6巻で立場が逆転し、5巻までにやられた被害を、一つ一つ忠実に仕返ししていくという展開の作品。5巻までひたすら胸糞悪い展開が続くので、もし読むのであれば、必ず一気に8巻まで読んだほうがいいです。

イジメの時間 (7)[Kindle版]

くにろう DeNA 2018-06-29
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自分がされたことを同情など一切せず丁寧にきちんと返しているところに天童くんの元々の真面目っぷりが伺える気がします。温厚で気弱な性格だったりするとどこかで復讐の手が緩んで同情するところもありそうですが相手の懐柔や媚には一切屈せずされたことになぞらえて返答するあたり1~4巻までの胸糞を昇華してくれます。

イジメ加害者の無反省ぶりが本当に恐ろしい

この作品の特徴は、
・イジメ被害者がやられたことを客観的に記憶しており
・加害者が自分にやったことを丁寧に丁寧に丁寧になぞり返していること。

「自分が受けた傷がどう言うものであったか」を全く同じように体験させることで
「自分がどれだけひどいことをやったか」をなんとか思い知らせようとしている。

恐ろしいのが、それでもこの作品のいじめ加害者はただただ「自分もつらかった」ということしか言わないのだ。

「自分がやったことがどれだけ主人公を傷つけたか」「どれだけ主人公が苦しかったか」ということを一切考えない。そもそも、今まさに自分が自分がやった行為を「お前がやったことだ」と言われて体験させられているのに、そこまでやっても「自分がやったこと」について考えない。

ひたすら「自分がつらかったこと」だけを語る。
「苦しかったから仕方がなかった」とか「俺のしたことは報いを受けるべきことなのか?」と語る。

今まさに復讐されているのに、なぜ自分がこんな目にあっているのかちゃんと理解できてない。
目の前に要る、自分がいじめてきた人間のことをまともに見ていない。

ここまでされても、全然、これっぽっちも、自分がやったことが悪かったと思っていない。
むしろ「正当な行為だった」と考えるわけだ。

挙句の果てに、「俺はまともに生きたいだけなのに」という。1巻から5巻までの凄惨なイジメ行為を笑顔でやっておいて「まともに生きたい」という言葉が出てくるのが怖い。

被害者意識が閾値を超えてしまった人間は、自分がどんなにひどい行為をしてもそれを正当だと思っている。そういう人間はもはや被害者ではない。加害衝動にとりつかれた人間は医療機関による治療が必要な患者だ。


同級生を自殺寸前にまで追い込んだいじめ加害者の言い分(主犯のひとりごと)

 確かに俺は天童を追い込んだが、俺だって同じだった。
 親父に支配され、痛めつけられた記憶をずっと抱えて生きてきたんだ。
 なんで俺だけが?
 なんで俺より弱いあんなやつらが、痛みも知らずぬくぬくと。

 取り返さなきゃ。
 それまでは別世界にいた自分が、
 そうすることで初めて世間の奴らと対等以上に生きていけるって思えたんだ。
 そうしなきゃ自分を保てなかったんだ。
 俺の一人負けなんて嫌だった。
 なんで俺だけが耐えなきゃいけないんだ?

 それでも俺のしたことは報いを受けるべきものなのか?
 この苦しみに唯一人耐え続けることが正しい選択だって言うのか?
 苦しみから逃れることは間違いなのか!?
 どう仕様もなかった。
 痛みの記憶が刻まれた日から、これ以外に自分を保つ方法なんてなかったんだ。
 確かに俺=被害者にしかわかりえない感情を他人が理解できるわけない。
 だからそれを悪だと否定するのも仕方ないことかもしれねえ。
 でも、俺がお前らにとって悪だとしても、だから殺してもいいってことになるのか?
 それが真の正義って言うなら、俺の正義と何が違う?
 俺も、同じ人間なのに。
 ただまともに生きたいだけなのによ……


同級生を自殺寸前にまで追い込んだいじめ加害者の言い分その2(主犯の彼女)

そんなの私に取ったらどうでもいいことだよ。
 私に生きる希望をくれた……それだけが事実。
 どんな言葉でも覆せない事実だから。
 私にとって、それ以上の価値のものなんてない。
 だから周りの誰の言葉ももう響かない。
 たとえそれが社会的にルール違反だとかひどいことだとか言われても。
 彼が正しいと言うなら、それが私にとって正しいということ。
 彼だけが私の正義だ。


同級生を自殺まで追い込んだいじめ加害者の言い分その3(主犯の回想)

 世の中って不平等だよな。
 同じ世界にいんのに。生きてる世界は違う。
 みんな同じ人間なのにな。
 それでも正しいのはいつでも社会的強者とそっち側のやつらで。
 弱者は悪者にされ、どんな仕打ちを受けようが黙って従うことしか許されねえ。
 まるで存在価値もないゴミみたいによ。
 そんな世の中の歪んだ正義のほうが、よっぽど価値なんて無いと思うけどな
 そう考えたら馬鹿らしい話だと思わないか?
 お前は何も悪くないんだから堂々としてればいい。
 間違っても自分の事否定したりすんなよ。

加害者に、自分がしている行為を思い知らせることは難しい。ミラーリングは不毛だと思う

そういえば、最近オタクとフェミニストの間の不毛な争いがはてブでよく繰り広げられている。

そのうち、私が一番意味がないと思うのが「男女反転させること」だ。これが本気で意味あると思ってる人が諦めたほうがいい。「自己満足」のつもりでやるなら止めはしないが、コミュニケーションにおいては最低の下策だって自覚は持ったほうがいい。
ミラーリングはまず通じない。通じたとしてもそれで相手が反省することは絶対にない。むしろ相手を生意気と思うだけだ。あと、たいていのミラーリングはそもそもきれいに反転で来てない。「胸の大きな女性」の反対に「股間の大きな男性」を持ってくる人は自分が馬鹿ですって言ってるだけ。また、これをやった時点で、自分が被害者じゃなくて加害者になるという覚悟がないのであれば、もう発言する資格すらない。アホは黙ってろとしか思わない。


余談ですが、パワハラとかいじめとかの記事を良く読んでるせいか、ターゲッティング広告でこの作品がバンバン流れてくるのほんと鬱陶しい。

君が僕らを悪魔と呼んだ頃(4) (マガジンポケットコミックス)[Kindle版]

さの隆 講談社 2018-09-07
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圧倒的なレビューの低さに反して売上がすごいこの作品も気になるけど、多分読まないほうがいいんだろうなぁ……。