詳しい解説はプロの人がめちゃくちゃ詳しくやってくれてると思うのでそういうのはプロに任せてあくまで私の感想となりますが簡単にメモ。
ひどいモラルハザード。実質的には孫正義さんと東証、N證券、S証券らの共謀による被害総額3000億円超の詐取事件といっても良いレベル
まず最初に言っておきたいのですが。
今回の件は笑い事じゃなくてこれホンマに犯罪スレスレだと思います。
市場からの調達ということで犯罪にはならないものの、実質的には公然と行われた詐欺事件と同質の悪質さと考えるべきかと思います。東証の歴史における数々の汚点としても最悪クラスではないでしょうか。
少なくとも、これを有りとしてしまうのは(もともと全然機能してませんでしたが)建前上ですら東証はガバナンスが機能していないということを海外投資家等にアピールしているようなもんです。
主幹事証券であるNが、その巨額の報酬に目がくらんでソフトバンクモバイルの無茶な値段付けを引き受け、無理な価格とわかりながらそれを大々的に販売。
東証も手数料に目がくらんでありえない金額なのにそれを承認。
S証券は、さばききれなかった引受分を無理やり申込者に追加で押し付けようとするという無法ぶり。
K証券など当選者に辞退を許さない会社も多数ありました(これは今回に限りませんけどね)
関係者全員が孫正義を儲けさせるために動き、最低限の良心すら喪失した状態と言えます。後述しますが証券会社側では誰一人この公募価格が妥当と思ってる人はいなかったのに、みんなで個人をはめ込む動きをしていました。
買う方も悪いといえば悪いけど、今回買って損した人は、営業マンからどのように説明されたかMeTooすべきです。おそらく無知につけこんでずさんな説明をした事例が山ほど出てくると思います。
マスコミも、さぞ意外であるかのように、まさか公募割れするなんて、、、みたいな論調で語ってますが、本当に意外だったなら今後経済ニュースを報道するしかくがないし、まず間違いなくわかってて言ってるのでこちらもモラルが崩壊しています。
今回の件で孫正義が引き起こしたモラルハザードはかなり深刻だと思います。逆に言うと、ここまでなりふり構わないくらいに今の市場環境がやばいってことなのでしょうが。
アベノミクス以降では最悪レベルの価格付けと応募倍率になった結果、調達金額が約2.5兆円ということで110億調達したgumiの225倍の規模の被害者が出ています。
これほんとひどいし、これを有りとしてしまった以上、今後も東証は上場ゴール案件を取り締まれないことがほぼ確定してますよね……。
このように、利益さえ出かければ公然とやってはいけないことを見逃しておいて、小悪だけ取り締まるってのは最悪だと思う。
ともかく、結果として、普段は全く意識する必要がなかった「主幹事引き受け価格」と「応募倍率」を嫌でも意識させられる動きになりました。
主幹事証券の誠意なんてなかった。初値は主幹事引き受け価格ギリギリの初値に。
ソフトバンクの場合、このOA分の買い支え資金以上の売りが出たため買い支えられなくなったということです。
まず寄り値については、野村証券の引き受け価格以上では寄り付くだろうというのは多くの人が予想していました。まさか下限ギリギリになるとは思ってなかったですが。
ソフトバンクIPOの証券引き受け価格は目論見書に書いてありますが
— たくチャン@コソーリ幻獣契約クリプトラクト激ハマ(震度4以上bot付) (@miner_takubon) 2018年12月18日
1463.75円です
下値追いになった場合の最初の抵抗線になるので
覚えておきましょう
ま、早い話し簡単に言えばソフバンが主幹事に売った株価ってことやね
応募倍率1.1倍=IPOなのに売りたい人と買いたい人の割合が均衡(しかも買った人はすぐに寄り付きで売りたい人だらけ)という地獄のような需給
BB応募倍率と初値騰落率
— あかんやつマン🥦 (@kabuakan) 2018年12月10日
日本郵政 5倍 +16.5%
かんぽ生命 15倍 +33.14%
ゆうちょ 5倍 +15.86%
LINE 25倍 +48.48%
ソフトバンク 1.1倍 ???%
ちなみに応募倍率さえ高ければ、値付けがおかしくても割となんとかなります。メルカリは大型IPOにも拘わらず倍率350倍であり、その結果初値は5000円、と騰落率は66.7%でした。現在は公募価格3000円に対して2000円と露骨な公募価格割れを起こしていますけどね。当然だよなぁ?
こう考えたら、日本郵政がいかに良心的なIPOだったかわかります。調達金額・値付け共にめちゃくちゃ抑えてましたよね。もちろん、売り出しをした国としては大失敗なのですが、投資家的にはとても良いIPOになってました。
配当利回り年5%程度のエアバッグでは全く機能しない需給の悪さはなかなか見られないレベル
ソフトバンクに限らず12月のIPOは微妙なものが多く、寄り付いたらすぐにストップ安になったIPOもあったりします。ましてや公募割れした銘柄について初日に個人が投げ売りするのはしょうがない。
しかしファンダメンタル的にはどのあたりで落ち着くのでしょうか。
「配当性向85%でようやく配当利回り5%」という、どう考えても長続きしない釣り餌を設定してようやく1500円を正当化できるレベルであり、多くの証券会社も、配当性向が50%程度に戻った後は1000円以下が妥当な価格だろう、という見込みのようです。
ソフトバンク妥当株価。日経CNBCより pic.twitter.com/CtwjfzJXny
— やまだ (@u2yamada) 2018年12月19日
もちろん、この価格まで下がるわけではないでしょうが、いかに1500円というのがあり得ない値付けだったかという話ですね。 野村證券とSBI証券のくそっぷりが嫌でも目立つ事件でした。とりあえず野村證券の大型IPOだけでなく、SBI証券主幹事のIPOにも本当に気を付けたいところ。
野村から電話があったIPOは、初値が公募割れするという個人的なアノマリーは今回も破られず守られた。
— 名古屋の長期投資家 (@Nagoya_Tyouki) 2018年12月19日
野村のアノマリー>野村+大和+日興+みずほ+MUFJモルスタ+SBIの誠意
おそらく、初年度は約束した配当を崩すつもりはないでしょうから、もうこの価格あたりからは配当エアバッグが機能し始めるだろうし(実は初年度は実質半額なんだけどなー。多分これ嘘ついて素人に買わせてる証券会社の営業いると思う)、ETF等への組み入れが完了するまでは上がり続けると思いますが、まぁわざわざ買うつもりは起きないですね。