「ヒナまつり」が面白かった大武政夫さんの新作はなんと「女子高生除霊師アカネ」という作品。
「ヒナまつり」の時にもスーパー女子高生がいてある意味主役以上に存在感があったのだけれど今回は本当にそういうキャラクターが主役になってしまった(笑)
霊能力がない女子高生が、除霊師として人をだまくらかしてお金を得る「霊感商法」コメディ
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HPでは「読み切り」となってますが無事に2話目が掲載されたので連載決定だと思います。
第一話ではっきりと「霊はいない。人々の心の中に邪悪なものが潜んでいるだけ」というスタンスで割り切っているのが凄い面白い。
幸いなことに、アカネちゃんは50万~100万もらえれば満足するので一家を破綻させるようなことはしないけどやってることがもろに統一教会です(笑)
このご時世にこの漫画を連載しようとした判断勇気があるなと思ってます。でも霊感商法ってつまるところこういう感じの話が多いだろうし、ギャグとしてこういうのが広まった方が免疫力高まると思うので、私は応援したい。
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「ヒナまつり」は名作だった。今50%還元セールだからDMMブックスで読むよろし。
霊感商法といえば、そういえばこの除霊漫画がかなり好きだったんで、この作者さんなんか連載して単行本でたらうれしいな。
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「勉強会詐欺」を描いた「カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義」
こちらはこちらで「行動経済学の死」が語られるご時世によくやるわ……と思ってしまうのですがまぁ「人間経済学」という言葉で逃げられるようにしてるのが面白い。
ガチで行動経済学とかを取り扱ってるわけじゃなくて、この漫画でやってるのは「水戸黄門」とか「暴れん坊将軍」のフォーマットに忠実な現代の時代劇です。
主人公は世界的な大富豪。最初は財力にものを言わせて力技でチンケな野良詐欺師を狩って楽しんでいたのですが、2巻の途中からはネットワークビジネスを叩き潰す中で「勉強会詐欺集団」と戦う展開になります。
「勉強会詐欺」は、「起業家育成」を謳って生徒を集め、成功する見込みがない人たちにそれっぽい授業をすることで高額な受講料を払わせるビジネスです。ネットワークビジネスやオンラインサロンの最終形態ですね。
こういう勉強会で教えられる起業方法なんてせいぜいネットワークビジネスとか詐欺まがいの行為しかなく、ほとんど人間は高額な受講料をむしり取られるだけで終わります。 それだけで終わるならアホな人が分不相応な夢を見てしくじるだけで済むのですが、こういう勉強会は「宗教」と似ています。
なので「サバイバー」はまっとうな起業家になるのではなく、同じような勉強会をはじめたりネットワークビジネスをはじめて詐欺師になりやすい。つまり組織的に詐欺師を量産することになります。
こういうやつらの内部に入り込んで豪快に叩き潰すという「現代の水戸黄門」ごっこマンガ、とても安定感があって気楽に楽しめるのでお勧めです。
というかこの作者さん、今までは逆に詐欺師側が主人公のマンガ描くの大好きだったからばっちりだと思う。さらに弱い人のケアとして私が一押しの漫画「Shrink!」も連載している
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霊感商法も投資家詐欺も、部位は違いますが人間の心の弱い部分をついた詐欺といえます。
そこでグランドジャンプでは精神に傷を負ったり心が弱ってる人をケアするマンガも描かれています。
まあ私が一番好きなのは「王様の仕立て屋」なんだけどね
この漫画については、ストーリーが全くないわけじゃないけど「仕立て屋」がいろんな人の悩みを衣装を仕立てることで解決するというお話であり、1話完結でどこから読んでも楽しめます。
興味があったら1冊だけでいいから買って読んでみてほしい。特に落語好きな人におすすめ