「おにまい」とか「ぬきたし」とか「朝凪」さんの同人誌とかの話です。
- 私には姉と妹がいる
- 基本的に私はフィクションでも「兄妹」という関係の話は苦手だったりする
- というわけで?「お兄ちゃんはおしまいっ!」みたいに「お兄ちゃん」の立場を捨てて可愛い妹になれるというフィクションはめちゃくちゃ優しい夢を描いてていいよね
私には姉と妹がいる
姉は私より2つ年上だ。めちゃくちゃ頭もよく要領もよい人間だった。親との関係も良好であり、他人に心配をかけるということもなかったから小学校高学年くらいからもう完全に自由放任で一人で好きなことやってたような気がする。
妹は私より一つ年下で、勉強は苦手だが人に甘えるのがとても上手で学校の外にも友達が多くいた。特に大学に入ってからはリア充そのものだった。父も母も姉も私もリア充とは程遠い性格だったから「わが家の人間でもリア充になることは可能だったのか」と思った。
で、妹の話である。一応幼稚園のころまでは妹は私にとてもよくなついていた気がする。幼稚園では妹と一緒に劇の練習をしてた記憶があるし、二人で手をつないで通っていた記憶もある。二人で仲良く迷子になって保護されたこともある。しかしそれ以降妹と仲良く何かをした記憶がない。
私は学校の勉強だけは人並み以上に得意だったがそれ以外はほとんどすべてにおいて要領が悪かった。特に発達障害ゆえに人とのコミュニケーションが苦手だった。集団登校の時や学校内でもトラブルを起こし、小学校低学年の時はいじめのターゲットとなったりしたりでよく両親に迷惑をかけた。父母の言われた通りにできないから家族の中で私一人だけよく怒られていた。
妹というのはそういう兄を見ていると見下すようになるものなのだろう。妹は小学校のころにはもう私を侮るようになっていた。ただ馬鹿にされるだけならそんなにこじれなかったかもしれないんだけれども勉強だけは私の方が圧倒的によくできた。母はよく私と妹を比較したため、妹は見下してる私のせいでよく母に怒られるということで私を敵視するようになった。
それでも中学校受験までは勉強を頑張ってたから父や母は自分の事を応援してくれていてまだ家の中にはちゃんと居場所があったからそれほど気にはしてなかった。門外が起きたのはそのあとだ。この前も書いたけど私は阪神大震災のあたりから家族の中での居場所がなくなってしまった。
震災前は母と姉・私と妹で部屋を共有していたが、いろいろあって震災後は姉と妹が部屋を共有することになった。私は母と同じ部屋になったのだが、この頃には完全に母と私が仲が悪くなっていたので家の中ではだいたい父の部屋に避難していた。かといって別に父とも仲は良くなかったし、そもそも父は震災後に単身赴任で名古屋に行ってしまったのでほとんど不在であり私は父の部屋で黙って本を読むしかやることがなかった。そして、このあたりから一家で食卓を共にすることもなくなった。女3人は一緒に食卓を囲んでいたようだが、私は一人で飯を食っていた。
今から思うとここで勇気を出して踏ん張らなかったのがいけなかった。家の中は居心地が悪いため、メンタルの弱い自分は家族と向き合うことから逃げた。できる限り家に帰りたくないのでできる限り部活動をやることにして家の中では誰とも会話しない、とかやってたらますます溝が広がってしまい、私は完全に家の中でも浮いた存在になり「家族とすらコミュニケーションがまともに取れない人間」となってしまった。
それでも、仲が悪いなりに母は保護者としての務めは果たそうとしてくれていたし、姉は要領がよかったから何か接点があったら無難な対応をしてくれていたが、問題は妹である。妹からしたら私は「他人」よりさらに下のカテゴリに位置づけられていたような気がするのだよね……。「キモイ」というのは妹にとっての私みたいな存在を指して言う言葉なんでしょう。まぁそれでも中高時代は私は勉強ができるというアドバンテージをかろうじて保持していたから対外的には兄の面目は維持できてたのかもしれないけどそのあたりよくわかんない。何にせよ、自分が兄と認められていたわけではないのは確実だ。
基本的に私はフィクションでも「兄妹」という関係の話は苦手だったりする
というような過去があるので基本的に私はフィクションでも「妹」という存在は苦手だ。
というか「兄妹」という関係性についていろいろ複雑なものを感じてしまう。せめてこれが弟だったらもうちょっとましな扱いを受けられたんだろうかとか、自分みたいな人間を兄に持った妹はそれはそれでしんどい思いをしてたんだろうなとか思うとちょっとしんどくなったりならなかったりする。
まぁそんなにフィクションになんでもかんでも自己を投影したりするわけではないけれど、かといって全く無視できるわけでもないので好き好んで「兄」とか「妹」にクローズアップした作品は読まない。といいつつ、逆に自分の現実とか考えなくてよいくらいぶっ飛んだ兄妹関係は大好物です。
「ぬきたし」のアサちゃんとか大好き。特に2のアサちゃん可愛いよアサちゃん。こんなに兄という存在に執着してくれる妹とかいるんだね。もうそれだけで淳之介えらいよマジで。
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こんなかわいいアサちゃんを愛でられるぬきたしはストーリーもめちゃくちゃ面白いから全人類プレイしような。
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逆に「朝凪」さんの同人誌で描かれている壊れた兄妹関係とかみちきんぐさんの「露骨に兄を嫌ってる妹たち」の話とかも好き。明らかに「フィクション」ってわかる作品だととても安心して兄妹関係を楽しめる。
というわけで?「お兄ちゃんはおしまいっ!」みたいに「お兄ちゃん」の立場を捨てて可愛い妹になれるというフィクションはめちゃくちゃ優しい夢を描いてていいよね
この作品に関しては、同人誌で1巻が出たころから知ってたんだけど「この作品認めたらなんか負けな気がする」って思って読むの拒否してたんですが……。
アニメ見始めて、原作も最新話まで全部読んだらもう何もかもどうでもよくなってしまった。
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はいかわいい。まひろも可愛いけど妹のみはりちゃんほんとに可愛いわ。
もう、負けでいいです負けで。
「お兄ちゃん」を手放してからのまひろは幸せそうでいいよね。
なんかね、この作品を観てると
現実ではTSやら妹の立場にななるやらはできないんだけど、それでも私が兄って立場とか気にしなくて
もっと素直に家族と仲良くしたい―って心を開いてたら妹というか家族全般と違った関係がありえたのかなって思うとちょっと切ない気持ちになりますが
まぁフィクションに自分を過剰に投影してもいいことないので、素直にかわいいかわいいって楽しみたいです。
アニメの作画がものすごいって言われてるけど、それでもやっぱり私は原作のねことうふさんの絵が好きだなぁ……。