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ちゃんと人の話を聞けない人から「なんでそんなに人の話を聞くのが下手なのか?」と話を聞いてみたら主に3つの理由があることがわかった

前フリとして萩尾望都さんの話から

www.365bookdays.jp

時々、漫画の講義や講演をした時、「漫画家になるにはどうしたらいいですか」と聞かれます。
「作品を描いて完成したら、人に読んでもらうといい。人の意見を聞くことは大切なことです」と答えます。
そして「もう一つ大切なことは、人の意見を聞かないことです」
そう言うと、大抵どよっと笑いが起きます。そうなんです。
独りよがりにならないために、人の意見を聞く。
でも自分の作品の大切な部分を守るためには、人の意見を聞かない。
相反することですが、双方必要です。

どこまで聞くか聞かないか。自分で判断し、自分で責任を取る。
これが作品に名前を出すということなのだと思います。


話を聞ける人というのは、こういう人を指すと私は思っています。
こういう人を目指す時にネックになりがちな部分を考えてみたいと思います。



「ちゃんと人の話を聞く」が全然出来ない人がいる

ちゃんと話を聞ける聞けないというのは下記の記事で書いた通り「相手の話の要点をつかめるかどうか」という意味です。

www.tyoshiki.com
その人はこの「要点を掴む」ということが極端に苦手というか、全くできないんですよ……。



インターネット上でのやり取りではとにかくズレた反応しかできないので
「頭が悪いのかな」「人の話に興味がなさすぎてそもそも聞いてないのかな」と不思議に思っていたのですが
実際に話をしてみるとそんな事はありませんでした。
決してバカでもないし、なによりむしろ普通の人より話を聞こうとしていた。



にもかかわらず、人の話を聞いた後の反応がいつも芯を外している。
今日その件で「なんでそんなに話を聞くのが下手なのか」についてその人から話を聞いてみたところ、主に3つの理由があると言う結論になりました。




話を聞けない理由その1: ADHDなので、枝葉末節に過敏に反応して意識が持っていかれてしまう

まず第一の理由として、その人はADHDだそうです。

なので、話の途中でひっかかる表現があったら、そこに意識が集中してしまう。

細かい表現で過敏に反応し、それに対してすぐ何かを言いたくなってしまう。

そして、自分が言いたいことを言うまではそのことで頭が一杯になってしまう。

そうでなくてもADHDは思考にノイズが入りやすいので、ちゃんと相手の話が入って来にくい。

こうなるともう、相手の言ってることを聞くことに集中できないんだとか。

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1についての解決策はこんな感じ?

【周囲の人間】
これについては、話し手ができる限り刺激しないような表現を使うように気をつけることも必要ですが、限界があります。

【本人】
ADHDに関しては、専門家に相談するか、せめてちゃんと本を読んで勉強してほしい。
自分の状態にあったおくすり飲んで、脳が過剰に反応するのを抑えてもらうしかないのかなと思います。
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話を聞けない理由その2:何が一番大事な話なのかという強弱や優先順位が理解できていないから

ADHDはしょうがないとして、他に対処できることはないのかと考えた時に感じたのがこの人は「話の優先順位」みたいなのを全く意識してないってことです。

人の話ってダラダラ語っていても重要な部分とそうでもない部分というのがありますよね。
しかしこの人は「とりあえずこれだけは理解してほしい」という部分がどこなのかがわからないようでした。


そのせいで、1の要素と相まって「すごく細かいところに反応したり反論したりしてしまう」割には話のキモの部分、大事な部分には全然反応がなく、実際に理解もしていないことが多かったんですよ。



つまり、この人は会話している相手と経路やセッションを成立させられてないんですね。「相手はこの話をしようとしてるんだ」という全体像を掴んで、そこに反応しようとしていていない。

himaginary.hatenablog.com

その結果として、その人は真面目に相手の話を聞こうとしているにも関わらず、相手としては「この人は、ちゃんと人の話を聞いてないな」という印象に繋がっていた。



この人は、人と話をしているとすぐ疲れるという話をしていました。そりゃ全部話しを聞こうとしてしたら疲れるよ……。
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頑張って聞こうとしてるのに、それ故に疲れてしまって、あげく「お前ちゃんと話きいてないだろ」と言われるわけだから努力しても無駄だと感じて会話が苦手になってしまってもおかしくないですよね……

おもっていたよりずっと頑張っているのに、頑張り方がズレているせいで空回りしてしまうのがとてもかわいそうだと思いました。



2についての解決策はこんな感じ?

【周りの人間】
これについては、アジェンダを設定したりとか今日は何の話をするというところを事前に提示していつでも確認できるようにしてあげると多少は解決するかもしれません。さらにいえば、話の時間を15分とか20分に絞った方がいいというのもありますね。

【本人】
本人は時々「今は何についてメインで話ししていますか?」と確認するようにした方がいいと感じました。メインの話題が何かを意識して、その部分についてはちゃんと聞いていると示せるように反応すれば「この人はちゃんと話を聞いてくれているな」と伝わると思います。ちゃんと準備ができていないなら、雑談などは話すだけでなく聞くのも結構難しいので、誰でもできる事務的な話題を中心にするのも一つの手ですね。


話を聞けない理由その3 : 自分の考えへのこだわりが強いので、相手の話と自分の話どちらが正しいかと考えてしまう(キャッチボールではなくボクシングをしてしまう)


これはオタクあるあるというか、愛嬌みたいなものだと言えなくもないので、純粋に欠点とは言い難い内容です。

とにかく自分の考えと異なる時に、「◯◯さんはこういう考え方なんだなー」「使えそうなところはパクらせてもらおう」って受け止め方がとても苦手なのだと感じました。
自分と意見が違う人との間で正否や優劣を競おうとしてしまうのは「兵士のマインドセット」と表現されているのですがインターネットやりすぎてそういう考え方に毒されているなと感じましたね…。

本人は「人は人、他人は他人と割り切ってますよ」とか口にはするのですが、それは口だけで、実際には意見が違ったらしばらく時間をあけていちいち反論するのが我慢出来ないみたいなんですね。
どうも「自分の考え」に並々ならぬこだわりがありすぎて、あまり他人の考えを受け入れるスペースを確保できてないようです。

一度相手の話をちゃんと受け止めてるのを示してから、それと別に自分の意見はこうだと述べればいいのに「反論」というかたちで自分の意見を言おうとしてしまう。

つまり、相手はキャッチボールしようとしてるのに、この人の中ではボクシングになってしまってるわけです。 

キャッチボールだと「まず相手の話を受け取って、そこから良いところを返そう」となるわけですが
ボクシングだと「相手の話の納得できないところや、間違いみたいなところを見つけてそこを打ち返す」ことに意識が持っていかれてしまっている。



本人は無自覚でやってるんだと思いますが、この心構えのせいで、2つのデメリットが発生しています。

1つめは「まとまった話として相手の話を受け取ることができない」ことです。
当たり前ですが、相手は聞き手の反応を見て相手がどう聞いているか判断するしかありませんから、
この人のような反応をすると原因2と同じく「話ちゃんと聞いてないね」という評価を受けることになってしまう。

2つめは、相手が不快な気持ちになったりうんざりしてしまうことです。当然和やかに会話できなくなってきます。
しかも、本人は自分の態度が相手を不快にさせていることに自覚がないので、相手が刺々しくなってきても「相手のせい」としか思わないんですね。
自分からボクシングスタイルを仕掛けているのに、相手が自分のボクシングスタイルに応じて殴り返してきたら「相手が殴った!」と騒ぐ。

www.tyoshiki.com
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戦闘的なスタイルをとっているのに、戦闘を始めると「殴らないでください」と言い出すという意味不明なやり取りが多くて、これはマジでなんとかしたほうが良いと思いました。


その3についての解決策はこんな感じ?

【本人】
正直、3は無理に直さなくてもいいのかなと思います。これはこれで面白いし、私は殴られたら倍返しでボコボコにするだけなので。

ただ、冒頭にあるように他人の話をどのくらい聞くかを自分で判断して調整できるようになれば余裕もできて、必要な部分については相手の話を聞けるようになるかもしれないなとは思います。
あとは自分が相手を無自覚に殴ってるという自覚を持たないと、ほとんどの人はうんざりして距離を取るだろうし、残るのは私みたいに殴り返せる戦闘民族タイプだけになるので気をつけたほうが良いと思いました。


確実に言えるのは、今みたいな話の聞き方してる限りは、成長はくっそ遅いだろうし、有用な話を聞いてもボロボロ取りこぼすだろうということですね。
togetter.com






まとめ

話聞くのが苦手だと思ったら、とりあえず全部相手の話を聞こうとするのをやめたほうが良いと思います。

その代わりに、「ここだ」という部分を決めてリソースを集中させてみると良いかなと。

「話の優先順位を決めて、大事な部分に集中する」ように意識してみる。それ以外のところはある程度流しても許されるし、むしろ流すようにしたほうが良いとさえ思います。

すべてをちゃんと聞きたいなら、時間を区切って15分とか20分という制限を設けると良いような気がしますね。



 

おまけ :今回こういう話をするようになった経緯について

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