前日の記事で前提的な知識を獲得した上で、
2024年の米価格高騰のメカニズムとその背景にある日本の米政策の構造的な問題について考えてみる。
1. 価格高騰の直接的な経緯
価格決定の基本構造:一般に思われている「生産者→卸売→小売」の順で価格が決まるのではなく
平時においては「小売価格」が先に決まり、そこから逆算して卸売や生産者の価格が決まる構造が基本。
この前提を理解することが重要。
高騰のプロセス:
2024年春~夏:4月頃から需要が増え始め、夏には災害への備えなどから「買いだめ」が発生し、小売店の在庫が一気に枯渇した。
2024年秋以降:小売店が在庫を確保するため、高くても仕入れざるを得ない状況に。
新米が出回っても、そもそも流通量が少ないため価格は下落せず、むしろ品不足から急騰した。
ではなぜ「生産量は足りていたはずなのに品不足になったのか」
ここでいろんな犯人探しをしている人がいますが、「犯人が一人」と考えると間違うよというところまでは昨日の記事で書きました。
というわけで今日の記事も、文章を読むのがだるい人は音声でどうぞ
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20250311_2.html
2. 価格高騰の根本的な4つの原因
【本題に入る前の閑話休題】
あらかじめ言っておくと、どれも「刺激的な結果に見合うだけの刺激的な理由」ではない。
だが、答えはそういうものだ。
拳を振り上げたところで、振り下ろす崎など無い。
最も根本的な原因は「戦後30年続いていた生産調整レジームが近年崩壊しつつあり、それが今回もろに出てしまった」だからだ。
つまり「スッキリするような解決策がない」問題であり、「つまらない答え」なのだ。
農水省はちゃんと原因を発表しているが、みんな聞く耳を持たない。
これだけ大騒ぎしたのだから、もっと刺激的な答えをよこせと待ち構えている人はその答えでは納得しない。
納得してもらえないからテレビも報道しない。
誰も答えがわからない。
無責任なインフルエンサーが、嘘だとわかっていて刺激的な答えをばらまく。
そして、とりあえず誰かのせいにして安心したい心弱き人が「米先物のせいだ!」とかいって騒ぎ
れいわだの参政党だの国民民主党に流れてたり、小泉進次郎フィーバーが起きたりするのだろうね・・・
もう民主主義のレジームも終りが近づいてきており
通常のサイクルであれば、この後独裁制に戻っていくのだろうなと感じる。
まぁアメリカではより強烈な「反民主主義」の動きが加速してますけどね・・・。
【閑話休題終わり。ここから本題の4つの原因について】