この記事は「よくわからない」と言ってるだけで特に何か結論があるわけじゃないです。というかいろいろ無知です。
ただ、政治の話にになると、すぐ「これが正しい」って答えを決め打ちして、「これがわからないやつは馬鹿」って口汚くののしってくる人がいます。私はそういう人を目にするたびにうんざりします。政治の話は人を「バカ」にするのだなと思っています。
「バカ」について - 頭の上にミカンをのせる
「ここまでは分かった。でもまだ自分に見えていないものがたくさんあるはず」という姿勢が好き - 頭の上にミカンをのせる
私は早々に結論を出そうとする人も、意見が異なる他者に対して説明を丁寧にしないでマウントしようとする人も好きではありません。なので「よくわからんけどこういうところ気になってます」って話を書くことにも意味があるかなと思って書いておきます。
消費税増税反対だけだったら「見えない増税」に化けるだけじゃないの?
サラリーマンやってて思うのが、やばいのは消費税よりも年々しれっと値上げされていく社会保険料だと思うんですよね。会社負担分も含めるとかなりの額を天引きされてるので、最早働いたら負けは真実になりつつある。
— たんたんめん🍣3日目西む33b (@km170) July 22, 2019
「見えない増税」って言葉はみんな聞いたことがあるはずなのだけれど。みんなが消費税の話ばかりしている間に非消費支出(所得税・住民税・社会保険料)はどんどん増えてきた。
国民にとって大事なのはあくまで可処分所得が増えるかどうかと社会保障をどう充実させるかという配分の話のはずなのに、なんで消費税の話ばっかりしてるのか?がよくわからない。もちろん金額的な影響は社会保障費じわあげより消費税2%増税のほうが大きいのだが、他の前提を変えずに消費税増税だけ反対しても、他の非消費支出が増えるだけだろうなと思う。
日本は高齢者医療と年金以外の再配分が異常に弱い。アベノミクスは資産家階級がより富んだだけ、というのは周知の事実であり、これをどうするかが大事だと思うんだけれど。そっちの議論に手を付けずに消費税上げるか上げないかだけ論じても意味がないんじゃないかなと。現状を維持するなら消費税増税は不可避であろうし、単に消費税増税反対だけだと、また見えない増税が加速するだけじゃないかなと思う。
法人税下げたり富裕層への税金を増やせという圧力はまだまだ弱い
ここで今回山本太郎が話題になった。彼が言っているのは国民の負担を減らし、消費税も増税せずとも「富裕層への課税を増やしたり法人税を上げればいいじゃないか」ということだ。
その根拠として、以下の記事のような資料は参考になるかもしれない。
とはいえこういう相関関係が微妙なグラフを平気で載せてくるあたり信用できないんよね……
もちろん企業はため込みすぎだと思うけれど、これは近いうち景気が悪化したタイミングでポピュリズム政権によって増税のダブルパンチを食らうことが経験でわかっているからだろうと思う。企業はサラリーマンより生き残るのに必死だということが言えるだろう。
企業は、利益にならない限りなにも変わらないし、損にならない限りはできる限り利潤を追求する。
その証拠に株主からの圧力を受けて自社株買いや増配はすごくするようになった。設備投資もようやく増えた。
人件費以外は増やしているのだ。上げてないのは人件費だけである。たぶんだけど、企業は上げなくてもまだ人手が確保できるし消費レベルもまだ許容範囲だと思ってる。。人件費を一番最後に回してもまだ大丈夫だと思っている。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_company-toushou1marketvalue
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_company-jisyakabugai
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_eco_seizougyo-setsubitoushi
企業に賃上げさせるのはそのくらい大変なことだ。政党や従業員からのプレッシャーは株主からのプレッシャーと比べたら弱い。自民党政権が考えた賃上げ政策は法人税優遇とセットになっていて何かと問題が多い。
すでに退職したご老人は人件費はすでに自分に関係ないから関心がなく、ここがなかなか選挙の命題に上がらなくなってしまったのも痛いよね。
あとは老人たちの最大の関心である年金についてもうちょっとタブーなしで議論が進んでほしいかな
とはいえ、老人たちが人件費問題に無関心なのを責める資格は我々にないかもしれない。老人たちは年金や国防を重視してるのに、我々は年金問題に対して無関心すぎる。
結果として「年金のために消費税増税やむなし」というなんの工夫もない政策を堂々と主張する自民党側が総数では勝ってしまうわけだ。
老人たちの多くは安倍さん自身はけしからんと思っているらしい。だからさすがに今回は高齢者層でも自民支持者は減った。でも年金を維持するという点に関してだけ言えば安倍さんがいちばん信頼できるのだそうだ。だから絶対数において、まだまだ自民党支持はゆらがない。悲しいことだ。
30代以下、自民支持が増加。60代以上と逆転(参院選の出口分析) | ハフポスト
とはいえ、私はぜんぜん安倍さんのことが信用できない。金融庁レポートの騒動で、国は年金に関して都合の悪い情報は隠して国民に知らせない、という態度は明らかになったから、自分たちでちゃんと調べないといけないなと思う。
http://agora-web.jp/archives/2029295.html
社会保障特別会計の赤字を一般会計の「社会保障関係費」で埋める異常な財政構造のおかげで、社会保障特別会計の隠れ借金が蓄積している。今のままだと2032年に年金積立金はゼロになり、2050年には年金会計は最大800兆円の債務超過になる。総合研究開発機構の計算では、年金制度を2050年までもたせるには支給額を42%カットするか、保険料を35%引き上げる必要がある。さらに医療費も団塊の世代が後期高齢者になる2025年以降、激増するので、社会保険料を上げないと消費税率は30%以上になる。
http://agora-web.jp/archives/2019541.html
今のまま放置すると、団塊の世代までは逃げ切れるが、それ以下のすべての人が無年金になってしまうのだ。年金制度を2050年までもたせるには、支給額を42%カットするか保険料を35%引き上げるしかない
2030年代には医療・介護の赤字を含めて、社会保障会計は1000兆円以上の債務超過になる。一般会計の赤字以外に巨額の「隠れ借金」があるわけだが、これは税金か国債で穴埋めするしかないので、消費増税の延期はその借金をさらに増やす。その結果は、年金を大幅カットするか、大増税するか、それとも激しいインフレで政府債務を踏み倒すかの3択だ。ピケティもブランシャールも、最後の選択肢しかないだろうと予測している。
私たちは、何も知らないまま、断片的な情報で短絡的に答えを決めているだけなんだと思う。もっと「これわからないけどどうなってるの?」って声があげやすくならないと、選挙への無関心・無気力はますます強くなると思う。
そういう意味で、このまとめは面白かった。
https://togetter.com/li/1379064
covacova なんか分かった気がするぞ。選挙に行かない人や、体制派にしか入れない人は、正解が何かを気にしているんだな。正解とは多数派で、正解に入れなかった自分を他人に見られるのが怖いんだ。まさに教育の成果だ
kitakokomo 文字通りの「学校で教えられていないから」というよりは、なんかこう選挙の、偉そうな、やって当たり前の、知的な、自己選択のくせに責任のありそうな、そういう感じがなんか嫌って感じなんだろうな。そこはわかるわ
よくわからないで思ったことを言うと、すぐに怖い人が絡んでくるような状況で健全な議論などできないし、自分の思い通りにならない人間をすぐ見下そうとする人間は百害あって一利なしだと思う。