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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「犯人たちの事件簿」読んだ後で「金田一37歳の事件簿」を読むとすごく面白い

金田一少年の事件簿シリーズ好きなので、コミック版は一通りすべて読んでいます。
「金田一37歳の事件簿」も、最初こそなんじゃこりゃ?と思ったものの、やはり面白くなってきました。

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「17歳の時の金田一少年」はほんとにチートだったよね(笑)

あらためて考えると「17歳の時の金田一」は、推理力に加えて、運や演出力、メンタルやフィジカルまでいろんな点がかなりチートなんですよね。

「外伝 犯人たちの事件簿」ではその点がとても強調されていて面白いです。

と、止められるか普通…このでかいナイフのちょうど柄のギリギリのところを片手で……
俺、今日のために相当鍛えてたんだぜ? 忍者かこいつは!
負けた… トリックでも、フィジカルでも!

つり橋から落ちたのに、思ったより軽傷…… なんで……?若いから・・・?

あいつがなんでこれだけ殺人事件に巻き込まれても平然としていられるかわかる?
シャブをやっているからよ。 私もやってたからわかるの。

「黒死蝶」の時のように、助手役である美雪もだんだんとチートキャラになっていきます。
(4回くらい事件に巻き込まれて瀕死になってるのに心が折れないで金田一についていくメンタルほんとにすごい)

このチートは作者もかなり自覚があったようで、その要素は「探偵学園Q」に引き継がれることになりましたよね。


しかし、そのせいか、最初は犯人たちも「一般人のはずなのに」チートクラスの演技力やスキル持ちみたいな形で釣り合いをとってたんですが、だんだん後半になるにつれ、特殊な経歴をもつ犯人や特殊な舞台装置に頼ることになっていってなんだか「特殊な舞台設定の説明」が中心になって、本末転倒な感じが出始めていました。
途中で何度かライト化路線の試みも見られましたが、それだと今一つ盛り上がらない……という感じで結局最後の方はちょっと失速感が出てたかな、と。

そのあたりの感想は上のまとめからご覧ください。


「37歳の事件簿」は、若さゆえの「怖いもの知らずぶり」や「チート」が失われ、大人ゆえのいろんな制約ができたことで新鮮な気持ちで読めるシリーズに

「37歳の事件簿」はこのあたりを上手にリニューアルしてくれていると思います。

・全盛期の金田一少年と比べれば、いろんな点で制約が多い。
・様々な探偵特権を持っているわけでもないし、様々な無茶をできるわけでもない。
・犯人があんまり隠れてない(以前と違って推理パート前から自己主張が激しい)
・監視カメラなどいろんな技術が発展して「推理」なんて必要あるの?という空気になっている。
・そもそも金田一自身が、あんまり自分が目立って探偵役をやりたくない。

など、以前の金田一「少年」のころに通じていたものがいろいろ通じなくなっている。


でも、だからこそ読者としては、新鮮な気持ちで読めるようになっていると私は思います。「金田一少年シリーズの登場人物」を使った、新しい作品、とい気持ちで受け止められるので、個人的にマンネリというか「高度化」していって読むのがしんどくなってきていた金田一少年シリーズの続編よりも素直に楽しみやすいかなと。
このあたりのアレンジすごくうまいなあと感心します。


その上で、金田一少年シリーズの特徴である、ハウダニットとホワイダニットを明確に分けて読みやすくするなどの仕掛けは健在。
もともと好きだったからひいき目があるかもしれませんが、やっぱりこのシリーズは面白いなと思います。


「京都編」からがいよいよ本番

2つめの事件まではまだファンの反応を試しながらのジャブみたいな展開だったような気がするけれど
3つめの「京都編」からブーストかかってきた感じがするので、非常に楽しみです。