名前の通り騎手が主役の話。
上杉ケイくんが主人公。父は失踪、母の反対を押し切って競馬学校に入学する。
とりあえず「競馬学校卒業」までの部分(1巻~2巻)までを記事で紹介します。
あらすじよりも、言葉のやり取りが面白い作品なので是非実際に読んでみてください。
2巻までは、この問いに対する答えを出すまでの物語になっています。
生き物なんてものんは、(この先)いくらでも死ぬで。
それでも…馬が好きと言い続けられるかどうかってことや!
俺は、即答できる。お前はどうや?
そういえば、競馬学校内での話ってちゃんと読んだことなかったかも
①学校の卒業試験
②騎手免許試験
③そして新人(31勝まで)の期間
④重賞の舞台へ
最初のライバルは同期リーダーの真田くん、相棒は2勝で故障して引退したフラワーカンパニー
いい感じの噛ませ犬感が出てる。
天才肌なのにハングリー精神が足りない上杉を毛嫌いして蹴落とそうとする。
一方、相棒はフラワーカンパニー。癖馬といわれるが上杉ケイとの相性は抜群。
卒業前の模擬レースで、初めて大観衆の中で走るが……
ケイはフラワーカンパニーの気持ちを汲んで先頭でいい走りを見せていたが、途中で故障発生で安楽死処分に。
心が通じ合っていたと思っていた馬から向けられた強い視線がトラウマになり、それからしばらくまともなパフォーマンスを出せなくなる。
フラワーのやつ、あんな状態なのに、まっすぐ立って僕を見据え続けて、何かを伝えようとするんです。
その目が…あんな苦しそうやのに「お前は大丈夫か」って僕のことを心配しとるんです。自分がどうなるかも構わずに……あんな状態やのに、フラワーの方が強い生き物やった。
馬は言葉をしゃべらん。ただ気持ちだけを表に出す。一瞬でもウマと分かり合えたのならそれは騎手として得難い財産となるのに……惜しいことだ。騎手に何かを伝えたつもりの馬は死に、伝えられた己を責めながら競馬界を離れてしまう。そして何も残らん。フラワーカンパニーは浮かばれんな。
ついに騎手としての覚悟を決めるケイ
ケイはまだ自分が馬になる動機や覚悟が固まっていなかった。
ここで一度心が折れて騎手をやめそうになるのだが、
この時にフラワーパークの馬主から罵倒交じりにカツを入れられてようやく踏ん切りがつく。
死なずに済んだらよかったなんていうならウマにかかわらなきゃいいのよ!
馬も人も、いつか死ぬことに変わりはないでしょ!生きてるから幸せとかじゃないのよ!
たとえ死んだとしても充実して生きたかどうか、それしかないの!
あなた言ったわよね、気持ちよく走れてるフラワーは幸せなはずだって。
だったらフラワーはあのレースの時充実して生きてた。だから死なずに済ませたかったなんて言わないで!
謝ってほしいわけじゃない。
教えて、上杉くん。
私たちにやめるっていうのと同じように、フラワーにもこのままやめるって言えるの!?
馬主さんからの言葉でフラワーから想いを託されたと信じるケイはもう一度根性で立ち上がる。
そして「ジョッキーとして成長し、フラワーの全弟に乗ってダービーを目指す」ことを目標に掲げる。
騎手の仕事とは何か
その一瞬を境に勝負の行方は人の手を離れ、人知を超えた領域に入る。
だが、その一瞬は騎手が判断しなければならない。
その一瞬こそが、騎手の仕事なのだ。
GOサインの一瞬はすべてがかみ合わねばならない。
馬のいってしまいたい気持ち、
騎手の行ってしまいたい気持ち、
騎手の勝ちたい気持ち、
そしてレースの日までの入念な仕上げ、
加えてそれらがすべてかみ合っても馬の調子が万全でなければだめだ。それらすべてを運と呼ぶのだ。
力も運も備えた騎手が勝つ。ダービージョッキーが最高の名誉たるゆえんだ!
お前たち、レースを見ていて「まだか?まだか?」と思っていただろう。
そこがレースを楽しむお客だと言っている。「まだか?」ではなかろう?
お前たち自身がいつ、どんな風にその一瞬を決断するのか。それが騎手の表現だろう?お前たちは想像力がたらんから目の前の相手に向きになって満足する。
もっと視野を広くしろ。
どうせなら、ダービージョッキーである安斉をくってやるくらいの気持ちで学校を出て行かんか?
こうして卒業していくわけだけれど、とにかく1話1話の会話が重い。
一気に読むの大変なので、これはゆっくり読んでいくつもりです。
「優駿の門」が天才ユウマくんと一緒に軽やかに進んでいくのと比べると、こちらはほんとに一歩一歩じっくりって感じなので、読むほうも気合必要そう。
まず優駿の門を読み進めつつ、あわせてちびちびって感じですね。
どちらの作品も、おそらく読み終わるまでは続きについてこのブログで記事にはしないと思います。
こちらも5月19日まで50%ポイント還元対象です。