キュウベエ的な感情抜きの視点で言えば、本当に問題なのは貧困とか格差であり、経済の流れが止まり産業そのものが死んでしまうなんだろう。
でも、実際に社会に分断を引き起こすのは、格差そのものではなくて「不公平感」の方なんだなと思うようになってきた。
コロナ以前から自民党政権たちの隠ぺい騒動などで「不公平」感へのいらだちは結構溜まってきていた。
桜の会がーみたいな話もあったし、「上級国民」みたいな言葉も流行っていた。
さらにコロナ以降は、いろんなところで「扱いの格差」が露骨になり、政府は緊急性を理由にして悪びれもせずそれを行うようになった。
GOTOトラベルの時からもうさんざん不公平感が出始めていたが、
サービス業が瀕死の状況で、一部の産業はこの世の春を謳歌するとう事態にもモヤモヤがたまっていった。
ただ、ここまではまだ政策として理解できるところだったが、
オリンピックに関してはさらに露骨になった。
オリンピックのためにいろんな人間が我慢を強いられる構図は誰の目にも明らかな不公平感の祭典であった。
オリンピック関係者と一般人の間に明確に線引きが行われ、あらゆるものがオリンピックのために我慢を強いられた。古代中国の暴君でももうちょっとうまくやっていたのではないだろうか。
ワクチン接種や病床確保の問題でも露骨に差が出始めた。
「特定の人間のために他の人間は我慢しろ」というのが一番不公平を感じるやつである。
この不公平感は長男やお姉ちゃんじゃないと耐えられないやつだった、長男やお姉ちゃんも我慢したくて我慢してるわけではないわけでやっぱり我慢できなくなった。
一時の話ではなく日常的・慢性的にいろんなところで「不公平」を感じる機会がどんどん増えていった。
こうしてみんな、我慢しきれなくなってきた。
溜まりにたまった怒れる国民は、怒りをぶつける先を求め始めてベルサイユ行進のように進撃を開始した
こうして国民が「不公平感」への怒りを我慢しきれなくなったところで小山田圭吾のいじめ問題や電通出身者のgdgdぶりというのが取り上げられた。
不公平の象徴ともいうべき「いじめ」をやっておきながら、罰されることなくのうのうと幸せそうにしている人間への憎悪はすさまじかった。
火山のように噴出した怒りをぶつけられた人物は血祭りにあげられたし、電通叩きは公然の娯楽となった(批判されること自体は妥当だと思うけどね)
一度タガが外れると、怒りが収まらない彼らは他にもどんどんいろんなものに怒りをぶつけるようになった。
日常的に感じるくらいだから、不公平への怒りは探せばいくらでもあった。
そんなところに空気を全く読めてないDaiGo氏が登場した。
このタイミングで「不公平」を全面的に肯定するいけ好かない人間というのは人々が求めていた理想のサンドバッグであり、案の定ボコボコにされニュースにも取り上げられたらしい。
※こういってはなんだけれど……DaiGoさんは発言内容以上にタイミングが最悪すぎてギャグマンガみたいだなと思った。
※なお、DaiGoが叩かれまくっているのを見て、イケダハヤトさんがこっそり今まで投稿しまくっていた職業差別動画を大量削除しイケハヤ大学の終了を宣言したのはちょっと面白かった。
イケハヤ大学が完全に終了。
— はらですぎ (@hara_desugi) August 15, 2021
タイミング的にDaiGo氏の炎上を受けてヤバそうな動画を非公開にしたのでは?と下衆の勘繰りをしてしまうのは僕だけだろうか😅 pic.twitter.com/R3Y2Mudn4w
色々な本を読み、勉強して知識を増やして優しくなった事情通の主張がこちら🙂 pic.twitter.com/7YtFOdABXt
— はらですぎ (@hara_desugi) August 16, 2021
渦中のメンタリストDaiGo氏は新たに火種になりそうな動画を非公開にしている模様…。
— はらですぎ (@hara_desugi) August 19, 2021
イケハヤ氏も特定の職業を侮辱するような動画を公開していたけど延焼を恐れたか殆どの動画を非公開にしてしまった。https://t.co/pIhU9Eq4Jt
まだまだ怒りが収まらない人たちに対して、火に油を注ぐようなニュースが毎日のよう届く
今度はフジロックや旭川小学校の件で怒りを爆発させているようだ。
はやくこの時代を終わらせるためにと努力と我慢を続けていた。一人ひとりがそうしていればいつかきっとと思っていた。しかし、明日からフジロックは開催される。私が我慢してきたことを踏み躙るように県外から客がくる。私だってこんな世でなければ行きたい。どうして、県内の人間が行くことを我慢しているのに県外の阿呆たちがそれを楽しむのだろうか。許せない気持ちしかない。
https://anond.hatelabo.jp/20210819195139
あと最近起きたグラブルの炎上は「不公平感」がどれだけ人をイラつかせるか可視化されていて印象深かった。
今グラブル炎上してて、昔のパズドラのエイトマン事件の時も同じだけど兵藤会長が全て語ってる pic.twitter.com/xnJNpVcvgD
— とき (@onontoki5160) August 17, 2021
これってほんとに政治である意味一番気を付けないといけないところだと思うのだけれど、安倍政権後半からはずっと、これができてないなーって思う。
安倍政権時代はまだ「全体としては上り調子だ」でごまかしがきいてたけど全体が下り坂になってきた時に、この「不公平感」がものすごく分断を生じるんだなというのを感じてる。
このまま不公平感が続きすぎると、「人柱」による生贄政治になるか、それとも取り返しのつかない分断かどちらかしかないんとちゃいますかね。
「みんながそれぞれの立場でそれぞれに我慢している」の建前が崩れて「上層の人間にはどんな文句を言っても良い」となると、むしろネット民はいろいろと不都合だと思うけど、まだそれには気づいてないっぽいね
ちなみに、不公平感にうるさい国のはずだけど、いまだに入国管理局絡みの問題とか技能実習生問題は全く解決に向かわないあたり、「不公平そのもの」が許せないのではなくて「不公平を感じさせられること」が許せないだけなんだろうとも思います。
テレワークやってる奴らとかマジで仕事舐めてんだろ
俺なんてくっさいゴミ回収の仕事して
年収たった200万円台やぞ
ゴミの回収は、無かったらお前らだけじゃなく
お前以外の皆全員が困るが、お前らがやってるテレワークなんて
なくてもお前らやお前の身内以外誰も困らんわボケ
https://anond.hatelabo.jp/20210820160050
こういう声もどんどんでてくるかもしれないね。
よくネトフェミさんたちがダブスタぶりを責められてるけど、私たちだって考え無しに「上の立場の者を一切の留保無しに殴ってよい」みたいなことを言いだすと、こうやって下からの突き上げに対して何も言えなくなるよ。
すっかり反社に近いレベルまで嫌われるようになったネトフェミさんたちの現状からよくよく学んで、このあたりの立ち回りは慎重に考えた方がいいと思います。
ネットって怒りをぶちまけるには便利なんだけれど、それは誰かを攻撃するためにしか使われなくて、社会制度を変える方向に機能することがあんまりないよね……なんでだろうね。
余談。どうでもいいけど、上の増田のこの部分、ちょっと無惨様っぽいなと思った。
チケットの払い戻しも行われているし、ライブ中継もされるのだ。家で騒げばよいだろう。
生で観るからこその価値があることは分かるが確実に今じゃない。