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セックスワークの合法化・違法化に関しては、諸外国の取り組み事例とその結果を参考にするところがスタートライン

アクセス数を見るにどうやら需要が全くないようなのでこの手の記事は今回でいったん終了とする。明日からはまたマンガとかアニメ紹介します。


なんか今セックスワークの合法化について議論が行われているみたいだけれど。少なくとも議論のスタートラインに立つためには「①先行している海外の事例を参考にする」ことと、「②日本のセックスワークの現場を正しく理解する」ことの二点が必要だと思ったので、とりあえずネットで簡単に調べてみた。

②についてはネットの情報だけでは何とも言えないので、私はこの件については踏み込んだ意見を述べるのは自重するが、

簡単に調べてみた感じだと、少なくともこの件に関しては日本の議論はめちゃくちゃ遅れていると感じる。「少なくとも違法化によって問題が解決することはない」ことは明らかなので「合法化を前提としていかにセックスワーカーを守るか」を考えるしかないと感じる。

これ痴漢対策やいじめ対策の話と同じで、はてブだとすぐお得意の道徳論でお茶を濁されガチなんだけど、道徳でどうにかなる話じゃないよ。社会としての成熟度がもろに問われる話だと思う。

www.tyoshiki.com
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①先行している海外の事例を参考にするについて

cruel.org

八年前に、オランダが売春を合法化した。政治家たちは、古来からの政治的ジレンマ――強要、暴力、感染症といったセックス取引の悪い面を制限しつつ、国の役割を現実的な範囲に抑えるという問題が解決できると思っていた。合法化すれば、各種犯罪との関わりも減る。売春はただの自由な商取引となり、国は通常の所轄と徴税だけする。警察は、合意のもとで自由な取引をする人々に嫌がらせをするのではなく、本当の犯罪者たちに専念できるはずだった。同時期にスウェーデンは別のやり方を採った。一九九九年から、スウェーデンは売春の客のほうを罰するようにした。そして売春する側は、被害者として扱うようになった。だが現実には、どちらも万能薬ではなかった。どちらも売春婦たちを搾取や暴力から守りつつ国の役割を抑えることもできなかった。

詳細は実際に読んでほしいのだけれど

・売春街が観光名所になっているアムステルダムの警官たちによれば、売春婦の半分は無理矢理働かされているという。

・スウェーデンのセックスワーカー組合によると、この規制のために商売が地下に潜るようになり、危険は高まったという。ノルウェーの報告では、スウェーデン人売春婦は以前より「攻撃される危険が高まった」

と悲惨な結果になったとされており、単なる合法化や買春禁止だけでは問題が解決しないどころかむしろ悪化させるということが語られている。


現在明確に売春が合法化され、国家によって管理されているのはオランダ、ドイツ、ハンガリーなど

現在ではこうした問題の改善のため国家による管理が強化され、さらに貧困から売春婦になる人達を救うための仕組みも進められているらしい。

ampmedia.jp

売春者のための労働条件や人身売買に関する相談窓口があり、自治体ごとに「脱出プログラム」も用意され、売春を止めて他の職に就きたい人は相談の上研修などを受けられる。

現時点で自治体ごと・サービス内容ごとの登録制であるセックスワークの営業許可を中央政府一括のライセンス制に切り替える、最低年齢を現在の18歳から21歳に引き上げる、事業主は固定電話と固定住所の所持や人身売買に関係する犯罪歴がないことなどの条件を満たすことが必要になる、などが主な内容だ。

自身の意思で性行為によって経済的利益を得ようとする者だけが売春者としての仕事を得ること、また彼らに安全な職場環境を整えることに特化し、搾取・強制に対する罰則をさらに厳格化する方向性を示している。昼間から強面のボディガードがウロウロしている。ツアー客は行儀よく並んで見学し、窓の中のセックスワーカーたちに会釈している。当時一般化しつつあったSNSの影響で「撮影お断り」の張り紙が至る所にあり、彼女らに向かってカメラやスマホをかざした観光客はボディガードや周りの人に「プライバシーを尊重しろ!」と怒られている


www.sankei.com

博物館は、売春婦たちがどんな生活をし、どうやって働くかを学んでもらうのが狙いだ。中に入ると、下着姿の売春婦の3次元映像が出迎える。また、売春婦たちが家族と過ごす日常生活の様子などの映像が見られるほか、ファッションや仕事に対する姿勢などの歴史を学べる展示もある。

「自分でこの職を選んだ」と言っているセックスワーカーのうち、「他に選択肢がない」と感じている人や、自尊心に問題のある人は決して少なくないという指摘も多い。しかし社会的に職業として認知されていることで守られる安全とプライドは大きそうだ

私は関西にいたころはよく友達と集まる焼き肉屋の近くに「飛田新地」があったので連れだって通りを歩くということが何度かあった(使用したことはないので内情は詳しくは知らない)。

あそこはヤクザさんたちによってガチガチに管理されており、「少なくとも客からは」完全に守られていた。女性たちに野次を飛ばしたりこっそり写真を撮ろうものならすぐに怖いお兄さんたちがやってくる。あそこで女性に乱暴をするやつがいたら普通に生きて帰れないだろう。ヤクザさんの場合は、ヤクザさん自身が女性を守っているかが不安になるが、国家が「女性を守るために」売春を管理するという場合、警察や国家が信用できる状態ならば現状よりはるかに女性の安全度は上がるのではないだろうか。



www.bbc.com
しかも、合法化されたら話は終わりかというとそうではなく、きちんと批判は続いており「女性従事者を守ること」と「オーバーツーリズム(観光客の過剰な増加により地元コミュニティに様々な問題が生じる現象)への対応」の綱引きという形で議論が行われている。 出羽守みたいなことを言ってしまうが、日本のネットで見られるような幼稚な議論と違って、リベラリズムが敬意をもって支持されている国は明らかに議論のレベルが高いなと感じる。


②日本のセックスワークの現場を正しく理解する

こちらについては北原みのり氏らは一定の理解があると思われる。

確かに北原氏が理事を務めるPAPSの活動は「過払い金取り戻しに特化したアディーレ法律事務所」や「ブラック労働対策に特化したNPOのPOSSEや労働ユニオン」「退職代行業者」のようなものである。業界の問題点を指摘するという点では非常に重要な役割を果たしている。

www.paps.jp
www.amnesty.or.jp

だから彼ら彼女らが従事者の保護や救済のために自分たちの観測範囲から提案をすることはとても重要なことだ。とても大事な仕事をされていると思っている。一方でセックスワーク全体の問題に対する知見があるとはいいがたい。実際にすでにいくつかの点で現状認識がおかしいと指摘が入っている。



北原みのり氏ら「AV新法に反対します」メンバーが強硬に反対している理由は、彼女たちが「従軍慰安婦」問題を扱っている「希望のたね」基金の理事でもあるという要素が大きいのはないか

今回AV新法に反対して性行為の撮影そのものを禁止せよと訴えている方々は、共産党関係者と従軍慰安婦問題を取り扱っている「希望のたね」基金の関係者が非常に多い気がする。

だとすると、これはただの憶測なのだが、北原みのり氏らは絶対に「AVや売春について、国家による管理によって女性の安全性は向上する可能性がある」という話は認められないのではないか。

なぜかというと、それを認めることは「従軍慰安婦は絶対的な被害者である」として賠償を求めていく活動方針とバッティングするからだ。正直私は従軍慰安婦問題については、当時の日本軍が女性を守るためにやったこととは特に思っていないので前提から違っており別々に議論すればいいと思うのだがこれを人つなぎで考えると確かに認めることはできないだろうなと思う。

ともかく「国家による管理売春は良い面もある」ということは北原みのり氏には絶対に認められないのだろう。だから強硬に反対し続けなければいけない。しかしそれを表に出すわけにもいかないから「暴力描写や殺人は実際にやらず演技ですませているのに、なぜセックスだけ実際にやらなければいけないのか。そもそもセックスの撮影は違法だ」という理屈を語っている。

しかしそれは嘘である点はすでに示されている。
www.tyoshiki.com
現在でも「労働者派遣法」で対処していることから、あくまで現行の運用で問題とされているのは「望まぬ行為の強要」である。

参考1:売春の合法化で、様々な問題を解決することに成功したといわれているニュージーランド

各種の動きを売春婦の視点から評価した報告が、まったく予想外の場所から発表され、ニュージーランドの制度がいちばんいいという評価を下している。イギリス女性連合――通常はお料理レシピの交換などが主要活動だ――からのおばあちゃん二人が、オランダ、アメリカ、ニュージーランドの売春宿を視察してまわったのだ。最高の評価を得たのは、ニュージーランド首都郊外にある、何の変哲もない家だ

www.tyoshiki.com
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参考2:台湾の事例について

要氏の意見だけだと信用していいのか不安だったので調べてみたが、おおむね間違いないようだ。

台湾では社会秩序保護法で、買春は罰せられずに、もてなす側の売春のみが違法とされてきた。

スウェーデン方式ですね。


https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/12/post-1841.php
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=5043&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1

carlos-hassan.com

www.j-cast.com


なんでもそうだけど、せっかく意見を述べるなら、その機会にいろいろ調べたほうが、表面的にでもいろいろわかって楽しいと思う。そのうえで、さらに興味が湧いたら本読んだり実際に現場に近づいていく努力が必要になるんだろうな。で、そういうことやってる人たちが述べる意見こそ尊重すべきだと思う。