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自分の不注意に関してはADHDのせいだとしてしょうがないものとする。その一方で、自分の能力の範囲内では、意志と責任を引き受けた方が良い。というのは、ゲームに真面目に参加している他の人間と齟齬が生まれるからだ。この増田が良い例である。増田の彼女はゲームを降りすぎており、その問題に気付いていない。彼女は自分のことを「単なる自然現象だと見てくれ」と言っているのだ。自然現象と人間はうまく関係できるわけがない。
これなあ……もうほんとにほんとにごもっともだとは思うんだけれど、これ本人がその気になればその境目を把握できる前提だと思うんですよね。
実際のところは、発達障害者は、本人であってもどこまでが障害でどこまでが自分のせいかって全然わからないですよ。言い訳してるように聞こえるかもしれないけど本当にそうなんです……。
しかも、頑張って把握しようとすると、「この部分は自分では努力してもどうにもならない」という現実と向き合わざるをえないのでガリガリ自尊心が削れていきます。
その結果、自殺せずに生きるためには曖昧にして開き直らざるを得なくなった人という人が結構います。
増田の彼女はゲームを降りすぎており、その問題に気付いていない。彼女は自分のことを「単なる自然現象だと見てくれ」と言っているのだ。自然現象と人間はうまく関係できるわけがない。
それを他人から見たらこういう風に解釈されてしまうというのは、仕方ないのかなあ・・・
しかしなあ……よくもまぁこんな安易に人を否定できるなあこの増田の人。
私は基本的に「発達障害者は定型の人に甘えるべきではない & 関係の初めは差別的な扱いも受け入れるべき」という立場であり、過去にそういう記事も書いてきたけれど、この増田はさすがに胸糞悪いっすわ……。
kkcibo 手帳取って、薬飲んで、何年も訓練して、最低賃金で働いて、やっとそのゲームに上がれると喜ぶのが俺たち当事者の世界なんだが、それでも「降りて」ると見られる悔しさはお前らには分からんだろう
and_hyphen この言語化絶賛されてるけど当事者の自分からすると「なに言ってんの…」となってしまうのも発達障害だからなのだろうか。そんな風に「降りる」ことができるとでも?と思ってしまった。
正直この問題は難しすぎて私ごときでは答えはわからない。ただし、少なくとも、「謝罪できない」についてはある程度解決できるよ、という話をしたいと思います。
- 「そもそも自分が謝るようなことをしているという自覚がない」 & 「自分がどうであれ相手は怒ってるときに謝ったほうが良いということが理解できない」のコンボが本当にきつい。
- ちなみにこれは「発達障害の人はこうなりやすい」という話であって発達障害じゃなくてもこうなる人はいます。そう考えると「どこからが発達障害でどこからが違うか」って判断するのがどれだけ難しいかわかると思います
- 私も大学卒業するまではずっと「自尊心低すぎて他責思考になり謝れない問題」のせいでまじで生きるのがしんどくてしんどくて仕方なかったけれど、「謝る」ということを訓練可能なスキルとして認識するようになってからは生きるのがかなり楽になった、と思う
- 自分で察することができないのだから、なおさら怒ってもらいやすくするしかない。そのために「謝る」スキルはしっかり持っておきたい
「そもそも自分が謝るようなことをしているという自覚がない」 & 「自分がどうであれ相手は怒ってるときに謝ったほうが良いということが理解できない」のコンボが本当にきつい。
「発達障害者の人がなかなか謝らない問題」については過去に何度か触れたことがありますが当事者としてはかなり深刻なやつです。
・周囲の人間を困らせまくって嫌われてるのに、自分では頑張ってて評価されてると思ってしまう。
・自分がどうして嫌われているのかもわからないから、責められても理解できず「言い訳」をしてしまう
・嫌われたときに、傷ついたという自分の感情でメモリがいっぱいになってしまう
https://www.tyoshiki.com/entry/2022/10/26/084839
なんで謝らないのか。
答えは簡単です。
たとえ周りからしたら明らかに問題のある行為をしていたとしても、本人としては「自分は何も悪いことをしていない」という意識のときが多いんですよ。
これは「認知」の問題と「無力感→他責感情」の問題の2つが絡み合ってます。
1:認知の問題=そもそも悪いことをしたということが自覚できない。
こちらは説明が難し良いので「僕の妻は発達障害」を読んでください。ほんとにわかりやすく描いてくれてます。自分は「そうそうこんな感じ」ってなりました。
2:無力感をこじらせて他責状態になっている問題
この記事で強調しておきたいのはこちらです。
とにかく「そもそも何が問題か」がわからないと「反省」ができないんですよ。
反省って問題を認識して、次からはやらないように気をつけるってことじゃないですか。
でも、自分では頑張っても問題を認識できない。
その結果、自分なりには真面目にやってるのに怒られるというのが何度も何度も繰り返されます。
そうするとどうなると思います?
よくわからないけれど自己否定だけ積み重なって、自尊心がガリガリ削られていきます。
そして、それが一定のレベルまで来るとどうなると思います?
「自分で考えるのをやめる」ことにして、「指示を待つ」ようになります。
このときに大事なのは、こうの状態になった人は「うまくいかなくても全部他人のせい」って思ってしまっているということです。
「だってしょうがないじゃない。わからないんだもん。
自分で考えて行動したらひたすらダメ出しされるなら言われたとおりにやるしか無いじゃない。
言われたから自分では判断せずにそのとおりやろうとしてみました。
私は言われたとおりにやろうとしたんだから、できなかったら指示をした人が悪いじゃん!」
というわけです。
これどっかで見たことあるって思った人、そうですね。以前に紹介した「Bさん」ですね。
他にも、自分の過失を認められない、謝罪ができない、フォローに対するお礼ができない、責任転嫁がひどい。
どう考えてもBさんのミスが原因で起こったトラブルでもなぜか自分のせいと認めず、謝罪しない。
仕方ないから俺がなんとかフォローして関係者に頭さげてまわっても、俺に対する礼はなし。
支離滅裂な言い訳ばかりして、隙あらば他人に責任を擦り付けるようなことを言う。
他人から見たら「卑屈な態度でヘコヘコしてるくせに、やらかしたときに謝らない(言い訳はする)し、何度おなじことを注意されても直さない」というモンスター社員に見えると思う。
でもね、逆なんです。
本人は傲慢なんじゃなくて、自尊心が低くなりすぎて地面に埋まっちゃってるんですよ。多分。
過度に卑屈になった人間って、逆にめちゃくちゃ傲慢に見えるんですよ。不思議ですよね。
ちなみにこれは「発達障害の人はこうなりやすい」という話であって発達障害じゃなくてもこうなる人はいます。そう考えると「どこからが発達障害でどこからが違うか」って判断するのがどれだけ難しいかわかると思います
たとえば、この動画に出てくる「中田B」さんって人
twitcasting.tv
この人は多分発達障害者じゃないですけど、発達障害者と類似した受け答えをしていて、見ていて心が痛くなりました。
動画を見てもらったらわかると思いますが
・その場しのぎの嘘を平気でつく
・約束を破っても「言わされただけだから責任は取りたくない」と言う
・自分がやった行為についても他人事のように言う
などやばい要素がてんこ盛りです。
こういう人を見ると信じられないと思うかもしれませんが、そう思える人は自尊心が高いのでしょう。
一方で、自尊心が下がりまくってると、目先のストレスに耐えきれなくなってしまい、その場を凌ぐために嘘をつくようになり
しかもそれがもう日常になってしまうので罪悪感とかいつのまにかどっかに言ってしまうようになります。
発達障害の人はだいたい二次障害で自尊心が削られまくっているので、こういうタイプの「それを言って何の得が?」みたいな嘘を、その場に合わせるためだけにやらかしがちなのは確かですが
繰り返しになりますが、上の人は(多分)発達障害じゃないけれど同じようなことをやってるわけです。
こうなってくるとどこが境界線かわからなくなってきませんか?
「発達障害の特性」と「発達障害じゃないけれど自尊心が削られてる人の特性」の区別ってとてもむずかしいと思いませんか?
発達障害に関して、こういう境界が曖昧な部分がいたるところにあって、本人だってどこまでが発達障害が原因のものなのかはわからないということだけは理解してほしい……
私も大学卒業するまではずっと「自尊心低すぎて他責思考になり謝れない問題」のせいでまじで生きるのがしんどくてしんどくて仕方なかったけれど、「謝る」ということを訓練可能なスキルとして認識するようになってからは生きるのがかなり楽になった、と思う
こういう負のスパイラルを解決するためにはどうすれば良いのか。
いろんな正解があると思いますが、私にとっての正解は、「謝れるようになること」でした。
私以外にもそういう体験をしている人がはてブにもいらっしゃいますね。
id:testUSR 手帳持ちASD/ADHDだが、訓練により「ありがとう/ごめんなさい」の自動発語を習得した。こちらの感情など、ない。あるものか。
それを言わないことによる相手の不快さを避けるためだけの儀礼と割り切っている。id:mlty 全く同じ経験をした発達障害側。同じく言い返したり取り繕う癖がある。
「人を傷つけてしまった時はまずごめんと謝って、それでいいんだよ」と恋人に言われて初めて気付いた。
落ち着いてる時にストレートに伝えてみてid:mikuti2 ASDの友人は、ミスは指摘したら謝ってくれる人だった。
「自分が気づかなくても指摘されたら謝れる」というスキルは後天的に身につけていた。
ASD側のミスを許し続ける人生になるので、相手にその歩み寄りがないと難しい
同じような体験をしている人がいるととても心強い。私も同じです。
まずは「謝る」という行為は純粋なスキルと割り切って、「謝る」というのはどういうことかを考えて、何度も練習してまずは機械的に謝れるようになった。
最初の頃は何が悪いのかわからないから本心では申し訳ないという気持ちはまったくなかった。
それから、山田ズーニーさんの書かれた以下の2冊の本を読んで「謝るという行為」がどういう要素で構成されていて、どういうプロセスで行われているのを知った。
これが私の人生にとってすごくプラスに働いたと今でも思う。