頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

共和党の有力議員が関税の問題ではトランプに反対。「新たな関税が発表されてから60日以内に議会が承認の共同決議を可決しなければ関税が失効する法案」を提出してる

www.youtube.com

https://thehill.com/homenews/senate/5231308-cruz-high-tariffs-in-perpetuity-would-not-be-good-economic-policy/

クルーズ:高関税が「永続的」に続くのは良い経済政策ではない

テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員(共和党)はトランプ大統領が貿易相手国に課す関税が数カ月間続くと、経済やアメリカの消費者に悪影響を及ぼすと警告した。

「高関税が永続的に続くと考えるのは間違いだと思う。それは良い経済政策ではない。私は関税のファンではない」と、クルーズはフォックスビジネスの司会者ラリー・クドローに対し語った。

クルーズは「今後1~3カ月の間に何が起こるかで結果が分かる」と述べた。

彼は、トランプの強硬な通商政策が成功する可能性があるとしながらも、それがアメリカ経済に裏目に出る可能性もあると警告した。

「昨日の発表の結果として、世界中の多くの貿易相手国がアメリカの商品やサービスにかける関税を大幅に引き下げ、その結果として米国政府が昨日発表した関税を大幅に削減するなら、それは素晴らしい結果だ。それはアメリカにとって良いことだ」と彼は述べた。

「もしその結果、貿易相手国が関税を引き上げ、どこでも高関税が続くことになれば、それはアメリカにとって悪い結果だと思う。関税は消費者への税金であり、私はアメリカの消費者の税金を引き上げることに賛成ではない」と彼は付け加えた。

「私の希望は、これらの関税が短期間で終わり、世界中で関税を下げるためのてこ入れとして機能することだ」と彼は語った。

クルーズの発言は、トランプが世界各国に対して報復関税を課すと発表したこと——欧州連合からの輸入に20%、日本からの商品に24%、韓国からの輸入に32%の関税を課す——に対する、議会内で高まりつつある懸念を反映している。

アイオワ州選出のチャック・グラスリー上院議員(共和党)は、上院財政委員会の重鎮として木曜日、新たな関税が発表されてから60日以内に議会が承認の共同決議を可決しなければ関税が失効する法案を提出した。

https://www.grassley.senate.gov/news/news-releases/grassley-cantwell-introduce-bill-to-restore-congress-constitutional-role-in-trade
https://www.reuters.com/world/us/us-senate-republican-pushes-congressional-approval-presidents-tariffs-2025-04-03/

共和党の4議員がトランプ政権の関税を撤回する決議案に賛成

メイン州のスーザン・コリンズ、アラスカ州のリサ・マーカウスキー、ケンタッキー州のミッチ・マコーネル、ケンタッキー州のランド・ポールの4人の共和党上院議員は水曜日、カナダに対する25%の関税と、カナダからのエネルギー輸入に対するトランプ政権の10%の関税を撤回する決議案に賛成票を投じた。

www.bbc.com
www.youtube.com



ニュースの解説


今回の関税政策に関する発言も、トランプの強硬な通商政策に賛同しつつも、その長期的な影響に懸念を示すことで、党内でのバランスを取ろうとしている。
クルーズはトランプの支持基盤である保守派に訴えかけつつも
経済的現実主義を重視する共和党内の穏健派やビジネス寄りの議員とも連携を図る、戦略的なポジションを取っていると考えられる。

トランプ大統領が打ち出した大胆な関税政策に対する共和党内部の反応と、テッド・クルーズの立ち位置を浮き彫りにしています。

クルーズは、トランプの通商政策を完全に否定するのではなく、短期的な交渉手段としての有効性を認めつつ、長期的な高関税が経済に悪影響を及ぼすと警告しています。

これは、自由市場を重視する共和党の伝統的な立場と、トランプの保護主義的なアプローチとの間で板挟みになっている党内の一部の声を代弁するものです。

クルーズのコメントからは、関税が貿易相手国との交渉における「てこ」として機能し
他国がアメリカ製品への関税を下げる引き換えにアメリカも関税を緩和するシナリオを理想とすることがうかがえます。

一方で、関税がエスカレートし、世界的な貿易戦争に発展すれば、消費者物価の上昇や経済成長の停滞を招くリスクを彼は懸念しています。

記事後半では、共和党内の他の動きも紹介されています。チャック・グラスリー議員の法案は、トランプの大統領権限による関税発動に議会のチェックを入れる試みであり、党内で高まる懸念の表れです。

また、カナダへの関税に反対する決議に賛成した4人の共和党上院議員の存在は、トランプの政策に対する党内の一枚岩ではない姿勢を示しています。
特に、ミッチ・マコーネルやランド・ポールのような有力議員が反対に回ることは、トランプの通商戦略が党内で完全に支持されていないことを意味します。



有力議員1:テッド・クルーズについて(2016年トランプと指名争いをした。現在ではトランプの熱烈な支持者だったが関税の件では反対)

テッド・クルーズは、共和党上院議員としてトランプ政権やその政策に対して一定の影響力を持つ存在です。2016年の大統領選ではトランプと共和党候補の指名を争ったライバルでありながら、その後はトランプの政策を支持する場面も多く見られました。しかし、彼は常にトランプのイデオロギーに盲目的に従うわけではなく、経済政策や自由貿易の観点から独自の見解を示すことがあります。今回の関税政策に関する発言も、トランプの強硬な通商政策に賛同しつつも、その長期的な影響に懸念を示すことで、党内でのバランスを取ろうとする姿勢を反映しています。クルーズはトランプの支持基盤である保守派に訴えかけつつも、経済的現実主義を重視する共和党内の穏健派やビジネス寄りの議員とも連携を図る、戦略的なポジションを取っていると言えます。


有力議員2:ミッチ・マコーネルについて(共和党上院議員の指導者。ただし引退間近)


アメリカ合衆国の政治家で、共和党に所属するケンタッキー州選出の上院議員です。1984年に初当選して以来、上院議員として長きにわたり活動し、特に上院共和党指導者(Senate Republican Leader)としての役割で知られています。彼は2007年から2025年現在に至るまで、共和党の上院院内総務(Majority LeaderまたはMinority Leader、状況に応じて)を務めており、アメリカ政治における重要な影響力を持つ人物です。

上院は法案成立や人事承認に不可欠な機関であり、マコーネルはその議事運営を事実上コントロールしてきました。例えば、2016年にオバマ大統領が最高裁判事候補を指名した際、マコーネルは審議を拒否し、トランプ政権下での保守派任命につなげました。このような権力行使は、彼が「上院の影の大統領」と呼ばれる理由です。マコーネルは党内をまとめる能力に長けており、トランプのようなポピュリストと伝統的共和党員の間の橋渡し役を担ってきました。しかし、2025年4月のカナダ関税撤回決議への賛成など、トランプと対立する場面も増えており、彼の影響力が党内の分裂を映し出すこともあります。

長期的な影響:彼の在職期間(40年以上)と司法・立法への貢献は、アメリカの保守政治に深い痕跡を残しています。特に最高裁の保守化は、彼の最大の遺産と見なされ、今後数世代にわたる政策に影響を与えるでしょう。2025年4月5日時点で、マコーネルは83歳と高齢ながら依然として上院共和党のリーダーです。しかし、健康問題(2023年に転倒事故で注目された)や党内での世代交代圧力もあり、彼の引退や後継者問題が議論されています。それでも、カナダ関税反対決議への賛成に見られるように、トランプの通商政策に異議を唱える姿勢は、彼が単なる追随者ではなく独自の判断を持つ指導者であることを示しています。

有力議員3:ランド・ポールについて(共和党を指示するリバタリアンたちのリーダー的存在)

米国リバタリアンの象徴であったロン・ポールの息子。

党内影響力: トランプのMAGA(Make America Great Again)派とリバタリアン派の橋渡し役として機能する一方、関税や介入主義で対立。2025年4月のカナダ関税撤回決議への賛成(マコーネルらと共同)は、党内の亀裂を示す。
国民への訴求: 3期連続当選(2010, 2016, 202 Angstroms: Xで約340万フォロワーを持つソーシャルメディアでの存在感は大きい。

共和党内のリバタリアン派を代表し、イーロン・マスクやピーター・ティールといったテック系リバタリアンから支持を受ける。2024年、マスクはマコーネル後任としてポールを上院院内総務に推す発言をXで表明。

父ロン・ポールの影響を受け、政府の規模縮小、減税、自由市場を強く主張。監視国家や軍事介入にも批判的で、2025年2月のトランプの「ガザ占領」発言に対し「アメリカ第一を掲げたはずなのに、また占領を考えるのか」とXで批判したことが話題に。

2016年大統領選では当初トランプに反対したが、指名後は支持に回り、初任期中の弾劾裁判で擁護。しかし、トランプの関税政策(例: カナダへの25%関税)には反対し、2025年4月に「関税は消費者への税金」と警告。トランプから名指しで批判されるも、党内での立場を維持。


有力議員4:チャック・グラズリーについて(農家票をとりまとめる存在)

アメリカ合衆国の政治家で、共和党に所属するアイオワ州選出の上院議員です。1981年以来上院議員を務めており、2025年現在、アイオワ州史上最も長く在職する上院議員として知られています。
自由貿易を支持しつつ、トランプの関税政策には慎重。2025年4月、「通商審査彼此法案(Trade Review Act)」をマリア・カントウェル上院議員と共同提出し、大統領の関税権限を議会承認(60日以内)に委ねる提案で注目。財政責任を重視し、連邦予算の無駄遣い削減を長年主張。
司法の政治化を防ぐため、連邦判事による全国的差し止め命令を制限する法案を2025年に提出。連邦捜査局(FBI)や司法省の監督強化を推進。
トランプ支持者(MAGA派)と伝統的共和党員の間を調整しつつ、独自の立場を維持。カナダ関税撤回決議(2025年4月)に賛成し、トランプと対立する場面も。