頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

「ホルムズ海峡封鎖の歴史」を振り返って、ホルムズ海峡封鎖の可能性はめちゃくちゃ低いということを理解しておくための記事

皆さん、ニュースで「ホルムズ海峡」という言葉、よく耳にしませんか?中東で緊張が高まるたびに、「イランが海峡を封鎖するかもしれない」という話が必ず出てきます。

でも、もし本当に封鎖されたら、一体どうなるんでしょうか?

私たちの生活に欠かせないガソリンや電気の値段が、とんでもないことになるかもしれません。

警戒する声が大きくなっていますね。



この記事ではこのホルムズ海峡の封鎖問題について、

「本当に封鎖は可能なのか?」「もし起きたら世界はどうなるのか?」について

歴史を振り返りながらチェックしてみましょう。

1.ホルムズ海峡の戦略的重要性

この、ペルシャ湾の出口にある、非常に狭い海峡が「ホルムズ海峡」です。
幅は最も狭いところで約40kmしかありません。


この海峡がなぜ重要かというと、世界の石油輸送の「大動脈」だからです。


なんと、世界で取引される石油の約20%、毎日約1,800万バレルもの量が、この狭い海峡を通過しています。

これは日本の1日の石油消費量の約5倍に相当する量です。まさに、世界のエネルギーの心臓部と言っても過言ではありません。


そして、この海峡の航路は、イランとオマーンの領海に挟まれています。

船が通れるルートは、上りと下りでそれぞれ幅10kmほどしかない、非常に限られたエリアなんです。


この地理的な条件を最大限に利用しているのが、イランです。


イランは、イスラエルとの対立が深まったり、欧米から経済制裁を受けたりするたびに、

「いざとなったらホルムズ海峡を封鎖するぞ」と示唆してきました。

イランにとって、国際社会に対する強力な「外交カード」であり、「対外抑止の切り札」なんですね。




まとめると、ホルムズ海峡は世界の経済を支える超重要なルートであり、
今回もイランはその場所を握っていることを武器に、国際社会と渡り合おうとしている、ということです。




2. 海峡封鎖の具体的手段とイランの実行能力

では、イランが本気で海峡を封鎖するとしたら、一体どんな手を使うのでしょうか?

そして、それは現実的に可能なのでしょうか?

ここでは、過去の事例も参考にしながら、
具体的な封鎖方法と、イランの実行能力を見ていきましょう。







イランが取りうると考えられる封鎖の選択肢は、大きく分けて4つあります。

1️⃣まず一つ目、最も現実的と言われているのが「機雷による封鎖」です。
機雷とは、水中に設置する爆弾、いわば「海の地雷」ですね。イランは数千発もの機雷を保有していると言われ、小型ボートや潜水艦を使って、短時間で数百発の機雷を航路にばら撒く能力があります。タンカーからすれば、どこに爆弾があるか分からない海域を進むのは、恐怖以外の何物でもありません。


しかし、これには限界もあります。大規模な機雷の敷設はレーダーなどで探知されやすく、実行した瞬間にアメリカなどによる掃海作戦と、イランへの軍事的な反撃が始まる可能性が高いです。また、自国や友好国の船まで危険にさらす諸刃の剣でもあります。


2️⃣二つ目は、「艦艇による航路封鎖」です。
イランの革命防衛隊は、たくさんの高速ボートを持っています。これらの小型ボートの群れで、巨大なタンカーを取り囲んで進路を妨害したり、威嚇射撃をしたりする、いわば「海の嫌がらせ作戦」です。
これも短期的には混乱を引き起こせますが、アメリカの巨大な軍艦や同盟国の海軍と真っ向から対峙すれば、イラン側はあっという間に壊滅的な被害を受けるでしょう。長期間の維持は不可能です。


3️⃣三つ目は、「海上検問」です。
イランが「この海峡を通る船はすべて臨検する!」と宣言し、タンカーを拿捕するシナリオです。実際に過去、イランは外国のタンカーを拿捕したことがあります。
しかし、毎日何十隻も通過する船をすべて検査するのは物理的に不可能です。一部の船を止めることはできても、海峡全体の交通を止める「封鎖」とまでは言えません。


4️⃣そして四つ目、最も強力なのが「対艦ミサイルによる威嚇」です。
イランはホルムズ海峡沿岸に、射程200kmを超えるような対艦ミサイルを多数配備しています。ここから海峡を通過する船に照準を合わせ続けることで、「撃たれたくなければ通るな」と脅し、事実上の封鎖状態を作ることは理論上可能です。
しかし、これは「究極の選択」です。もし実際にミサイルが発射され、特にアメリカの船に被害が出れば、それは「完全な戦争行為」とみなされます。即座にアメリカや有志連合による大規模な空爆で、ミサイル基地は破壊されるでしょう。イランの体制そのものが崩壊しかねない、あまりにも危険な賭けです。



結論として、イランには封鎖する「手段」は複数ありますが、どれも大きなリスクを伴い、持続性に乏しい。交渉のカードとしては強力ですが、実際に使えば自らを滅ぼしかねない「危険な切り札」だと言えそうです。





3. 国際的反応と軍事的反撃リスク

もしイランが、その「危険な切り札」を切ってしまったら・・・

世界は一体どう反応するのでしょうか?

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