頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

疾風の勇人1巻 

「GHQが何の略か教えてやる!」


ボリュームが多いので、1巻ずつちまちまと読んでいきます。


物語のあらすじ

物語は1947年、終戦から2年後の日本から始まります。

GHQによる占領が続く中、大蔵省次官の池田勇人が復興財源の確保に奔走しています。そこに現れたのが、戦後の混乱を収拾するため、GHQからの独立を掲げる吉田茂でした。池田は吉田の思想に共鳴し、日本の独立という壮大な目標のため、彼と行動を共にすることを決意します。こうして、日本再建を志す熱き男たちの物語が幕を開けます。登場人物たちは、それぞれが個性的なキャラクターとしてデフォルメされつつも、史実に基づいた政治的な駆け引きや人間関係がダイナミックに描かれていくのがこの作品の大きな魅力です。

登場人物

池田 勇人(いけだ はやと)
物語の主人公。戦後の混乱期、焼け野原の日本で復興の財源をかき集める大蔵省次官として登場します。広島弁を話し、強面で一見するとヤクザのような風貌ですが、非常に現実的で実行力のある人物として描かれています。「税金の鬼」という異名を持つほど、徹底した財政再建を掲げています。
役割: GHQに占領された日本を独立させるため、吉田茂と行動を共にすることを決意。日本の経済復興と独立を成し遂げるための重要なキーパーソンとなります。


佐藤 栄作(さとう えいさく)
主人公の池田勇人の高校時代からの旧友として、物語の序盤から登場します。

人物像:当時、運輸省の次官を務めており、池田勇人と同じく官僚として戦後の日本を支える存在です。池田が「税金の鬼」と呼ばれるように、彼もまた「鉄道の鬼」と呼ばれ、運輸行政のプロフェッショナルとして描かれています。性格は、酒豪の池田とは対照的に下戸で、落ち着いたクールな人物として描写されることが多いです。史実では岸信介の実弟であり、その血筋を感じさせる切れ者ぶりと、後の政治家としての風格がすでに感じられます。
役割:池田勇人と共に、吉田茂にその才能を見出され、政治家への転身を勧められます。官僚時代は池田と協力関係にありますが、政治の世界に足を踏み入れてからは、吉田茂の後継者争いを巡って池田とはライバル関係となっていきます。政治家としての手腕は非常に高く、物語の中盤以降は池田との間で派閥工作や金権選挙を巡る激しい攻防が描かれることになります。


田中角栄(たなかかくえい)
新潟県選出の衆議院議員で、作中では若手の実力者として登場します。当初は民主党に所属していましたが、党内の対立を機に離党し、吉田学校に入ります。官僚出身者が多い吉田学校の中でも異色の存在として描かれています。官僚出身者とは異なる視点から、吉田茂や池田勇人の政策を支える一方、独自の政治手腕を発揮します。
役割:高等小学校卒業という学歴ながら、土建業でのし上がった叩き上げの政治家として、官僚出身の池田勇人や佐藤栄作とは異なる「党人派」の思考を持っています。類まれな人心掌握術と抜群の行動力を持っており、人を惹きつける才能に長けています。物語の中では、昭電疑獄を暴くきっかけを作るなど、政治の裏側で暗躍する様子も描かれています。


吉田 茂(よしだ しげる)
日本の元外交官で、後に総理大臣となります。豪胆で傲岸不遜な性格。GHQの占領下で萎縮する日本国民に対し、「GHQを追い出し、日本を独立させる!」と豪語する、圧倒的な存在感を持っています。
役割: 終戦後の日本を立て直すため、志を同じくする若手政治家や官僚たちを束ね、「吉田学校」と呼ばれる一大勢力を築き上げます。池田勇人にとっては政治の師であり、共に日本の独立を目指す同志です。


白洲次郎(しらす じろう)
吉田茂の側近として登場し、GHQとの交渉役を務める重要なキャラクターです。倒的な存在感を放つダンディな英国紳士として描かれています。常にスーツを完璧に着こなし、パイプをくわえているのがトレードマークです。英語が堪能で、GHQの司令官であるマッカーサーに対しても一歩も引かない態度で交渉に臨みます。日本人でありながら「プリンシパル(原則)」を重んじ、日本の誇りを守ろうとする強い意志を持っています。
役割:吉田茂の右腕として、GHQとの難しい交渉の場に立ち、日本の国益を守るために奮闘します。GHQからの命令を、日本側の主張を加えて修正したり、時には強く反論したりすることで、日本の独立に向けた道を切り開いていきます。


大平 正芳(おおひら まさよし)
大蔵省の若手官僚で、池田勇人の部下。温和で穏やかな性格。池田勇人の豪放磊落さとは対照的な人物として描かれています。
役割: 池田勇人の側近として、彼の政策立案を補佐します。のちに池田内閣の主要メンバーとなり、「所得倍増計画」にも深く関わっていくことになります。

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