この夜が明けるまであと百万の祈り

発達障害者としての生き方によく悩んでます。いろいろあって今現在は教育系の出版社でつとめてます。普段は自分が好きなマンガの話してます

「学校教育の問題に関心あるけどまず何から読んだらいい?」という人に2冊だけ紹介しておきます

私のボロボロの記事にたいしてこれだけ多くの反応があるとは思いませんでした。なんか学校を擁護したいのか学校に問題があるのかどっちを言いたいのか自分でもよくわからなくて、いたずらに混乱させてしまったのではないかと申し訳なく思います。 特に、今から教師になろうと考えている人にいらぬ不安を与えてしまったように思います。


しかし、逆に言えばみなさん、学校教育には強く興味関心があるのだな、と思います。

もちろん学校教育は大事ですし「現場の人間じゃないやつは黙ってるしかないのかな」っていうとそんなことはないと思います。ただ、意見を言うのであれば、少しでもいいから実態を知って意見をしてもらったほうがお互いにとって幸福な結果になると思っています。

みんな、自分の見知っている範囲だけからの思い込みや実態とずれた前提でいくら意見を言い合っても話がすれ違うだけで、せっかくの関心が浪費されているというのは不幸なことだと思う。

「実態がよくわからないけどどういう情報を見たらいいの?」ってところで引っかかってる人にはちょっと古いですが次の2冊だけでも読んでみてほしいと思います。もちろんほかにもいろんな良書があります。

軽めに今の学校の問題知りたいという人はこちらの本をお勧めします

学校教育に関しては、一般の人向けには東洋経済のe選書「学校が壊れる」を一読されることをお勧めします。値段が安いし雑誌ベースなのでパパっと読み終わることができるので時間的にもお手軽です。1時間もあれば必要な情報は読み終われるでしょう。

学校が壊れる―週刊東洋経済eビジネス新書No.237

学校が壊れる―週刊東洋経済eビジネス新書No.237

  • 作者: 週刊東洋経済編集部
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2018/05/01
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
  • この商品を含むブログを見る

教員の異常な勤務実態
中学校の教員に重い負担 ブラック化する部活動
部活中が最多 いまだに消えない体罰
INTERVIEW 内田 良●名古屋大学准教授
(図解) 意外と知らない先生の仕事
東京都は選考枠拡大で対処 副校長の志望者不足が深刻
担任や部活動の顧問も 搾取される非正規教員
[教員の負担軽減策(1)] 夏休みを10日程度に 静岡県吉田町の挑戦
再編の波押し寄せる教員養成大学
国立付属校の入試は抽選に?
データで国際比較 日本の教育投資は最低レベル?
事前対策が当たり前に 迷走続く全国学力テスト
教員の多忙はこう解決せよ
INTERVIEW 藤原和博●奈良市立一条高校校長
誰のためにあるのか 揺らぐPTAの存在意義
[教員の負担軽減策(2)] 5年前から閉庁日設定 改革先行する横浜市
いじめはなぜ認定が難しいのか

ただでさえきつかったのに「教育改革」への対応による負担がえげつないことになってるんだよね……

感想記事も二つほど紹介しておきます。
学校が壊れる 教員の異常な勤務実態 | 神戸国語教育研究会カプスのブログ
壊れかけた学校と外から見た学校 - ならずものになろう

ベネッセ教育総合研究所の調査によると公立の小中学校の教員の勤務時間は11時間台、高校教員は10時間台となっています。ここに平日に自宅に持ち帰ってする仕事が1時間弱が加わります。睡眠時間は小中高校の教員のすべてで平均5時間台です。

https://berd.benesse.jp/shotouchutou/research/detail1.php?id=5080

教員の仕事は多岐にわたり増える一方です。

・授業や授業準備はもちろんのこと

・分掌(例えば教務、生活指導、総務、保健、広報など様々に渡ります)

・保護者や生徒との面談

・保護者会

・給食食育指導(小学校)

・清掃指導

・複数の部活顧問

・各種行事

・研修

・様々な会議

説明会・入試関係の業務(最近はここの負担が飛躍的に増大しています)

・会計などお金の管理

いろんなものがありますので先生一人が何役もの仕事をこなすことになります

こういう話をすると、教師なんてなるものじゃないって思う人も多いと思いますが、ようやくすこしずつ改善の傾向が見えてきてます。

現場の教員の人にはこちらの本がお勧めだと思います。

www.tyoshiki.com

現場の教師の人は、もう嫌というほど情報共有とか教育研修とかあるのはわかってます。忙しいなか時間を作って本を読んでおられる先生も多いのも知ってます。でも、机の上に置いてた本の傾向を見るに、教育法などのお話はたくさんあってもこの手の類の本だけは学校で読めないですよね?

学校に持っていける本という意味であれば、先の記事でも紹介した山本先生の本を参考にしてもらってもいいかなと。

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

もし次回、東洋経済あたりで教育問題の特集があったら、私もブログできっちり取り上げたいと思います。

もうとにかく教育の話って、課題が多すぎてきりがないし、説明が不足しているといろんな人からボコボコにたたかれてしまうので普段黙らざるを得ないってことが多いと思います。こういう問題が何とかならんものか、皆さんに自分の感覚を伝えるためにはどうしたらいいのかとかよく思います。(私の感覚が正しいとは限らないという葛藤があるので尚更悩みます)


たとえばこの4つのページはブックマークお勧めです。特に一番最後のやつは現状を概観できるので興味がある人はマストかと。

www.kyobun.co.jp

resemom.jp

www.mext.go.jp




後は蛇足程度の話です。また別の機会に詳しく書いていきたいと思います。


ああ、この記事ほんとに素晴らしい。私の記事じゃなくこういう記事がもっと読まれてほしい。
mazmot.hatenablog.com

あらゆるものを現状の学校に還元してしまうような発想、冒頭にあげた「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」のような発想では、学校はやがて立ちいかなくなる。学校にはどのような機能があり、何が公教育の必須条件なのかを明らかにすることがまず重要だろう。それがあれば、その必須条件満たすためにどんな代替手段が用意できるのかを、感情論に走らずに議論できる。学校の機能が明確であれば、「それ以上のものを要求しないでください。それ以上が必要であれば、それは公教育以外のサービスを利用してください」と、学校側もはっきりといえる

私としては、学校には最低限、託児機能があって欲しいとは思う。小学校レベルの算術と識字、読解力も欠かせないニーズだろう。こういう時代だから、最低限の情報処理や社会的スキルもそこに加えていい。そこから先は、ぜんぶ疑問符をつけて改めて検討してもいいぐらいに思う。少なくとも、校則で縛ったり形式にはめこんだりして得られる社会的規律みたいなものは、学校システムからは排除して欲しい。そういうものは、本来の意味での教育じゃない

ほんとにこれ。先の記事で「秩序維持」は集団の講義型教育を実施するためにどうしても必要な手段なのだということを述べましたが、私はこれ大っっ嫌いでした。いつの間にか、この秩序維持が目的かしてしまい、教育の目的と手段が逆転していると感じながら仕事を続けるのは本当にきつかった。というか耐えきれなかった。(なのにはてブで「秩序維持を肯定してるクソ野郎」みたいなコメント投げつけられてめっちゃしんどい……。否定するためにも、今そういう状況なんだを説明する必要があると思うんだけどなあ( ;∀;)

今の学校教育では、子供たちが自分たちで秩序を作っていくことを「待つ」余裕がない。余裕がなさすぎる。しかも生徒たちの扱いに明確な差をつけることができないのに、(公立校の場合は)内申点などで差をつけることが許されている。もういろいろと無茶苦茶矛盾だらけなんですよ。 建前と本音がずれてたり。 単にしんどいだけじゃなく、毎日毎日自分をごまかすことを求められる環境、自然な感情でふるまうことが許されない環境。これがブラックじゃなくてなんだというのかなと。そんなブラック環境に適応した教諭に子供を教えられたいと思いますか? 

子供たちのためにも、教諭をしばきあげるようなやり方でなく、もっと教諭が「子供たちのために」を心から実践できる環境になるにはどうしたらいいんでしょうね……。



教師の労務負担軽減についてはようやく議論がすこしずつ実を結びつつありますが、まだまだですね……

blogos.com
えーと。今更ではありますが、いろいろと教師の負担軽減についての「案」は出てます。
内田樹さんもこういう記事書くならちゃんとそういうの確認してからにしてほしい。やっぱりこのおじいちゃんもうだめかもしれないな……

www.nhk.or.jp
www.mext.go.jp

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/12/21/1412042_01.pdf

部活指導員の民間委託が解禁されたのはご存知かと思います。
他にも正課ではなく放課後講座に関しては民間委託も解禁されています。

ただ、ちゃんと予算がついてないから広まらない。まともな人材を雇うことを想定した予算は尽きません。
結局教育の問題については、国は「ボランティア」を求めているということが明らかにされました。

www.asahi.com

あと、文科省は常に教員増員を予算案で請求していますが、少子化を理由に毎年見送られ続けてます。
ほとんどの方はご存知かと思いますが、日本の教育投資は先進国の中でかなり低いですからね。

www.newsweekjapan.jp
日本の教育への公的支出、34か国中最下位<国別割合比較表> | リセマム
これはみなさん御存じの通り、消費税の代わりの「見えない増税」です


その結果何が起きているかというと、上で述べたように「教師の過労」と「求めている人材を確保できない」が並行して発生しています。

www.nhk.or.jp

「オンライン授業」か、それとも「アクティブラーニング」か問題

解決法が昭和の考え方だな。教室で一流の教師からオンライン授業を受けて、カリキュラムの組み方や生活規範などを現場の先生がアドバイスする形にするべき。 給料増とか負担減とかは100点中30点回答だよ。

いやいやいや…… お前は東進衛星予備校の仕組みがどうなってるかとか知らんのか……。それができるならとっくにやっとるわ。あと教師を「教務」役に引きずり落とすみたいなことを安易に言うのやめろ。いっちゃなんだがそれやった瞬間、教師の成り手はもっと下がるぞ。こういう安易な意見述べるやつほんま嫌い。

私自身は、「様々な準備が必要ではあるものの」中学受験勉強においてスタディサプリを小3~小4生にお勧めしたいと思ってたりする程度にはオンライン授業肯定派だし、プログラミング教育のことは全然わからないのだけれど、それでも、オンライン授業を導入すれば教師たちの労務問題が解決すると思うほど楽観視はしてませんし、安易にオンライン授業導入すれば解決なんて甘い考えは持ってません。

・そのオンライン授業とやらでは評価つけたりフォローしたりは誰がするんですかね...

・オンライン授業を下支えするSIerも人手不足なんですけどね・・・・プログラミング授業も小学校の教員がやる所がほとんどだし業務改善する気がないように見える。

ですよねー。かといって、アクティブラーニングはそれ以上にもっとハードルが高いんよね……。オンライン授業の活用も、ALも私立高校でいろいろ成功例があるので、そういうのが少しずつ共有されていくしかない気はする。それじゃ間に合わないんだけどね!


2017年に深刻な教師欠員が発生した。派遣教師への需要もピークに

Galaxy42 かつて各県での採用が1人とか2人とか惨憺たる時代があってだね。皆ほんとに教採試験に必死だった。それでも全然採用がなかった。皆、どこへ行ってしまったのだろう

そういう人たちは諦めて別の職業についたひとがほとんどです。今でも学校は新卒でない人をいきなり雇いたがったりはしません。

そういった穴は派遣の人が埋めます。とにかく正規の教諭の労務環境に耐えられないという人や、教職取ったけど就職氷河期で就職できず塾の教師をやってた人とかもいます。このため、能力的に高い人も結構います。そういう人を学校側は紹介予定派遣の形で受け入れて採用したりしています。

www.nhk.or.jp

www.nhk.or.jp

あと、リンクアンドモチベーションがやってるようなALT配置事業なんかも増えてますね。


ぶっちゃけかなりぼったくられているのですが、私立で自前で積極的に採用活動をしてるところは少ないです。派遣とか紹介会社任せ。
shiritukyoushi.hatenablog.com
こういうところほんとに学校法人って生き残りに真剣なのかどうか疑いたくなるところはありますね。ただ、派遣が使えるのはあくまで私立のみなので、公立は欠員が出たところを残ったベテランが必死にカバーしているケースも多いようです。