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VTuberたちのバラッド

最初に言っておくと私はVTuber界隈のことは全然知りません。

にじさんじのいいんちょうは時々目に入ってくるのを見て安定して面白いなと思うのと、「富士葵」のバイオハザード7実況が結構好きでした、くらい。夜桜たまがどこの事務所に所属してたのかすら知りません。ガチ無知です。

そういう人間がVTuber界隈について好き勝手に感想を述べている記事だと思ってください。間違っても「解説」記事ではないです。


ホロライブを運営する株式会社「COVER」を中心としたVTuber関連の騒動はあんまり興味関心がわかない

noteの情報漏洩の時も中国台湾騒動の時もはてなで盛り上がってましたけど、まぁVTuber界隈ってどこもかしこも運営がかなりガバナンス意識脆弱そうではありますよね。それほど表立った問題はないようですが、にじさんじにしたところで運営会社があの「いちから」でしょ。まぁやくざな稼業なんだろうなと思いますね。

noteの運営も最近ぼこぼこにされているようだし、意識高い系tech企業あるある案件のひとつ、くらいに見てます。 日々もっとゲスいことをやってくる会社とかの開示情報とか見てるのでそれと比べたらこれだけ大騒ぎされてるのを見てもそこまで興味はわかなかったです。



最近になってようやく興味がわいてきたのですが。それは「内部崩壊系」のネタが出るかもしれないなという期待があるからですね。

どれだけ批判されようが、会社がVTuberを掌握していて、かつVTuberが信者をつかんでいるなら、外部がどれだけ批判してもあんまり意味ないんですよ。ホリエモン界隈とか西野だとか箕輪みたいなの見てたらわかるじゃないですか。

この点において、あまりにもガバナンスが緩すぎて、内部での統制すら取れてないとなると、今からそろそろ面白いことが起きる前兆ではあるのかな、という期待は感じ始めたところです。

note.com



それはそれとして……

ちょうど「歌い手のバラッド」が最終話をむかえたタイミングで、ホロライブっていうところのVTuberが似たような雰囲気になってるなと思ったので今日はこの作品の感想を軽めに。

「歌い手のバラッド」について7話までの展開はほとんど最終話と関係がないので、最終話の話だけします。



まずは内輪で信者たちにかしずかれながらイキっていた身の程知らずな歌い手が表舞台に引きずり出されて大恥をかくという展開から

本作品中は「蛸壺屋」の同人誌並みに悪意に満ち満ちた描写で歌い手を描く作品です。

私は実際の歌い手界隈のことは全くと言ってよいほど知らないのであくまでフィクションとして楽しんでいますが実際はどうなんでしょうね。たまにメジャーとタイアップした歌い手がEDを歌ってズコー!ってなるときはあるので少し真実も含まれているのかもしれませんけど。



本作品では3人の男子による歌い手グループがいて、このグループは歌い手界隈では絶大な人気を誇り、若い女の子を食い放題でこの世の春を謳歌していました。

そんあある日、メジャーレコードから声を掛けられ、「新世代のメジャー歌手」の夢をちらつかされて意気込みながら歌番組に殴り込みをかけます。


結果としては悲惨なものでした。


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1~7話では歌い手の主人公が、「歌い手界隈の中」でのヒエラルキーの差を思い知らされて絶望を味わうわけですが、最終話では「歌い手界隈ではトップ」の人間が「歌い手の世界の外」とのギャップでボロボロにされるわけですね。

俺たちを知らない客の前でやるの……こんなに怖かったのかよ……
今までの…あの環境は……

売り出す側は最初から大事に育てようとか教育しようなんて全く思っていない。

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とにかく使いつぶすだけ。客を飽きさせないようにどんどん新しい「コンテンツ」として投入しては、新鮮味が薄れてだめになったらすりつぶしていく。その中で本当に才能がある人間だったら勝手に生き残るでしょというサバンナみたいな世界観。

実際のところ、作曲サイドからだったけど米津さんみたいな存在とかもいるわけだし、本物はどんな環境でも機会されあれば「嚢中の錐」のように飛び出てくるというのは間違いないんでしょうけれど。

ただ、ソシャゲ界隈で「アイドルマスター」やら「ラブライヴ」やら「バンドリ」「7th sisters」などの運営が、あれだけキャラがたくさんいるのに一人ひとり丁寧にキャラクターを育て上げようとしているのとは全く真逆の発想ですね。


業界の残酷な構図を分かったうえで「歌い手」としての「唄ってみた」ではなく「歌手」として「頑張ってみた」をやってみる3DSのメンバーたち

元々この3DSという歌い手たちは、女を囲ってちやほやされたいという理由だけで歌い手をやってたらたまたまうまくいって調子に乗ってしまったような人間だった。

でも、相手の思惑がどうあれ、彼らはメジャーデビューのチャンスを得て、どれほどバカにされたといってもしばらくの間は「歌い手」ではなく「歌手」として猶予を与えられた。

大勢の前で恥をかかされプライドもバキバキにへし折られ、信者以外の前で歌うことの怖さも知った。それでも、歌手として頑張ってみることにする。

ここら辺のシーンはかなり面白い。

当たり前だけど頑張ったところで本物以外は結局通用しないという厳しい現実はあるが、それはそれとしてその後も人生は続くよ、という〆

そこまでいっても現実は厳しい。当たり前だけれどド素人がいまさら本気になったところで、才能があって養成所で育てたられた人たちの土壌で立ち向かえたりすることはない。結局あっさり放逐される展開になる。

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といっても、彼らは歌い手として信者ちやほやされることの悦びを知り、さらにバカにされてもめげずに全力で取り組むことを体験した。その後はYoutuberに転身してやはり面白おかしくやっていくことになるのだった……。


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という感じです。

ちなみに、「歌い手のバラッド」はエロ漫画であり、エロ要素をすべてカットした結果ちょっといい話風になっていますが実際はこんなきれいな話ではありません。この3DSというグループの男3人は「聲の形」のいじめっ子である石田くんなんかがかわいく思えるくらいにクズ野郎ですので、この記事読んで「面白そうだな」と思って歌い手のバラッドを読んで吐き気を催しても私は責任取りませんからね……




この「歌い手搾取」「粗製乱造」の構造がより洗練されたのがVTuber業界っぽいよね

「歌い手」とか「小説家になろう」界隈は、きわめて個人職が強く洗練されていないからこそ、個人側が主体になることがまだ可能だったんですがVTuber業界は機材や設備、シナリオから見てもある程度の体力が必要で商業前提ですからね……。

最初こそ個人が頑張っていましたし、今でも「赤月ゆに」とか「魔王マグロナ」様のように先行してファンを獲得して個人として独立した形で勝負している人たちもいたり、有名な絵師さんが自らVTuberになってみたり、個人レベルのすそ野が凄く広いというのはよくわかるんですが。


なんだかんだ言って「Youtube」というアーキテクチャの構造上、興行面や商業タイアップ的な面が非常に重要になることから考えて、メジャーなところは商業系VTuberが抑えていくことになりますよね



「ホロライブ」なんかはその最たる例なわけで、そこで何が起きるかって言ったら、後になればなるほど「使い捨て前提の粗製乱造アイドル」が大量に生み出されることになるのは何もしらなくても想像できてしまうかなと。


株式会社カラーはなんでVTuberに対して最低限のコンプライアンス教育すらしないんだっていう批判がされてますが、あんなのわざとだと思いますけどね。


5期生がどの程度の位置づけなのかは知りませんが、ホロライブはにじさんじよりもスパチャ重視らしいですね。その結果として、資金回収速度が上がっており、かつ過激なサービスをするインセンティブが上がっているのかなと思いますが。

①「世間知らず」&「一般常識をあえて教育がしない」ままで
②「囲いの信者」たちに全肯定を浴びせられ続ける
③厳しい競争下で、個性を際立たせることを要求される
④どんな形でも注目を浴びることが正しいという考え方に染まる

などをやっていたら、どういう結果になるのかを実験してるんじゃないかなくらいの感覚でいろんな騒動を眺めてます。


といいうか、VTuberやってる人も、ダメだったらすぐにつぶされて捨てられるのくらい覚悟のうえでやってると思うしいいんじゃないかな?


「雀魂」の普及で活躍してた人周りの話を見ていても、こいつら仲間意識もくそもなくて落ち度があったら元仲間でも容赦なく蹴落としあうんだなってのを見てたら、利根川さんみたいな顔をして楽しむのがむしろ正しいコンテンツの消費の仕方なんじゃないかな、くらいの感覚です。




現状については個々のVTuberのことはあまり興味もないしまったく知りませんが、「構造的にそうなるでしょ」って感じで見てるので、95%は屍になる世界で生き残った5%を数年後に楽しませてもらえればいいかなーくらいの感覚で観てます。



おまけ  私が「今」ではなくVTuberの未来に期待すること

これについては明確にこちらの記事で紹介しています。
www.tyoshiki.com


まさに、このnoteで紹介されているような動画が増えてくれることです。
今でもゆっくり解説やVOCALOID解説などがありますが、あそこらへんは手間がかかりすぎるんですよね。

「個性の尊重」と「手間の削減」の両方が交差するところにVTuberの未来が位置付けられてほしいなと思っていて

note.com

今現在の企業がお抱えのVTuberがインフルエンサー文化とマッチングしてお金を稼ぐ手段になってる現状は全然私がVTuberという技術に期待しているものではありません。
なので、しばらくの間はVTuber文化には興味がありません。


今はまだゆっくり解説やVOCALOID解説などを楽しみつつ、VTuberに関する周辺の技術がちょっとずつ進展していくのを待ちたいなと思ってます。