「私の少年」が好きだった高野ひと深さんの新作ということでとりあえず2話まで読みました。
私はもともと高野ひと深さんの作品が好きなのであまり中立的な立場ではないことを前提に話しますが
公式によるtogetterまとめは宣伝の人が完全に露出の仕方を間違えたなと思いました。
・「大共感」「うおおお!??」「予感しかない」。トゥギャッターはゴミみたいなまとめで読む気そのものを殺いでくる。バカにしてんのか。/というか公式がまとめてた。逆効果だよ
・クソみたいなまとめ作られて作者さんかわいそうと思ったら公式だった
・掲載誌編集部のまとめでこのタイトルきっつ
私はtogetterまとめ作るの好きなのでその経験から言わせてもらうと、作品紹介のまとめはかなり面倒くさいです。
そもそも作品の宣伝そのものの紹介が嫌われがちですが、さらに楽しみ方を一方的に決めつけられるのはめちゃくちゃすごい嫌がります。
例えば青二才さんという人がよくtogetterで自分の感想をつけつつ作品を紹介してたんですが、
語り口調が「私はこういう風に楽しんだ」ではなくて、「こういう作品はこういう風に楽しむんだ」と作品の楽しみ方を勝手に決めつけるんですよね。
そのせいで「紹介する人間の自意識がキモイ」「お前が余計なことしゃべるから作品までつまらなく感じる」「こいつのうざい紹介語りさえなければ読んでみたかったかもしれない」「もうこれ業務妨害だろ」「この人に自分が好きな作品紹介されたら泣く」「どうしてここまでいい素材なのにそこまでメシマズにできるんだ」「美味しい料理を不味く調理する天才」などよくボコボコにされていました。
そのくらい、「押し付け」を嫌います。ちゃんとPRというタグが付いていてもです。
しかも、フィールヤングの編集部さん、PR付けないことが結構あるんですよね。(今回はついてました) この内容でPR付けないというだけで普通に嫌われますよそりゃ……。
togetter.com
和山やまさんのインタビューや書評をまとめて管理したい担当編集が、場所をお借りして自分用メモにまとめました。和山先生のことが気になって仕方ない皆さまも、ぜひご活用ください!
さらにいうと、togetterは古いオタクとアンチフェミのの巣窟です。
コメント欄の人たちは攻撃的なくせに自分たちがクソとか言われるとすぐ発狂するのですっごい面倒くさいです。
プロの編集の人に素人がこういうこと言うのは釈迦に説法ですらなく、蟷螂の斧でしかないのはわかってますが正直今回は宣伝のやり方が下手だったと思います。
この件をもって「これだからクソ男は」とか責任転嫁されないようにしてほしいなと思います
それはそれとして、「ジーンブライド」という作品は好きです。
実際に読んでみました。
仕事相手に初体験の年齢を聞くな(1/8) pic.twitter.com/3uZhn9Fy7M
— 高野ひと深 11/8『ジーンブライド①』発売 (@tknht3) 2021年11月8日
そしたら、まとめの悪印象とは別に、作品は好きだなと思いました。(高野先生の作品が好きなのでバイアスがかかってます)
増田ではこういう風に批判されてますが、正直この読み取り方はどうかと思うなあ。
女はただ醤をぞんざいに引きずり回して使って、不機嫌な顔をもろに出すハラスメントをかまして、
醤からの質問にはなんにも答えないという相手を格下に見ながら八つ当たりするとという行動しかしてないんだわ。
これは全然フェアじゃない評価だと思う。
だって、一話では醤が主人公を振り回してたじゃん。
んで、二話の態度が悪いのはその通りだけれど、別に作品でこの態度が肯定されてるわけでもないじゃん。
主人公は一話の冒頭からやさぐれてるし、いろいろと態度がクソな女として描かれてるじゃん。
これ主人公普通にこの後の展開で反省するよねってわかると思うんだけど。
この主人公の行動が、作中で肯定的に描かれてたらそりゃ「おいおい高野先生そりゃないよ」って思うけど
「やさぐれクソ女」として描かれている主人公が、好きでもなんでもない男性に対してクソな態度を取ったんだからむしろ納得ですけどね。
さらにいえば、一話の時点ですでに醤油に対して嫉妬というかいらだちをみせてる描写もあったわけで二話の態度は凄く納得いくものでしたけど。
増田は、作品そのものと、周りの反応を混同してるように思う
作品に対してではなくて、二話を読んで「この主人公の女性の態度を批判せずにむしろ肯定してる読解力のないファン」にむかついてるのではないかしら。
これは絶対に混同したらダメなところだと思います。
まあ、そういう意味でも、今回のフィールヤングの編集さんは、まとめ方が下手だったということで
この作品、割と取り扱いが難しいなと思ってます。
現時点では、女性主人公はいろいろとやさぐれモードなわけじゃないですか。
「気持ちはわかる」けど好感度そんなに高くないと思うんですよ。
この時点で主人公のことに共感して好きだって言ってる人はかなりミサンドリストよりだと思う。
そういう状態で、作品最初のブーストをかけたくて絶賛の声を集めたかったのはわかるけれど、
そういうミサンドリ寄りの意見を集めてまとめ作ったら、
作者とか作品の意図とは別として「この作品はミサンドリぶちまけ作品かよ」って読み取られちゃう。
実際、上の増田さんはまんまとその状態になっちゃってるし、それ以外の人も胸やけを起こしてます。
これはどう考えてもまとめを作った人が悪い。
・ 1話から読んだが、女ならこういう些細な事で生きづらくなるでしょ!?なるよね!?ってずっと追い立てられて疲れる漫画だった
・公式サイト公開分も読んでみたけど合わず。若くて美人ゆえになめられセクハラに悩む主人公に、理由も伝えられず理不尽に利用されてる男性も生きづらさを抱えてる(ASDっぽい)。実はSFという1巻ラストは気になるんだが
・発達傾向のある都合のいい彼くん出して、男と共闘みたいな空気だすプチ流行、発達はお前らのメンタルバイブじゃねーぞと謎の怒りが湧く
・ 雁須磨子の「あした死ぬには、」も少し似た要素を扱ってるんだけど、もう少し穏やかにこういう要素に触れたいって人にはお勧めしたい セクハラに至る男性の方の気分(必ずしも的確ではないが)も少し描かれてるので
なんかファーストコンタクトが微妙なことになっちゃいましたけど、
実際はミサンドリストでなくても普通に楽しめる、良い作品だと思います。
・序盤はスカッとジャパン話が続き胸焼けがしなくもないのだが、伏線もきちんと張られてて丁寧に作られてる。しかし何故公式の雑誌編集部はそこだけ取り上げてこんな長ったらしいまとめにしてしまったのか。
・はいはいそういうのね、と思いつつも一巻ラストでひっくり返される。ちゃんと所々丁寧に伏線はってるので突拍子もなさはなくて見事。最近でいうと『九龍ジェネリックロマンス』と一緒のやり口
まさしく。
「私の少年」が好きな人には本作もお勧めです。
まじめな話、高野先生は結構性癖の業が深いと思う。