頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

FANZA同人が生成AIを活用した作品に対して表示制限を行うゾーニング措置は利用者としては「妥当」だと思う

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先日、成人向けコンテンツ販売の大手プラットフォーム「FANZA同人」が、生成AIを活用した作品に対して表示制限を行うという発表を行いました。

これについて、「表現の自由への侵害だ」「挑戦者の芽を摘む行為だ」といった批判の声も散見されますが、果たしてそうでしょうか。




FANZA同人は明確に(ツイフェミが言うやつと違って)「分別陳列という意味でのゾーニング」の仕組みを導入した

まずはFANZA同人が発表した措置の具体的な内容を正確に理解しておく必要があります。


FANZA同人は、サークル(作品投稿者)への通達の中で、サービス内におけるAI作品を以下の3つのカテゴリーに分類すると説明しています。


・AI生成:AIによって作品の主要な要素が生成されたもの。
・AI一部利用:背景など、作品の一部の要素のみをAIで生成したもの。
・AI補助:ユーザーが作成したコンテンツを、AIを用いて改善した場合(自動補正やアップスケーリングなど)。


そして、今回の表示制限の主な対象となるのが、最初の「AI生成」に分類される作品です。


具体的には、以下の場所で「AI生成」作品が表示されなくなります。

・トップページの新作ランキングや各種ランキング
・作品ピックアップ
・新着作品一覧

各コンテンツのランキングページやフロア別トップページ、作品リストや検索結果ページ、新着作品ページにおいても「AI専用タブ」やAI作品専用のフロア以外では表示されなくなります。


ユーザーが意図的に「AI作品を探す」というアクションを取らない限り、AI生成作品が目に入ることがなくなる、というわけです。


特筆すべきは、コミック・CGのカテゴリーです。
このカテゴリーでは「AI生成」作品に加えて、「AI一部利用」の作品も同様に非表示の対象に含まれるとされており、より厳格な対応が取られることになります。



重要なのは、この措置はAI作品の投稿(販売登録)自体を禁止するものではない、という点です。
投稿された作品は、新設されるであろうAI専用のページやタブ内で引き続き閲覧・購入が可能です。
これは「排除」ではなく、あくまで「棲み分け」を目的とした措置であることが明確に示されています。




ゾーニングの影響が特に大きいのは「ランキング」と「新着一覧」

FANZAでランキング及び新着ラインキングに表示されることの影響は非常に大きく

このランキングページに何日表示されるかで売上が大きく変わる。

時期にもよるが、ランキング10位以内に載ると初動で2000~4000の売上が取れる。

一週間で10000本を超えるケースも有りさらに新作が売れるとあわせて過去作も売れやすい。

同人作家にとってランキング上位にのれるかどうかは死活問題である。



AI作品は大量に作成できる上、ランキングに載る効果があまりに大きいために「ランキング操作」を行っているケースが散見された

こういう仕組みがあるため、生成AI作品関係は、ぶっちゃけ「どうみてもランキング操作だろ」と思われるケースが多発していた。


例えば「Y」から始まるサークル。

このサークルは大量にカコ作品があるわけだが

ツイッターフォロワー数、Pixivの登録者数も少なく絵もずば抜けて強い訳では無いのに初動が謎に強い。

おそらく純粋な購入者以外に「販促費用を大量に使って(婉曲表現)」、初動の販売数を稼いでると思われる。


そんなことをして元が取れるのかと思うかもしれないが

ランキングに載ることの販促効果があまりにもでかいので

ランキングに載ることによる新作の売上ブーストの他に、カコ作品を50%offセールで売りまくることでペイできるようになる。

そして、一度損益分岐点を超えてしまえば、後はどんどん「回転率」を上げていけば良い状態になる。



つまり生成AIで1ヶ月に1本ペースで同人作品を出していくことができ、初動に販促費をかけてでも強引にランキングに乗せればペイしてしまう「ビジネス」サークルと

数カ月かけて手作業で1つの作品を仕上げ、作品だけで勝負するしかない従来のサークルではゲームのルールが違うのだ。



言いがかりだと思うかもしれないが、FANZA同人のデイリーランキング100位を見ると

最近は上位15位以内に生成AI作品が3~4作品入っているのに、16位~100位までの間はほとんど生成AIがランクインしないという日が多い。

じゃあその上位3~4サークルがずば抜けてうまいかと言われると全然そうではない。

ぶっちゃけ生成AIランキングの上位1位~50位はそんなに印象に違いがない。にも関わらず上位3~4サークルだけはやたら上位になる。

まぁそういうわけです。



ちなみに、ランキングが汚染されると当然「タグ」ごとの人気作品や新着作品も生成AI作品ばっかりになってくる。

長期的にはこちらのほうが深刻かもしれません。

一定規模以上のジャンルならいいですが

中規模以下のジャンルでこれをやられると、そのジャンルで手描き作品を作ってる作者さんは

まともに売れなくなるので、かなり厳しいことになってしまう

単純に、急に新作が増えすぎる事自体が利便性としてとても問題なんですよね・・・






というわけで

1️⃣そもそもゲームのルールが違うことと、
2️⃣ 生成AIの作品がランキング上位を占めることのメリット・デメリットを考慮して

「ゾーニング」の判断をすることはビジネス的にあっても全くおかしくはないと思う。


別に私は初動に販促費をかけること自体は全然悪いことではないと思っているが、「ゲームのルールが違う」ということ自体は重要だと思っている。

今までは、これを同じカゴの中に入れていたので、生成AI作品が作品力とは違う部分で「ランキング操作」的な行為でどんどんとランキングに載るようになってきた。

これをそのまま放置しておくと、「作品の優劣」とは別に、生成AIがどんどんランキングの上位を占めるようになるだろう。

そうすると、手書きで作品を作れるサークルがどんどんと割に合わないのでFANZAで勝負できなくなってしまう。

ただでさえ、最近はFANBOXやFANTIAなどのクリエイターサポート側を主軸にする作家が多いので中堅サークルが弱くなってしまう。

生成AIは短期的にはすごい売り上げをもたらしてくれるかもしれないが結構すぐ飽きてしまうからね・・・焼畑農業的なところがあるわけでこちらを主役にすることは構造的に難しい。



少なくとも現時点では、手描き作家を大事にして、作品の多様性を守りたいというのがFANZAの判断だと思われる。




なお、ユーザー目線で見るとAI作品を探すためにはワンクリック手間が増えるだけであり、AI作品を求めるユーザーにとってそれほど不便はない

むしろ、手描きと生成AIが混じっている方が探しにくくなるので、現状では棲み分けてもらったほうが、ユーザーとしてもありがたいと思う。

現状を考えた上で、このゾーニングが不利になるのはランキング操作したり、一度に大量に作品登録して新着に乗ろうとしてる生成AI制作者くらいだと思う。




なお、最近の生成AIのエロ同人作品はかなり質が高いです

未だに二次創作系はどれも似たような絵柄だし

シチュも構図も同じのばっかりで💩が多いですが

オリジナルの方がむしろレベルが上ってきました。

たとえば「しゃる」っていうサークルの作品とかは絵だけで見ればもう並の手描きの絵よりえっちな感じ。

コマ割りの単調さとか、アンバランスさとかまだ不自然な感じはありますが

それでもWebToonと比べてればこっちのほうが上って思えるレベルまで来た感じです。

手描きのマンガに紛れ込ませなくても

「質の高いAIエロ漫画」には普通に需要があるため、

むしろそういう人に堂々と売っていけば良い状態になっていると思います。

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